- 創立 1930(昭和5)年4月
- 設立 1949(昭和24)年11月
- 事業内容 ダイハツ製新車および中古車販売、自動車部品・用品の販売、自動車の整備、車検、定期点検、鈑金塗装、各種損害保険代理店
- 資本金 2,000万円
- 従業員 181名 ※2020(令和2)年4月1日時点
- 本社住所 石川県金沢市駅西本町3-15-1
- 電話番号 076-221-0888
- URL https://www.ishikawa-daihatsu.co.jp
通学や通勤、買い物、子どもの習い事に親の病院への送迎など、車は私たちの暮らしに欠かせない存在だ。特に地方では1人1台所有も当たり前となり、低燃費で運転しやすく駐車スペースを取らない軽自動車は、普段使いの車として幅広い世代から人気を集めている。石川ダイハツ販売株式会社は、石川県で唯一のダイハツ車を扱うディーラーだ。車が贅沢品の時代から生活の足となった現在まで、自動車を通して地域社会への貢献に努め、「愛され、親しまれる企業づくり」に専念してきた。2020年に創業90周年を迎えた同社の、これまでとこれからについて企画室の岡田博喜室長と、管理部総務課の西嶋睦課長に話を聞いた。
デジタル化する時代の変化に応じて、お客さまのニーズに対応
今から90年前の1930(昭和5)年に、当社の前身となる岡田部分品店が創業しました。その後、発動機製造株式会社(現ダイハツ工業株式会社)との取引を始め、1959 (昭和34)年に、社名を石川ダイハツ販売株式会社へ変更しました。現在は石川県全域で、ダイハツ車(新車・中古車)と自動車用品の販売、損害保険の取り扱い、車の整備やアフターサービスを手がけています。いつの時代も私たちは、車を通して得られる快適で豊かな生活を、お客さまにご提案しています。
近年では忙しい生活を送る人や共働き家庭の増加により、社会全体に効率の良さを求める風潮が強まっています。そこで当社は、1時間以内で車検を終わらせるサービスを導入しました。以前は車をお預かりして、お客さまには代車を使用してもらっていましたが、社内の「短時間車検コンテスト」で磨いた、作業を素早く行う技術力でこのサービスを実現したのです。代車を運転するストレスなしでスピーディーに車検を済ませられて助かると、新サービスは歓迎されています。店内に自由に寛げるヒーリングスペースを設け、ご自身のペースでお待ちいただけるように配慮した点も高評価につながったのかもしれません。お客さまの負担を軽くし、社員の残業も減らせる、皆が嬉しくなるサービスをもっと展開したいですね。
一人ひとりに合わせた車選びが暮らしの質を変える
少子高齢化時代を迎え、軽自動車とそのユーザーを取り巻く現状は、日々変化しています。女性中心からシニア層へと広がりをみせるユーザーのご要望に応えるために、当社ではレジャーや街乗り用から福祉車両まで、数多くのカーラインナップを揃えています。
扱いやすいコンパクトなボディサイズは、一方通行や狭い道を走るときには小回りの良さを発揮し、駐車場では運転者にストレスを感じさせない快適な駐車を叶えます。親しみのあるデザインと高い性能と安全性を備えた軽自動車は、毎日の生活を支える頼もしい相棒といえるでしょう。
あるとき赤ちゃんを連れて車を試乗しに来た女性に、「子どもが生まれて運転しないといけないのに、ペーパードライバーで車に乗れるか心配だ」と不安を打ち明けられました。お悩みに耳を傾け、お勧めの車種を紹介するとご購入いただきました。それから数か月後にお店に顔を出され、「この子と車で外出するようになって生活が変わりました」と、私(岡田室長)に笑顔で話しかけてくださったのです。お客さまのライフスタイルが変わる場面に立ち会い、嬉しい報告を受けるとき、この仕事に大きなやりがいを感じますね。私たちは車の販売を介して、お客さまの暮らしをより良くするお手伝いをさせてもらっている。それを実感できた出来事でした。
素直さは最強のスキル、充実の新人フォロー体制
免許を取り立ての若者に、お母さんと小学生の親子連れ、その後ろにはご年配の夫婦。カーディーラーには世代の異なる、様々なお客さまがお見えになります。私たちは日頃から、一人ひとりの気持ちに寄り添う接客・サービスを心がけています。とはいえ、話好きで車に詳しい人でなければ仕事が務まらない訳ではありません。当社はスキルよりも、何事も前向きにとらえられる素直さを重視しています。
人間は失敗する生き物ですが、素直な人なら失敗をもプラスに変えられます。そんな社員が困っていたら誰もがアドバイスをするでしょうし、こちらの助言をそのまま吸収してくれる柔軟さで、上司や先輩、同僚とお互いにウィン・ウィンの関係を築けるでしょう。
当社では入社後2か月間の研修があり、それを終えた後に新入社員は各部署へ配属されます。配属先では年齢の近い社員と共に業務を行う、FC制度(フレッシュマン・コーチ制度)によるOJTで、知識とノウハウを学びます。新人には仕事の不安解消と会社に慣れる手助けとなり、コーチ役の先輩には「伝達力」を向上させる機会をもたらす、スキルアップの相乗効果を生むこの制度は、当社の活性化に必要な教育・訓練として続けています。
ちなみに当社には、売り上げ目標はありますが、ノルマは存在しません。たとえば営業社員が1人3台の車の販売を割り当てられたとします。そのような場合の声がけは、「今月は3台の販売を目指していこう」になるのです。目標は、どうすればクリアできるかと考えて行動するために設定しており、悩んだときには先輩や上司に相談してもらい、皆で協力し合って店全体の販売台数を上げていく体制をとっています。
もっと皆さまとの距離を縮めるために、石川ダイハツが取り組んでいること
お客さまはもとより地域の皆さまの身近な存在であるために、私たちは様々な活動に取り組んでいます。近年では高齢ドライバーによる事故の増加をうけ、シニア向けの出張授業にも力を入れています。2017年の石川県警察本部主催の運転講習会を皮切りに、2019年にはJAF石川支部主催の「シニアドライバーズスクール」で、衝突支援回避システム”スマートアシスト“を多くの方にご体験いただきました。高齢者対象の講習以外にも、子ども交通安全教室や、タイヤのナットを工具で外す作業などを行い楽しみながら車への理解を深めてもらえる「キッズメカニック体験」も定期的に開催しています。
地元密着の強みを生かした企画「LOVE LOCAL」では、石川県の魅力を再発見してもらうご提案を始めました。金沢市内の細い路地沿いにある人気のパン屋さんを訪問したり、キャンプ道具一式を積み込んで白山市までドライブしたり。車があるから体験できる地元探索の面白さを、随時HPで公開中です。他にも社員の手作りで開催する縁日のような趣の「ありがとう祭」など、心弾むイベントを積極的に企画しています。
「ありがとう」と言ってもらえる喜びを全社員と共有したい
当社はCS(顧客満足度)向上活動の一環として毎月お客さま満足度のアンケート調査をしており、お客さまの声を数値化したデータを業務に反映させています。アンケートを読むたびに、今は商品の良さだけでは商売の成り立たない時代だと痛感しますね。機能面が充実していれば車が売れるかというと、それだけでは難しい。お客さまに喜びを体験していただかないことには、ご成約には結びつかないのです。何をすればお客さまに喜んでいただけるかを、私たちは真剣に追求していかなければいけません。これからはより一層、CS(顧客満足度)向上に力を入れていきたいですね。
私(岡田室長)は一時期、外部でCS(顧客満足度)を学び、そのとき「お客さまに喜んでいただけると自分が楽しくなる」と気づきました。この気持ちを社員とも共有したいと思っています。実はお客さま感謝イベントとして行っている「ありがとう祭」には、日常業務から離れてお客さまと触れ合う中で、社員が嬉しさや楽しさを感じてもらえる機会となればという願いも込められています。社員がお客さまに「ありがとう」とお礼を言われ、喜びと楽しさを感じられる機会を、今後もできるだけ多く作っていきます。
社員インタビュー 金沢駅西店・営業スタッフ 吉岡 幸誠さん
「無駄に悩まずに、どうすればいいかを考える」営業が教えてくれた人生のルール
「向いてなければ駄目でもいいや」と思い入社して、今年で6年目を迎えます。当社は毎週月曜日の全社休業日以外に、自分でシフトを組んで休みを取れるため、オンとオフの緩急をつけやすいです。4月からは営業時間も19時から18時半に短縮され、ますます働きやすくなりました。もっとも入社1、2年目はなかなか車が売れなくて落ち込んだ時期もありました。でもそこで何事にも「どうしたらいいだろう」と考える癖がついたのが、今思えば良かったですね。誰かができることを、自分にできないはずがないと考えられるようになって、それからは無駄に悩まなくなりました。
就活生の皆さんも、将来の選択肢の多さに悩むこともあるかもしれません。当社のように「助けたがり」の人が多い会社もあるので、リラックスして自分らしい就職活動をしてもらえたらと思います。
社員インタビュー 金沢駅西店・サービススタッフ 宗広 匠平さん
車好きにはたまらない、自分を極められる職場環境が魅力
会社訪問をしたときにサービススタッフの皆さんが、声を掛け合いながら楽しそうに整備をしており「ここならやっていけるだろう」と思って入社しました。現在入社6年目です。職場では直属の上司や同僚と飲みに行く機会も多く、人間関係が良いので安心して仕事を続けられますね。会社行事で新人歓迎会を兼ねたボウリング大会や慰労会が行われたり、海外旅行に連れて行ってもらえたりと、社員同士の交流は盛んです。
元々車の改造が好きで、直にエンジンや車体に触れる整備の仕事に満足しています。技術開発に追いつくために勉強しなければいけませんが、自分を成長させたい人には向いている仕事です。僕の場合は、先輩方なら3時間で終える整備に、なぜ自分は4時間もかかるのかと悔しくなることも。入社歴の浅さをできない言い訳にはせず、早く先輩に近づいて追い越したいと思います。2年後には自動車検査士の資格を取りたいですね。