【日鉄興和不動産】街づくりを通じた社会貢献を目指して

「人と向き合い、街をつくる。」という企業理念のもと、ビル開発・賃貸事業と住宅事業の二つを中核とした不動産総合デベロッパー。「社員の健康と働きがいこそ企業が持続的に成長できる土台である」として、健康経営のさまざまな気遣いや試みがありました。

日鉄興和不動産の健康経営チームメンバー

日鉄興和不動産はこんな会社!

赤坂インターシティAIRや品川インターシティに代表される都心部のオフィスビル開発、首都圏各地での大規模再開発、都市型マンション「LIVIO」、外国人向け高級賃貸住宅「ホーマット」、物流施設事業「LOGIFRONT」を手がけている不動産総合デベロッパーです。

オフィスビル開発や大規模再開発は、そこに昔から住み、暮らす人たちと丁寧な対話を重ね、思いを汲み取りながら新しい「街」をつくり、育くんでいく仕事です。社内にはお互いに尊重し、協力し助け合いながらチームワークで仕事を進める社風があるそうです。

また、カフェテリアプランやファミリーデー、医療ポイント制度などの福利厚生が充実しており、社員へのやさしさが感じられる企業です。

街をつくり、育てる――社員の健康はその礎

東京都心部では近年小さなビルや住宅が密集した地域が再開発によって、高性能なビルに生まれ変わっています。オフィスや商業施設、住宅、緑地などのオープンスペースを備えた近代的なビルは、まるで新しく出現した「街」のようです。

日鉄興和不動産の中核事業のひとつであるビル事業は赤坂・虎ノ門エリアに強く、これまでに赤坂インターシティ(05年)、霞が関コモンゲート(07年)、赤坂インターシティAIR(17年)、オークラプレステージタワー(19年)を手がけ、23年には虎ノ門二丁目地区でも再開発が計画されています。まさに同社はこのエリアで新しい街づくりを担ってきた会社といえます。

よいビルをつくるために必要なことは何でしょうか? 人事部長の齋藤牧郎さんは企業理念の「人と向き合い、街をつくる。」を引き合いに、次のように説明します。

「例えば赤坂インターシティAIRでいいますと、70名を超える地権者の方がおられました。明治、大正、昭和、平成と何代にもわたってお住まいのご家庭もありました。住み慣れた街が変わることへのご不安もおありだったでしょう。私たちは何を受け継ぎ、どんな街をつくるべきかを話し合い、お任せいただいてこのビルを建てさせていただきました。訪れる方や入居される方はもちろんですが、昔から住まわれている方々にも“いい街になってよかったね”と言っていただくことが私たちの責任であり、やりがいです」

赤坂・虎ノ門エリア以外のオフィスビルでは、品川駅に直結した品川インターシティ(98年)、浜松町駅にほど近い浜離宮インターシティ(11年)、名古屋のオフィスエリア街中心に位置する名古屋インターシティ(08年)などがありますが、いずれもその街の成り立ちやそこに集う人々の想いと向き合い、信頼関係を構築しながら時間をかけて丁寧につくられたといいます。

市街地再開発や大規模マンション、住宅事業もまたしかり。同社が手がける不動産事業は単に建造物をつくるだけでなく歴史ある街を再生し、引き継がれる価値を創出することで、活力ある街を生み出す事業になっています。

そんな日鉄興和不動産が、人事業務において最も重要視していることが“社員の健康”で、これは新日鉄都市開発と興和不動産が経営統合し「新日鉄興和不動産」としてスタートした2012年からの一貫した方針とのこと。

「我々は“街をつくり、育てる”という何世代にもわたる仕事をしているわけですから、持続的に経営を維持し、成長していかなくてはなりません。そのためにも社員にはより高いパフォーマンスを発揮して欲しい。1人に100の力があるとして、そのうちの70しか発揮できないのか120が出せるのかによって、会社の活力や成長が決まってきます。そうしたなかにあって健康はすべての土台です。社員が健康であることはもちろんですが、会社が社員の健康に対してとても気を遣っていること、何かあっても会社がサポートしてくれるんだという安心感を持ってもらえることが大事だと思います」(齋藤さん)

日鉄興和不動産では2019年から3年連続で「健康経営優良法人ホワイト500(大規模法人部門)」を取得しているのですが、同社を取材して感じたのは必ずしも“認定ありき”でなく、あらゆる取り組みの結果として認定に至っているのだろうということです。

認定要件以外の施策や制度も手厚く、社員の健康に対する理解・意識の底上げが図られているからです。では具体的にどんな取り組みが行われているのでしょうか。次項以降でご紹介していきます。

もしものときにサポートがあると安心して働ける

健康診断はどの会社でも定期的に行われていますが、その後のフォローはどうでしょう? いくつかの項目でC判定やD判定(生活習慣の改善や医療機関受診のすすめ)が出るとそのときは「気をつけなきゃ」と思うものの、忙しさにかまけてそのまま翌年まで持ち越してしまうケースもよく聞きます。

日鉄興和不動産では人間ドックやPET健診など定期健診後の任意健診に費用の補助をしていたり、産業医や保健師と面談できる機会を増やす(週1回)など、実効性のある制度を用意しています。

「こうした取り組みは私たち自身も手探りで始めました。社内のポータルサイトやデジタルサイネージで制度やセミナーの案内を積極的に行い、楽しく参加できるイベントを開催したり、健康情報を毎月メールマガジンで配信したりとあの手この手で盛り上げて。その結果として社員の健康意識が年々高まってきたのを感じます」(浅野さん)

日鉄興和不動産の経営姿勢がよくわかるエピソードがあります。同社では毎年インフルエンザのワクチン接種を派遣社員を含む全社員に無料で実施していますが、2021年は新型コロナウイルスのワクチン接種を全社員に加え、グループ企業とビル全体、つまりテナント入居者や取引先、さらにはそのご家族まで含めて行ったのです。

「当ビルには大規模イベントが行えるコンファレンス施設があるので会場は確保できました。医師・看護師はテナントで入居されているクリニックに協力をお願いし、約2000名の希望者全員が無事に接種を終えました。予定よりワクチン供給が遅れてやきもきもしたのですが、その間に対象年齢が引き下げられるなどして、テナントや取引先、ご家族などにまで接種対象を広げられ、大変喜ばれました」(近藤さん)

また、21年度から社員間の相互扶助として“積立(有休)休暇の寄付”というユニークな制度もスタートしました。有給休暇は2年で権利が消滅しますが、それを寄付して、病気や怪我のために長期間休まざるを得なくなった人に使ってもらえるというものです。

「さっそく寄付日数は集まっていますが、実際にそれ(寄付された有休)を使いたいという申請はまだありません。病気や怪我で困った人が出ていないということなので喜ばしいことではありますが、もしものときには欠勤扱いにならず療養に専念できるので必要になった人には大きな助けになりますし、安心感にもつながると思います」(今野さん)

このように日鉄興和不動産の健康経営は社員の健康診断のスコアを上げるだけでなく、社員の日常的な意識の高まりや職場の一体感、ひいてはグループ会社やビルに入居するテナントや取引先とそのご家族にまで広がっています。

人事部が配信しているメルマガ「ヘルスエアライン」。保健師からのアドバイスや専門家のセミナー案内などを掲載

健康で幸せに働き続けることが社会のためになる

今、社会は大きく変化しています。オフィスや住宅に対するニーズ、街の賑わいのあり方、人と人とのつながりが、ものすごいスピードとエネルギーで変わりつつあります。新型コロナ禍を経験して、その勢いはさらに拍車がかかったようにも感じられます。

「私たちデベロッパーも昨日と同じことをしていていいはずがありません。社会の変化に適応して新しい技術やサービスを取り入れ、社会や市場、取引先などのニーズに応え、適応していくことが求められています。そのためにも私たちは多様な人材を求めます。いろいろな大学・学部で学んできた人、さまざまな経験をしてきた人、得意分野や人柄も含めて幅広く能力と個性を持った人が集い躍動することが、会社の活力になると思うからです」(浅野さん)

例えば同社では予算に投資枠を設け、社内からビジネスアイデアを募り、新しい挑戦を支援しています。若手を中心に数多くの提案があり、経営陣の審査を経ていくつかは実際に形にもなっているとのこと。また、21年7月には分譲マンションを、検索・閲覧→カスタマイズ→申し込み→住宅ローン審査→契約手続き→申込金の決済から引き渡しまでをサポートするオンラインストア「sumune」をリリースしています。スマホでマンションが買えるサービスはもちろん業界初の試みです。このアイデアは30代の社員が考案したそうです。

最後に先輩社員のみなさんに「どんな人が日鉄興和不動産に向いているか」を聞きました。

「何事も“こだわり抜く人”でしょうか。困難に直面してもそれを貫き通す強さが求められると思います。ですがそれは一人よがりではない。皆で意見を出し合い尊重しながら、よりよいものを創り上げていく強さなんです」(今野さん)

「私は“熱い気持ちを持った人”に当社を志望してほしいと思います。新しいことに果敢にチャレンジできる会社ですから、変革にひるむことなく周囲を巻き込みながら挑戦し続けてほしいと思っています。これから入社するみなさんには熱い気持ちで会社をさらに活性化していただけることを期待します」(松島さん)

「柔軟な考えを持った人、自分の意見をしっかり言えてきちんと行動に移せる人と一緒に働けると嬉しいですね」と語る近藤さん
日鉄興和不動産株式会社
 設立:1997年(創業1952年) 
事業内容:オフィスビルの開発・賃貸・管理/マンション・戸建住宅の開発・分譲・賃貸/物流施設・商業施設等の開発・賃貸・管理/
外国人向け高級マンションの賃貸・管理/不動産の売買・仲介・鑑定・コンサルティング/不動産証券化商品の企画・出資
資本金:198億円(2021年 3 月31日現在) 
従業員:516名(2021 年 3 月31日現在) 
本社住所:〒107-0052 東京都港区赤坂1丁目8番1号
電話番号:03-6774-8000(大代表)
URL:https://www.nskre.co.jp/

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