- 設立 1957年（創業1947年）
- 事業内容 アパレルの企画・生産・輸入、専門店等への卸売、直営店での小売、海外販売、不動産賃貸
- 資本金 5000万円
- 従業員 75名
- 本社住所 埼玉県さいたま市大宮区桜木町4-252
- 電話番号 048-641-1388 （代表）
- URL https://www.union-trd.com
好きなことを仕事にしたい、という人がめざす業界のひとつがアパレルだ。アメリカンカジュアルの中でも、特にミリタリーウェアに強いブランド「HOUSTON」は、さいたま市に本社を置くユニオントレーディング株式会社が展開している。同社の歴史や経営理念について牧野次成社長から、商品や店舗などについては、牧野茂正常務、松尾敬介店舗部課長、鈴木淳也本店店長から、それぞれ話を聞いた。
埼玉発のミリタリー＆アメカジブランド「HOUSTON」日本のものづくりを世界へ！
カジュアルアパレル業界は、大きくはアメリカンカジュアルとヨーロピアンカジュアルに分かれますが、当社はアメリカンカジュアル、中でもミリタリーウェアやビンテージウェアが強みです。
特にミリタリーウェアは、オリジナルブランド「HOUSTON」を販売。国内全域だけでなく、韓国、中国、台湾などアジアを中心に、海外にも広がっています。モッズコート「M-51PARKA」は、映画にもなった東京・お台場が舞台の刑事ドラマの主人公が着用。1990年代から現在も人気が続く、ロングランヒットアイテムになっています。
直営店７店舗。自社ブランド中心にこだわりのセレクトショップ
刑事ドラマ・映画の主人公が着用しヒットアイテムに
アメリカンカジュアルのセレクトショップ「UNION」は現在、さいたま市大宮区の本店や、大型ショッピングセンター（以下ＳＣ）を中心に７店舗。自社ブランドを中心に各店でこだわりの商品を品揃えしています。
当社はもともと路面店からスタートしているので、店舗の権限が大きく、オリジナルブランドも持ちながら、セレクトショップとしての仕入れも行うことができます。長い歴史があるので、取引先からの信頼も厚く、いろいろなブランドとつながりがあるのも強みです。
メンズ・レディース・雑貨を扱う直営店は仕入れと自社ブランドは７対３くらいで、海外からの買い付けもあります。お客さまは、
１．昔から自社ブランド「HOUSTON」を好きでいてくれる方
２．海外から輸入するトレンド商品を楽しみにしてくれる方
３．当社が仕入れている国内ブランドが好きな方
の３パターンです。店長をはじめとするスタッフが顧客の好みを把握しているので、顧客に合わせた商品をピンポイントで発注することもあります。
大手アパレル企業の場合には「あのお客さまのために、この商品を仕入れよう」ということができません。当社の店舗にいると、一人ひとりのお客さまの顔を思い浮かべながら、「どの商品なら喜んでもらえるだろうか」ということを考えて仕入れができます。そういうリアルなお客さまとの接点が、仕入れも接客もやっていて楽しいし、魅力的なところですね。
米軍の払い下げ衣料のリメイクを原点に老舗ブランドへ
社風と働きやすさを大切にしている
当社のものづくりの特色を一言で言うなら、工場連動型企画、生産、販売に至るライン一本化企業（=SPA）です。自社によるアパレル製品全般を企画し、国内自社工場、海外（中国、インド、ベトナム）協力工場での直接生産、管理を行って、高い品質の製品を生産。また直営店舗でも、専門店としてお客さまに喜ばれる、質の高い販売サービスを行っています。このシステムをバリューチェーンと呼んでいます。
1972年のブランド登録から約50年。日本のものづくりから生まれる品質の良さには自信があります。今後は欧米への本格進出や、直営店の埼玉県外への出店拡大も視野に入れ、HOUSTONブランドを世界に広めようと考えています。
当社のものづくりの原点は、1947年にアメリカ軍の中古払い下げ衣料を引き取り、再び着られるように修繕して販売したところにあります。 当時はファッションとしてではなく、作業服や防寒服などの実用着として購入する人が多かったそうです。
当時、当社には反物を使って洋服を大量に作って販売する環境がなく、米軍の古着や輸入中古ジーンズを補修やリメイクして販売することが中心でした。デザイナーやパタンナーなど、今では当たり前になっている存在がいなかったので、米軍の払い下げ品の縫い目をほどき、パターンをとって、オリジナルを作りました。
日本で初めて、オリジナルのフライトジャケットを製作したのも当社です。その後も、数々の日本製ミリタリー商品を製造。1972年にミリタリー&アメカジブランド「HOUSTON」を立ち上げました。
ブランド名の由来は、宇宙を視野に（笑）とアメリカの宇宙基地がある街、ヒューストンから名付けられました。当時は、街の名前をブランド名に商標登録することができたのですが、今ではそれができないので、珍しいブランド名になっています。アメリカのブランドだと思っている人も多いです。
HOUSTONのアイテムには、ミリタリーならではの特徴的なデザインがあります。本物の米軍の制服に基づいて作ったデザインも多いので、当社には軍服関連の専門的な資料もあります。ブランドの良さを高めていくためには、こうした知識も必要です。
1979年には、自社の縫製工場である大宮産業株式会社を設立し、本格的な生産体制を確立。オリジナルブランドの企画・生産、卸・小売を始めたことで、アイテム数が増え、販路も拡大。また、直営店による小売のチェーン展開も行い、事業内容を広げてきました。
HOUSTONは、古き良きものは残しつつ、時代に合わせたサイズ展開やデザインで商品をアレンジ。こだわりを持ちながら、本格的なアイテムを提供する老舗ブランドに成長しました。自社工場では、今では希少となった日本人の職人による日本製の商品を作り続けています。これはすぐれた日本のものづくりを絶やしたくないという思いからです。創業当時のものを大切にする気持ち、作り手のこだわり、ファッションへの愛着が、当社の現在につながっています。
家庭的で自由な社風に合う人間関係と働きやすさ
当社は企業理念として３つのテーマを掲げています。
【UNION’S SMILE】ユニオントレーディングは笑顔と楽しさを創造する会社です。
【UNION’S CIRCLE】ユニオントレーディングは全てをつないで輪にしていく会社です。
【UNION’S FIRST】新しいスタイルがいつもユニオンから始まり、それが業界のスタンダードになるよう努力している会社です。
『人々にアパレルを通して笑顔と楽しさを創り、社員相互、自社と関係先、顧客との信頼関係を輪のようにつなげ、社員は自主的に行動し、新しい価値を創ること』を企業の使命としてとらえています。
また社会で生きていく上での心構えとして【感謝と成長】を基本精神としています。
トップダウンではなく、社員と一緒に働いて会社を作っていこうという考え方で、それが社員にも浸透。自主性を生んでいます。ひとつ屋根の下で、一体感を持って仕事をしたいと思い、働き方を改善しています。
自由な社風に合った人が働いているので、考え方が似ている社員が多く、人間関係や雰囲気がいいのも特長です。個人ノルマはなく、店舗ごと部署ごとにみんなでがんばるという感じで、チームで何かを成し遂げるのが好きな人に合っています。
アパレル業界というと、休暇が取りにくいイメージがありますが、当社は働きやすさや働きがいを大切にしています。例えば、バースデー休暇として有給とは別の休暇がある他、夏期と冬期には、有給を含めた連休を取ることもできます。
企画・ものづくり・販売。幅広く将来のビジョンを描ける
ファッション業界をめざす人は、自分でどこまでの範囲の仕事ができるのか、自分の可能性を最も広げられる企業を探しているのではないでしょうか。当社では店舗での販売はもちろんですが、希望と熱意さえあれば、商品の企画・生産の仕事ができたり、卸の営業ができたりと、さまざまな仕事にチャレンジできます。
実際、当社で活躍中の若手社員は「夢が持てるし、将来のビジョンを描きやすいのがいいところ。工場があり、企画・生産もできて、卸もやっているので、今後、自分が何をしたいのかがイメージしやすかった」と話しています。
アパレル業界には、販売あの会社も、生産専門の会社もたくさんありますが、両方を１社で行っている会社は多くありません。当社は、製造小売の先駆けです。それが我々の個性であり、強みでもあります。「製造小売で自分の力を試してみたい」という方は、ぜひ当社で一緒に働きませんか。
