- 設立 1979(昭和54)年2月19日
- 事業内容 不動産の売買、仲介、賃貸借及び管理、損害保険代理業、不動産コンサルティング
- 資本金 1000万円
- 従業員 約270名 ※ 2019(令和元)年6月 時点
- 本社住所 茨城県つくば市竹園2-2-4
- 電話番号 029-860-8611
- URL https://www.issei-syoji.co.jp/
地域密着型の事業展開!街と暮らしを考えて半世紀
つくば市をはじめとした県南エリアを中心に、創業以来一貫して不動産業を営むのが一誠商事だ。2017 年に、今後の地域経済を牽引することが期待できる企業として、経済産業省が選定する「地域未来牽引企業」にも選ばれるなど、「総合不動産会社」として躍進している。代表取締役の五十嵐徹氏に話を聞いた。
地域の信頼を基に創業。当初業界では珍しかった管理費を導入
当社は昭和47年、私の父が土浦市神立町で創業しました。祖父が警察官で神立駐在所(現:神立交番)に勤務していたため、お陰様で五十嵐家は地域の皆様から信頼をいただいており、そんな環境を活かしながら、不動産業を行うようになったのです。
それから、お預かりした物件に対し、責任を持って管理を行うことで、お客様からの信頼をいただきながら管理費を頂戴するという、当時としては画期的であったビジネスモデルを確立しました。
その後、入居募集、賃貸管理、家賃保証(子会社:株式会社スマイルサポート)と業務を発展させたことで安定的な収入を確保でき、バブル経済がはじけても大きな打撃を受けませんでした。
つくば科学万博とつくばエクスプレスの開通
成長の転機となったのは大きく分けて2つあります。一つ目は、つくば科学万博(EXPO85)の開催、二つ目は、つくばエクスプレス(TX)の開通です。EXPO85 により、つくばの知名度が世界的に上がり、「研究学園都市」として相当なスピードで発展していくだろうと予測し、開催半年前に、つくばに初めて営業所を開設しました。万博スタッフのために市内各地に多くの宿舎がつくられ、閉会後は各物件が市場に出回り、それらの売買、管理を当社で担うことができたのです。
また、2005 年に開通したTX は、つくばと東京都心部を1時間以内で繋ぐもので、飛躍的に沿線の利便性が向上し、沿線の人口が増加しました。沿線開発に伴い、当社も店舗展開を行った結果、管理戸数を増やすことができました
総合不動産会社として、多岐にわたる事業展開
不動産の売買、仲介、賃貸借及び管理を主力事業として行っていましたが、バブル経済がはじけた後、ディベロッパー業も行うようになりました。これは、不動産業とディベロッパー業の違いの話になるのですが、前者は、土地や建物の売買をしたり、売主、買主の仲介をしたり、所有物件や委託された物件の管理することなどが主な業務内容となっています。まさに、当社が創業以来、主力としてきた業務です。
一方で、ディベロッパー業務とは、土地などの開発を行うのが主な業務となっています。よく耳にするリゾート開発、駅前の再開発などは、ディベロッパーの仕事といえます。当社の主なディベロッパー業務としては、宅地開発、分譲、および店舗・工場等の開発、招致です。宅地分譲により人が集まり、街ができる。店舗・工場を招致した結果、産業、経済が動き出す。地域の皆様の信頼、情報を得ながら、こうしたノウハウを蓄積してきたからこそ、「総合不動産会社」としての当社があると思います。
営業エリアの拡大と、現在の管理戸数のシェア率を高めていく
さらなる営業エリアの拡大と、現在の管理戸数のシェア率を高めていくことが今後の目標です。そのために現在、県内の店舗網の拡充を図っています。第一歩として、2017 年に水戸に支店(水戸駅南支店)を開設しました。初めて県南エリア外に進出したかたちになります。
元々、オーナー様から水戸の物件も扱ってほしいという声を多くいただいていたこともありますが、この茨城の地域特性も考慮しなければいけないでしょう。例えば、同じ北関東でも、栃木県では宇都宮市、群馬県では前橋市、高崎市と、そうした人口集積地でシェア率を高めていけば、自ずと県内でのシェア率も高くなります。
ただ、茨城県の人口がおよそ300 万人の中で、県庁所在地の水戸市はおよそ27万人、つくば市がおよそ23万人。その他10万人都市もいくつかあるなど、当社にとって様々な可能性が県内全域にまだまだ潜んでいるといえます。
同時に、当社のシェアをより高めるために、更なるサービスの向上も欠かせません。賃貸オーナー様や地主様へ時代に応じたサービスを考え、提供する。入居者様や不動産を探されているお客様のニーズを的確にいち早くキャッチし対応する。そういった努力の積み重ねがシェア率の上昇に繋がるものと考えています。
積極的な地域貢献活動
当社は社会貢献活動にも積極的です。筑波大学サッカー部、水戸ホーリーホック、つくばユナイテッドサンガイア、茨城ロボッツなど、地域を代表するスポーツチームに対し、ユニフォームスポンサーや正社員雇用などによりバックアップしています。
その他、筑波大学附属病院と共同で、「キッズハウスプロジェクト」を実施しています。遠方から来院する陽子線治療の必要な小児がん患者さんとそのご家族に対して、病院近隣の家具家電付きアパートを低価格で提供し、小児がんと闘う子どもたちを応援するものです。当社の活動を通じて、精神的な安らぎを提供し、微力ながら病気と闘う方々のサポートを行うことができればと思っています。
充実した研修体制、ワークライフバランスを重視
当社には、入社後に不動産業界の知識から接客のポイント、物件案内のノウハウまで、業務の基礎を実践的に学ぶことにより安心して業務をスタートできる体制があります。
その後も入社1~3年後を対象とした若手社員研修や全社員に向けての階層別コース別研修など、業界内でも屈指の充実した研修体制を備えています。
また、社員が求める福利厚生の充実を目指し、2017年から「リフレッシュ休暇」を導入しました。社員が1年に度、各自のタイミングで日連続の休暇を取得できます。
最近では、茨城県から「女性が輝く優良企業」として、最高ランクのつ星認定を受けました。男女ともに公正な人事評価や、年々女性役職者が増加、女性のみならず男性も産休、育休を取得している点が評価されました。産休、育休取得を促すのは先行投資だと思っています。休暇明けの社員がまた活躍してくれるのは会社としても心強いですから。
チームで動くことを重視した体制、社風づくり
ちなみに、当社では不動産業界ではよく導入されている「歩合」制度はありません(もちろん、活躍した社員に対する褒賞制度は充実しています)。なぜなら、個人ではなくチームで動くことを重視しているからです。例えば、個人主義的な動きをしていては、自らがキャッチした情報をチーム内で共有したり、目標に向かって共に頑張るといった意識が希薄になりがちです。
そもそも当社は県内企業の中でも高い給与水準を設けています。社員にとっては安定した収入が確保できるので、しっかりとチームプレイを意識して動けているのではないでしょうか。チームで動くという雰囲気が根底にあるので、社員同士の仲がいいですし、自由に意見を言い合うことができる。だからこそ、先述したように産休、育休といった休暇もしっかりと取得できるのだと思います。
ちなみに私自身、現在の社員全員の名前と顔、業務内容を把握しています。できる限り、社員の身上、個性を理解することで、社員一人ひとりが能力を発揮しやすい環境を整えたいと思っています。
当社が求める人材
とにかく前向きな方を求めています。学んだことをベースに、より良い結果を生むための努力ができる方。また、不動産は高額取引を行う業種なので、信頼できる、信頼してもらえる人間かどうかも重要になりますね。地権者との交渉においては、地域の名士に若くして会うこともでき、地域を活性化するにあたり、貴重な出会い、経験ができると思います。例えば、100 区画の分譲を誘致した場合、数百人の人口を街に呼び込んだことになる。街がより便利に、お客様の暮らしがより幸せなものになるように創造する私たちの仕事は、地図に残り未来に繋がる仕事といえると思います。