- 設立 2012年12月7日
- 事業内容 収益用不動産の売買・仲介・賃貸管理
- 資本金 18,950万円(連結子会社含む)
- 従業員 22名(※2019年7月時点)
- 本社住所 横浜市西区みなとみらい2-2-1 横浜ランドマークタワー38階
- 電話番号 045-211-6101
- URL https://yokohamacorp.jp/
不動産会社というと、厳しいノルマに追われる仕事、というイメージはないだろうか。横浜ランドマークタワーに本社を置く「横濱コーポレーション株式会社」では、そんな不動産会社のイメージを覆す仕事をしている。「顧客の70%が年収1000万円以上」という同社の代表取締役である菅沼勇基氏から、経営理念と仕事に対する考え方を聞いた。
売り手良し、買い手良し、世間良し、将来良し。「四方良し」で横浜を盛り上げる!
当社は、横浜、湘南、川崎で不動産投資用マンションなどの売買・仲介・賃貸管理を行っています。一般的な不動産会社の場合は、家やマンションなど購入した本人が住むための物件を扱います。私たちの場合は、投資家がアパートやマンションを購入し、そこに入居者を入れて、家賃収入を得るという事業に関する物件を扱います。
このため、一般的な不動産会社とはイメージが違うと思います。どちらかというと、銀行などのイメージに近いかもしれません。営業担当者もいますが、いわゆる「営業マン」という感じではなく、資産運用をする会社の社員のような仕事をします。
当社の理念は「四方良し」です。これは、江戸時代に財を成した近江商人の言葉である、売り手良し、買い手良し、世間良しという「三方良し」に「将来良し」を加えた、当社独自の言葉です。
三方良しだけでは、現在の売買が良ければいい、という感じがします。当社の理念に「将来良し」があるのは、売って終わりではないということです。お客さまから不動産を購入していただいた後も、投資運用というのは何年にもわたって続きます。その運用が良くなければ、お客さまに喜んでいただくことができません。
お客さまの将来を担う物件を扱うわけですから、「自分がいいと思うもの以外は絶対に売るな」と私は社員たちに言っています。そうすれば、お客さまが得をするのはもちろん、自分が自信を持っておすすめできる物件を扱っているので、社員自身が楽しく仕事をすることができます。
顧客層が良いのも当社の特徴で、顧客リスト4000人中、70%以上が年収1000万円以上の方です。お客さまはみなさん投資家なので年収は高い。でも、どんなにお金を持っていても、横柄な人は当社の顧客ではありません。誰もが欲しがるような、本当に良い物件をそろえているので、当社がお客さまを選んでいるのです。私たちはプロですから、お客さまと対等にお付き合いをしています。
当社の営業担当者は2人で、年間売上は約50億円。人件費にコストをかけず、良い物件で勝負しようと考えているからです。営業が先方を訪問することもありません。お客さまが当社に来てくださるので、その方に対して、しっかりと対応しています。リピーターや紹介による仕事が多く、私たちがお客さまを大事にしていることが反映されていると思います。
「エースで四番」不在でも勝つよう仕組み化
不動産会社の中には、物件の売買のみ、賃貸のみ、管理のみ、という会社もありますが、当社は全てを一貫して行うのも特徴です。
車を運転する際には運転免許証が必要なように、私たちの仕事をする際にも必要な資格があります。不動産には宅地建物取引士(宅建)の資格が欠かせません。また、運用にはファイナンシャルプランナー(FP)、賃貸には賃貸不動産経営管理士などの資格があります。それらがあった上で、良い物件を見極める目が大事です。
資格の取得は入社後でも構いませんが、これらの資格を持っているのは、私たちの仕事にとって当たり前のこと。それ以上に大事なのは、オーナーさまと良い人間関係を築けるという「人間力」なんです。
当社では、1人の社員が30人くらいの顧客を担当します。新人の時は5〜6人を担当し、慣れてくると徐々に増やしていきます。オーナーさまに対するメインの報告は、入居者がマンションやアパートに入居する時と、そこから退去する時。その他、家賃や修繕に関する毎月のレポート、半年から1年くらいのスパンで物件の状況などを報告します。
一般的な不動産会社は、属人化される(業務を特定の人が担当し、その人にしかやり方が分からない状態になる)ビジネスモデルです。だから、トップ営業マンが活躍して売上を上げても、その人が辞めて独立したりすれば、会社全体の売上がガタ落ちになってしまいます。
これは野球に例えると、エースで四番が活躍するチームということ。エースで四番が辞めたり、ケガをしたりすると、そのチームは勝てなくなってしまいます。
当社はそのビジネスモデルとは違い、エースで四番が不在です。例えるなら、ベンチ入りするような選手ばかりでも、甲子園に行けるというのが当社の強み。スタメンで勝つのではなく、ベンチ入りのレベルでも勝つためには、いかに「仕組み化」するかが重要です。
昨年11月から当社では、AIを使った最先端のシステムを導入し、入居者の募集などに活用しています。この業界でAIを導入したのは、神奈川県内ではかなり早い方だと思います。
また当社では、エースで四番ではなくとも勝てるような、独自のマニュアルを作っています。野球チームの監督がバッターに対して「気合いで打ってこい」という指示をしたのでは、バッターはどのように打てばいいのかわかりません。「あのピッチャーは変化球よりもストレートを狙って、このタイミングで打て」というように、しっかりと具体的に指示する。当社のマニュアルも、「何をどうすればいいのか」が具体的にわかるマニュアルです。
地元への愛「横浜を盛り上げたい!」思いを社名に
当社は、私が2012年12月に設立しました。最初から不動産だけをやろうと思っていたわけではなく、自分のふるさとである横浜を盛り上げたいという思いから、社名を「横濱コーポレーション」にしました。
私は横浜市緑区の出身です。実家は梨を育てる農家で、農家と兼業でアパートも経営しています。私は幼い頃から野球少年で、高校生までは野球一筋でした。
しかし、「経営者になる」という夢を抱くようになり、一念発起。大学卒業後、住友不動産に入社し、花形部署のビル事業本部に配属されました。「一週間に飛び込み営業200件」など、自分で自分にノルマを課して、新人では異例といわれるほどの成果を上げました。
その後、独立したものの、設立時の会社は、当時住んでいた自宅アパート。自己資金がなく、独立したばかりで銀行からお金を借りることもできず、投資はできませんでした。
私は「自分には何ができるのか?」と考えに考えました。そして最も稼げると思ったのが、収益物件を売りたい人と買いたい人をつなぐ不動産仲介でした。そこからスタートして少しずつ信用を積み重ね、今では横浜ランドマークタワーに本社があります。
現在の社員数は22人、社員の平均年齢は25~26歳くらい。社員たちが当社に入社した理由は、「横浜を良くしたいから」という人が多いです。「不動産の会社だから」という人は少なく、横浜に特化したベンチャー企業で、なんだかおもしろそうな会社だなと思ったのが、当社に興味を持ったきっかけだったようです。素直でやる気があり、「横浜が好きだ!」という地元愛が強い人ばかりですよ。
合コンは営業だ!「遊び」が仕事の肥やしに
先に述べたように、当社の仕事をする上で大事なのは「人間力」なのですが、人間力は営業力でもあります。就職活動も結婚も、すべて自分の営業力です。その営業力を高めるためにも、私は若者たちに「とにかく遊べ」と言っています。いろんな人に会って、いろんなところに出かけて、見識を深めることが大事です。
例えば、合コンする場合のことを考えてみてください。合コンに伴う一連の動きは、営業と全く同じなんです。
まず、「合コンしよう」というアポイントを取りつけなければならない。合コンして、気に入った人がいて、連絡先を聞き出すことは交渉です。交渉して、次のアポイントにつなげる。初デートがうまくいったとしても、そこから「どうやって付き合うか?」を考えなくてはならない。これはクロージングです。合コンで「営業」を学ぶことができるのです。
私も新入社員の頃は、合コンでアポイントを取る練習をしました。まだ経験が浅いうちから大きなビジネスを手がけられるわけではないので、合コンでその力を磨くのが手っ取り早い。これは私の経験から学んだことで、今では当時の上司に感謝しています。
合コンからクロージングが成功して、付き合い始めたとしても、恋人から好かれるためには、やるべきことがたくさんあります。ファッション、グルメ、おしゃれなデートスポットなど、自分は興味がなくとも、恋人のためにどんどん覚えなくてはなりません。こうして、恋人と共通の話題が増えていきますよね。
このことが、私たちの仕事でいえば、オーナーさまとの共通の話題をいかに見つけていくか、ということにつながります。遊びが不動産投資の肥やしになるのです。
自己成長したい! 情熱とチャレンジマインドを
取引先に足りていないものや人をマッチングさせる能力も、遊びの中から学んだことが役立つことが多いですよ。不動産の仲介は、売りたい人と買いたい人をマッチングさせること。これは合コンのセッティングと全く同じです。お客さまや取引先が悩んでいる時に、自分は解決できなくとも、解決できる人とつないであげればいい。それができれば、お客さまから「ありがとう」と言っていただけます。
近年、さまざまな業界で業務提携などが進んでいますが、その多くは会議室で決まったわけではありません。飲み会などの会合の場で決まっていることが多いです。だから、そういう場でおもしろい話ができるようになるためにも、遊びは必要です。
これからは、会社を存続させることが目的の時代ではありません。自己成長、自己実現の時代です。自己成長するためには、いろんな人に会うことが大事です。社員は会社できちんと成長して、後に自分で起業してもいいのです。
当社は、社員が自己成長するためのプラットフォームになれればと考えています。「ここから先を変えてやる!」という情熱とチャレンジマインドを持っている人たちを、当社は待っています。