株式会社三洋堂ホールディングスは、愛知県や岐阜県、三重県を中心に70店舗以上もの店舗を展開している「三洋堂書店」やフィットネス事業などを運営している会社だ。創業当初、書籍のみの提供だった三洋堂書店は、近年、地域の方のニーズに応え、書店に併設する形で文具や雑貨の販売、映像ソフトや音楽ソフトの販売やレンタル、トレーディングカードの買取や販売といった本以外の商品も取り扱うようになった。普段の生活に豊かさを持っていただけるよう、複合大型書店である「ブックバラエティストア」として多くの方に本とのであいをサポートできるよう現在も経営規模を大きくするなどして、日々進化している。今回は、人事総務部の伊藤勇部長に、事業内容や新規事業、さらには就職活動中の方が書店を最大限に活用する方法などについて伺った。
書店を中心に様々な事業を展開
株式会社三洋堂ホールディングスが運営する三洋堂書店は独立した郊外型書店が多いのですが、一部ショッピングセンター内に店舗を構えるインショップスタイルの書店もあります。
東海3県を中心に活動する当社のミッションとして「本とのであいのおてつだい」「書店のないところに書店を」を掲げています。
このミッションを実現するために現在は、書籍以外の商品の販売やフィットネスクラブの運営など、多岐にわたる事業に取り組んでいます。
三洋堂書店は、1978年に名古屋市で15坪の書店をオープンして以来、店舗が増えるたびに少しずつ大型の書店をつくってきました。
店舗の出店地域としては名古屋市を中心とした東海地区、さらには関西や関東にも店舗網を拡大し、多くの方にであいの場を提供しています。
現在70以上の店舗を運営しておりその中には、600坪の売場面積を持つ書店もあるため多様な商品を取り扱うことができています。取り扱い商品は、書籍から始まり映像、音楽、テレビゲーム、文具、雑貨、おもちゃなど、どんどん多様化しており、近年はフィットネスクラブなどの教室運営、トレーディングカードの買取や販売の事業も行っています。
その中でも、大切なのは書籍です。私たちが取り扱う書籍は、物理的な本や雑誌ではなく学びや好奇心、感動といった、生活に潤いを与え「時に人生に影響を与えるもの」だと考えています。
そういった本に備わる力を引き出す売場にすることが、1つ目のミッションである「本とのであいのおてつだい」の実現を目指す上で大切なことだと考えています。
また、特別に出かける場所ではなく、学校の帰り道や通勤帰りにフラっと立ち寄ることができるような場所に書店があれば、本を読む習慣を持つ人が増えると考えています。
そして、そういった人を増やしていくために店舗を増やしていこうという想いが、店舗展開戦略の根底に流れ、もう1つのミッションである「書店のないところに書店を」を常に掲げて店舗網を広げるというアクションに繋がっています。
巨大空間を活用して事業間のシナジーを狙う
私たちの書店の特徴は、レンタル事業を併設している複合書店の中でも、書籍を販売するスペースが大きいという点です。また、古本販売も併設している店舗があるのも特徴と言えます。
こうした複合書店を展開できるのは、平均売場面積が400坪以上あり、複合書店展開前から広大なスペースで書店運営を行い、書籍販売をベースにしながらも、お客様のニーズや時代の変化に合わせて新たなビジネスを展開して店を変化させてきたため。いわゆるブックバラエティストアの展開が可能になりました。
また、政府による働き方改革により、健康で豊かな生活のための時間が増え、楽しみや学び、健康等を大切にするライフスタイルも広がっています。
そういった学びたい、健康になりたい、といった人生を豊かにしたいというニーズに合わせて、フィットネスクラブ運営事業などの新規事業にも積極的に進出しています。
このように様々な事業を展開するにあたり私たちは業務の標準化にも力を入れています。
業務内容を明文化することは業務の標準化に役立ち、それに基づいたトレーニングを一定期間行えば、キャリアに関係なく売場でしっかりと役割を果たせる人を育てることができます。
現在、ご存じの通り書籍販売やCD、DVDの販売&レンタルはインターネット上のサービスを相手に厳しい競争に晒されています。
そうした中で生き残りを図るため、ローコストオペレーションの徹底にも力を入れ、確実に利益を出せる構造を追求したり、その他、自社物流センターやセルフレジの導入など、設備投資も積極的に行っています。
本よりも人と向き合うことを大切にする書店
書籍販売という書店の事業を中心にしながらも、様々な事業を展開している私たち三洋堂書店は、基礎的な対人関係能力があれば、どんな人でも活躍できる場が必ずあると考えています。
よく「本が好きじゃないとダメでしょうか?」と聞かれますが、そんなことはありません。
本が好きな人、本に関して知識が豊富な人が社内に多いのは事実ですし、入社した新入社員はまず書店に配属され、そこで店長を目指すのが一般的なキャリアプランとなっています。
一方で、お客様は必ずしも本好きな方だけでありません。
初めてご来店した方にもワクワクする場所であるためには、そういった方に寄り添った店づくりが不可欠です。そのためには働く側にも本がさほど好きではない人など、様々な考え方の人が働いていることが重要だと考えています。
また、若い人がチャレンジする舞台やチャンスは多いと思います。
「全社的に手法を変える」ような大きなことをいきなり若手に任せることは少ないかもしれませんが、「自分が働く店舗でお客様向けに何かをする」というレベルなら多くのチャレンジができるでしょう。
たとえば、郊外型の複合書店チェーン店はフランチャイズ店が多く、店舗で働く人がほとんどだと思います。
しかし当社は独立系のため、仕入れや買い付けなど本部が行う業務もあるので業務内容は多種多様です。仕事内容が多彩なので、色々なタイプの人が活躍できる可能性があると考えていただけると嬉しいです。
多様な事業に積極的にチャレンジ
三洋堂書店の売上の多くを占めるのは、やはり書籍に関する事業です。
書籍事業は本に強い社員がたくさんいるので第一人者になるのは時間が掛かります。
しかし、それ以外の事業や業務、たとえばトレーディングカードなどの新規事業やSNS運用といった業務では、会社として力を入れているものの、社内に専門家や強い社員が少ない状況です。
こうした分野では、若手社員でも早い段階で頭角をあらわしやすいのも事実です。
また、当社は得意なことだけをずっとやり続けるのではなく、2〜3年程度で配属先を変えながら経験を積み重ね、まずは書店の店長を目指していただきます。
もちろん店舗運営能力やスタッフのマネジメント能力を身につけていることが前提になりますが、その後は本部に入ったり、別事業に移ったり、新規事業の立ち上げに関わるなど、様々な経験をしていただくことになります。
【活躍する若手社員】書籍販売とは異なるやりがいがあるトレカ販売
松浦史弥/新開橋店主任トレーディングカード販売担当
中古トレーディングカード事業の導入を担当しましたが、自分が新規事業の立ち上げに抜擢されるとは思っていませんでした。
まさか学生時代に趣味で集めていたトレーディングカードが仕事になるとは(笑)。
新規事業立ち上げは、当然ながら教えてくれるような社員は社内にはいません。
不安はありましたが、本部の方々と一緒に模索しながら事業を立ち上げていくのは面白かったです。中古トレーディングカードの買取価格や販売価格は自分たちで決めるので失敗もありますが、自分が買い取って値付けしたカードが売れた時は、値段が決まっている書籍が売れた時以上のやりがいを感じます。
これからも楽しみながら仕事をしていきます。
就活中は、書店に足を運んであらたなであいを!
この記事を読まれている人の多くが、就職活動や転職活動中の方々でしょう。
書店にもいわゆる就活関連本の購入に来られるお客様方は多数いらっしゃいます。就職関連本は3月前後によく売れるのですが、SPIや自己分析、面接対策、一般常識など、トピックが多数あり、それを一度に勉強することはできません。
そのため、大学3年生の夏頃には、就活の土台となる「自己分析」や「業界・企業研究」を、後期が始まる10月頃には「SPI」などの試験対策を、そして志望する企業が明確になった段階で「面接対策」など、時期に合わせた対策をしていくことが必要です。
インターネット上には膨大な情報がありますが玉石混交です。書店でオススメしている本は、最新の情報や毎年多くの方に支持された内容なので信頼度が高く、就職コーナーに立ち寄れば、必ず有意義な情報が得られるはずです。
また、就職活動で有利になる資格取得についても、書店で買える参考書や問題集だけなら、1万円以下での資格取得も可能です。私も衛生管理者の資格を取得しましたが、書店で購入した参考書と問題集だけで合格できました。
魅力多き愛知県は働く地域としても最高!
業界情報が掲載されている書籍はたくさんありますが、『こんな会社で働きたい』シリーズの書籍は、老舗企業から、あまり聞いたことがなくても業界内では元気で有名な会社、ニッチな業界で高いシェアを持った会社まで、様々な会社が紹介されています。
特に素晴らしいのが、きちんと各企業のトップや担当者に取材し、そのインタビュー内容が丁寧に掲載されている点。
しかも業界ではなく都道府県で切り分けられているので、自分が就職したいと考えているのとは異なる業界や企業を知ることもできます。「この会社は○○県だったのか」といった驚きや、企業それぞれの社風やカラーが垣間見えるので、就職活動中の学生の皆さんはもちろんのこと、それ以外の人でも読んで楽しむことができるのも大きな特徴です。
愛知県は利便性も高いですし、とても住みやすい県だと思います。東京や大阪に比べて家賃も安いせいか、長時間の電車通勤を強いられることは少なく、車通勤中心の企業も多いです。
日常生活を送る上では都市と田舎が良い具合にバランスされた便利で働きやすい環境だと思います。
ぜひ愛知県で働いて、機会があれば三洋堂書店に足を運んでくださいね。
株式会社三洋堂ホールディングス 設立:1978年 事業内容 :複合書店の経営 書籍 ・ 雑誌、文具 ・ 雑貨、映像音楽ソフト、ゲームソフト、トレーディングカードなどの販売・レンタル、フィットネスクラブ運営、教育事業 資本金:19億 8600万円 本社住所:愛知県名古屋市瑞穂区新開町 18 番 22 号 URL:https://ir.sanyodo.co.jp/