【グリコピアCHIBA】特別企画・アイス工場見学記

・入場料   無料(完全予約制)
・休館日   HP、お電話にてご確認ください。
・営業時間  9:30~16:00
・連絡先   04-7127-3355(開館日の9:00~16:00)
・所在地   〒278-0041 千葉県野田市蕃昌10番地
・アクセス  常磐自動車道「柏IC」から約30分
       東部野田線「愛宕駅」東口からタクシーで約10分
       タクシー台数が少ないので、ご注意ください。
       路線バスはありません。
見学申し込み  https://www.glico.com/jp/enjoy/experience/glicopia/chiba/    

千葉は首都圏に近いため、企業の生産拠点が数多く集まっている。「パピコ」「セブンティーンアイス」を作っているグリコピア CHIBAもその1つ。工場見学が大人気になっていると聞いて、行ってきました!

千葉は首都圏全域にアクセスが良く、用地も豊富。そのため千葉に本拠を構える企業はもちろん、本社は東京や大阪にあっても「生産や物流の拠点は千葉」という企業もたくさんある。

そうした中、専用のコースを設けて、消費者の工場見学を受け入れている企業がある。「パピコ」「セブンティーンアイス」を作っているグリコピア CHIBAもその1つ。

企業の発祥や歴史について学び、身近な商品の生産体制や品質管理を間近に見ることは、仕事について考えるよい機会になるはず。ということで「大人の工場見学」に行ってきました!

グリコピアCHIBAがあるのは野田市蕃昌10番地。最寄り駅は東武野田線愛宕駅(そこからタクシーで10分)だが、駅待ちしている台数が少ないのでできればマイカーで訪れたい。

駐車場で「グリコワゴン」を発見!全国を巡回するためにいつもここにいるわけではないので、会えたらラッキー。


見学は無料で完全予約制(2名から受付可)。なかなかの人気スポットなので、興味のある人は早めに予約を。


江崎グリコがこの地にアイス工場を建てたのは1967年というから、半世紀以上も前になる。けれども、古めかしさを感じさせる部分は微塵もない。足を踏み入れてまず驚くのは、ピカピカの白さだった。

聞けば2017年7月に見学ツアーを前提に〝見て・学んで・楽しめる〟エンタテインメントファクトリーとして操業開始したばかりの施設とのこと。小学生の頃に社会科見学で行った工場とはぜんぜん違った!

クリーンルームを体験。向上内は衛星管理が徹底されている。全方向から吹き付ける風で、体や洋服についたホコリやゴミを落としてから作業場に入る。


風を吹き付けて体のホコリやゴミを落とすクリーンルームを通って、いざ工場の内部へ。

見学通路はガラス張り。製造工程はほぼ完全に機械化されている。年間15000kℓのアイスが製造可能というから驚きだ。

見学コースと製造工程は完全に分離されていて、ガラス張りの順路からじっくり見ることができる。

パピコの原料が容量10トン(パピコ7万2500袋分)×32台の巨大なタンクの中で混ぜられ熟成される。その後、撹拌しながらマイナス3℃まで冷やされるが、このとき細かな空気をたくさん含ませることで、ふんわりした食感になるという。

工場内には幾つものカメラが設置されていて、スティックでアングルを変えたりズームアップして、より詳しく見ることができる。

次いで1分間に400本の早業で次々に容器に充塡されていく工程を見て、螺旋状の「スパイラル急凍」へ。ここでマイナス3℃→マイナス10℃まで一気に冷凍される。冷やされ方は、3つの冷凍庫を通って実際に体験。パピコの気持ちがよくわかる?

アイスが急速に冷凍される工程を体感できる冷蔵庫。見学では-10℃で体感できる。
肌がチリチリ痛い!
アイスを運ぶトラックの扉と搬入口はぴったりと接続するように設計。アイスが外気に触れることなく搬出される。できたばかりのパピコが目の前に!


徹底した安全チェックを受け、出荷。見学者は最後に工場で製造されたパピコを試食させてもらえる。製造工程見学後に食べると、また格別!

お待ちかねの試食では定番のチョココーヒーを選択。キンキンに冷たいけれど口当たりなめらか。やっぱりおいしい。



見学コースは約70分で終了だが、そのあとにアイスクリーム作りの工程が学べる体験コースもある(有料)。

グリコキッチンではアイスの手づくり体験も(1500円/2名分)。混ぜて冷やして固めるだけのシンプルなアイスだけれど、これが楽しい!


基本の材料は牛乳と生クリームと砂糖。これを金属ボウルの中に入れ、氷+塩を入れたボウルに漬けながら、よくかき混ぜる。かき混ぜながら冷やし、冷やしながらかき混ぜる……そうすると徐々に凍った感じになっていき、アイスクリームができあがる。

お好みでチョコクッキーや抹茶などのパウダーで味付け、「ポッキー」や「ビスコ」など、おなじみのお菓子をトッピングして出来上がり。


最後にフレーバーやトッピングを加えて完成! シンプルだけれど、とっても楽しい。工場見学のあとの体験コースもおすすめです。

併設のショップには、限定版・復刻などの珍しいアイテムも。いちばん人気は「全国のご当地プリッツの詰め合わせ」だそう。

江崎グリコの歴史

創業者の江崎利一氏

「江崎グリコ」誕生のきっかけは1919(大正8)年まで遡ります。薬種業を営んでいた創業者・江崎利一氏が、有明海の近くで漁師たちが牡蠣を茹でる際に出る煮汁に、グリコーゲンが豊富に含まれることを発見。子どもたちに元気になって欲しいとの思いから、キャラメルに混ぜて栄養菓子「グリコ」が誕生しました。

利一氏は商売の才も抜群で、商品を売るための工夫も冴え渡ります。1922(大正11)年に佐賀から大阪に移って江崎商店を設立すると、伝統のある三越で販売を開始。キャラメルをハート形にしたり、「1粒300メートル」のキャッチフレーズを考案してブランドを確立。1929(昭和4)年には「子どもにとって遊ぶことと食べることは2大天職だ」として「おもちゃ小箱」を付けて一気に全国区にのし上がりました。

発売当初のグリコ


1932(昭和7)年には中国・大連に工場を新設して世界進出、その翌年には酵母を使った栄養菓子「ビスコ」を世に出すなど着々と規模を拡大。第二次世界大戦で国内外の資産をすべて焼失するもすぐに復興し、食料事情の厳しい中で「栄養と健康」を軸に再び急成長を遂げました。戦後はカレールーや牛乳・ヨーグルトなどの食品事業も手掛け、今日の「江崎グリコ」としての姿があります。

企業が長きに亘って存続・成長するには絶対にブレない軸がありつつ、時代の変化に対応する「不易流行」が必要です。企業を訪問する機会があったら、今に注目するばかりでなく創業者の思いや企業理念にも目を向けることが大切です。

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