【株式会社茨城新聞社】まもなく創刊130年「地域応援宣言」を有言実行

  • 設立   1891(明治24)年7月5日創刊
  • 事業内容 日刊新聞「茨城新聞」の発行、デジタルメディア事業、スポーツや文化事業の企画開催、その他各種事業
  • 資本金  5,000万円
  • 従業員  210名 ※2019(平成31)年 4月1日時点
  • 本社住所 茨城県水戸市笠原町978-25茨城県開発公社ビル
  • 電話番号 029- 239-3001(代)
  • URL   https://ibarakinews.jp/top.php

多彩な人材で新聞社はできている!

 私たちの身近な出来事から、世界のニュースまで幅広く、詳しく知ることができるのが新聞だ。
 茨城新聞社は1891年に創刊して以来、豊かな暮らしづくりに貢献する総合情報企業として、地域が抱える課題と常に向き合い県民と共に歩み続けている。同社の魅力、これまでとこれから、またどんな方が働いているのかなど、総務局長 兼 人事部長の細谷あけみ氏に話を聞いた。

地域の総合情報企業

 私たち茨城新聞社は1891年、第1回帝国議会の翌年に「いはらき」を創刊しました。その後、創刊100周年を機に「茨城新聞」に題字を変更し、現在も地元の方々を中心に愛されています。県内のニュースをメインに扱い、本社および18の支社・支局による取材網を駆使し、地域に密着したきめ細かな報道を心がけ展開しています。今年2月から、地域面は週末を除いて「県央」「県北」「鹿行」「県西」「県南」「地域総合」の計6ページとなり、本紙の生命線ともいえる地域ニュースは質量ともに一層充実しました。

転機となった東日本大震災

 2011年は創刊120周年のアニバーサリーイヤー。3月11日の東日本大震災で本社や印刷工場が被災し、交通インフラも麻痺して新聞発行が困難な中、「紙面を作れ、読者に届けろ」を合言葉に1日も休まず新聞を発行し続けました。震災発生当初、中央メディアは茨城県を被災地として認識していませんでした。茨城の情報が報道から抜け落ちる中、本紙は地元の生活・交通インフラに関する情報を届け続けました。震災によって、地方紙が担う大切な使命を改めて痛感しました。

新聞社は“職種のデパート“

 「新聞社=新聞記者」というイメージが強いと思いますが、紙媒体以外のデジタル事業にも力を入れています。自社ニュースの発信のほか地域の総合情報企業として、企画事業、広告(メディアビジネス)などの専門性が高い仕事も手がけています。業種が多岐に渡るのは「新聞社は職種のデパート」といわれる所以です。
 新聞発行以外で県民の方に馴染み深い仕事の例を挙げると、「全国こども陶芸展inかさま」「日本の書展茨城展」「親子ふれあいクルーズ」など、地域応援の視点を重視した事業を行っています。事業を行ううえで収益は大切ですが、「地域応援宣言」を掲げる当社では収益よりも地域応援、地域貢献の視点を大切にして実施に踏み切るケースもあり、それが他の会社にはない考え方で面白いところだと思います。
 新入社員の配属先に関しては記者職や営業職、メディア系、事業系など、数多くありますが、希望する職場に配属するようにしています。理由としてはモチベーションを高めて意欲的に取り組んでもらい、やりたい気持ちを大切にするためです。
 また、入社後も意向調査を年に一度行い、営業職から記者職への異動や、記者職から営業職の部署への異動などもあります。こうした取り組みにより、部署間の垣根が低くなり、風通しの良さに繋がっていると思います。様々な職場を経験してもらい、社員の適材適所を一緒に考えられる会社でありたいと思っています。

働きやすい環境を追求

 2017年、女性が活躍する企業を厚生労働省が認定する「えるぼし(三つ星)」制度の認定を、全国の報道機関で初めて受けました。
 認定後もなお、働きやすい環境整備を追求しており、2018年6月から勤怠管理システムを導入しました。「夜討ち朝駆け」という言葉が古くから新聞業界でいわれているように、特に時間管理がしづらい記者職の時間管理もしっかりと行うことで、残業時間の抑制にも繋がっています。
 また、労使で「ワークライフバランス推進委員会」を設置して、社員意識調査や社への提言を行っています。毎週水曜日は「リフレッシュデー(ノー残業デー)」として社員へ呼びかけています。

茨城愛のある人が活躍できる土壌

 私たちは130年近く、新聞を通して地域に貢献させていただいている企業です。単に、「記者になりたい」「マスコミ業界で働きたい」「イベントを企画したい」といった理由で当社を志望されるなら、「他にもいい会社があるのでは」と思います。重要なのは、県内、県外の出身を問わず「茨城愛」があるかどうか。茨城が大好き、茨城に貢献したいという思いです。現在活躍している社員は皆、共通して茨城愛があると思います。私たちは「地域応援宣言」を掲げていますし、茨城愛のある方と一緒に、地域に貢献する面白いメディアを作っていきたいですね。

社員インタビュー

編集局報道部(司法グループ)海老澤 裕太郎さん
震災直後に出場した甲子園。応援してくれた地元・茨城に恩返しをしたい

入社のきっかけとなったのは、選手として参加した東日本大震災直後のセンバツ高校野球でした。
茨城県も被災していて野球どころではないのに、県民の方の「元気をありがとう」といった感謝の言葉が綴られた記事を読んで感動した経験から、自分も人の気持ちを動かせるような記事を書きたいと思い、記者を志しました。
現在は司法記者(警察担当)として県内の事件や事故の取材をしています。出社してすぐ、当日の朝刊チェックを行い、他の新聞などに自社の新聞に載っていない記事がないか確認することから始まり、警察の方から朝から晩まで情報を収集し、事件や事故があれば昼夜問わず現場に駆け付けます。徒労も多いですが、自分が執筆した記事が掲載された時や良いネタをキャッチできた時の喜びは何事にも変えられません。県内を駆け回り、ネタを追い求めれば追い求めるほど、様々な人と親睦を深めることができ、努力の結果が記事として形に残ることもやりがいの一つです。
記憶に残る取材はたくさんあります。中でも、地域を守る防犯ボランティアである「スクールガード・リーダー」の記事は印象に残っています。昨年9月に掲載したのですが、スクールガード・リーダーの数が減ってきていること、やっている方々の苦労、地域の子どもたちの安全を守っている活動の内実を執筆しました。記事掲載後は反響が寄せられ、非常にやりがいを感じましたね。
職場の環境はとてもよく、上司にあたる司法キャップに自分のような若手でも意見することもできますし、24時間体制の職場ですが、勤怠管理をしっかりと行う体制があるので、積極的に休みを取らせてもらっています。大学は東京都内でしたが、茨城に戻ってきて地元に貢献できる茨城新聞社に入社し本当に良かったと感じています。茨城に少しでも貢献したいという人と一緒に働きたいと思います。

東京支社営業部 杉野 碧さん
東京支社にいるからこそ感じる「茨城の良さ」

東日本大震災時、私は都内の大学のスポーツ新聞サークルに所属していました。そんな中、茨城新聞が紙面やTwitterなどで茨城県内の情報を細かく発信していたことは印象的で、入社を志すきっかけになりました。
入社後、編集局運動部に配属され、プロ、アマ問わず様々なスポーツ競技を担当、4年間在籍しました。5年目からは営業職として東京支社に配属となりました。新聞広告のセールスやイベントの企画運営を行っています。痛感しているのは、新聞広告が売りづらくなっているという現状。地方に根付く新聞社としての強みを生かして、企業や行政と協力して魅力ある広告企画やイベントを考えることが重要と感じています。
また、東京支社にいることで、北海道から沖縄まで、全国の地方新聞社の東京支社の方々と親睦を深めて、茨城県と他県との違いを客観的に学ぶことができ、非常に刺激を受けています。様々な部署を経験して自身のスキルアップを図ると共に、これからの新聞社の新しい可能性を開くようなわくわくする仕事をしたいなと思います。

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