【岡本硝子株式会社】硝材開発・成型・薄膜の技術で3つの世界シェアNo.1製品を創出

  • 設立 昭和3年10月
  • 事業内容 光デバイス用ニューガラスと多層膜蒸着製品等の製造・販売
  • 資本金 24億4400万円
  • 売上金 57億9000万円(2018年実績)
  • 従業員 287名
  • 本社住所 千葉県柏市十余二380番地
  • URL https://ogc-jp.com/

光学エレクトロニクスの部品素材として、いまガラスが見直されている。軽くて柔軟で成型が容易なのはプラスチック樹脂だが、光を通す/曲げる性能を追求するとガラスに行きつく。耐熱性・圧縮応力・耐紫外線もまた然り。自動車、エネルギー、半導体、医療など精密さを求めるほど、ガラスの性能が求められる。ただしガラスは成型が難しい。高温で溶解したものを冷却して固める時に、収縮が起きるからだ。それを計算に入れて設計し、超精密な部品として完成させるには、素材の性質を知り尽くした経験と高度な技術がなくてはならない。千葉に拠点を持つ創業90年の老舗企業が、3つの製品で世界シェアNo・1を占める理由がそこにある。執行役員コーポレートサービス本部の小柳敏一部長、同人事課の坂田峰子さん、生産本部薄膜製造部の後藤邦彰部長に、技術開発と生産の現場を案内していただいた。

特殊ガラスと薄膜で「光の時代」をリードする


当社は昭和3年の創業、ガラス一筋に今年(2018年)90周年を迎えます。
ガラスというと住宅の窓ガラスや自動車の窓に使われる板状のものを想像される方が多いのですが、当社が得意とするのは創業からずっと、形状のあるガラスです。
創業当時は着色と成型の技術力を背景に、船舶用照明ガラスや信号灯ガラスを生産していました。1960年代は高速道路網の整備に伴い、水銀灯用のガラス製造をほぼ独占。1970年代はマイカーブームの流れに乗って自動車用ヘッドレンズ、そしてマイホーム建設ラッシュの追い風を受けて室内照明用ガラスの生産で急成長しました。
1980年代以降には真空蒸着技術や、成型熟練者の技術に迫るガラス巻き取りロボットを導入。プロジェクター用反射鏡の結晶化ガラスや、ミクロン精度の成型技術を確立しています。それをもとに現在、プロジェクター用の反射鏡および配光を均一にするフライアイレンズ、歯科医が使うデンタルミラーで世界トップのシェアを誇っています。
時代によって求められるカタチこそ異なるものの、創意工夫と技術力で対応してきたのが、これまでの90年の歩みです。もちろん、それはこれからも同じです。ここ数年はエレクトロニクス分野向けの粉末ガラス「ガラスフリット・ペースト」や、機能性薄膜の高反射高耐久銀ミラー(Hi-Silver®)の開発に力を入れており、お客様から高い評価を得ています。

「ガラスへの回帰」が起きている理由

また様々な分野で光源が変わりつつあり、かつてガラスから樹脂へと移った需要が、再びガラスに回帰する〝パラダイム・シフト〟が起きています。理由は「光」との相性の良さと「熱」に対する強さであり、ガラスは樹脂よりも耐熱性と耐光性に優れた特性を持っているからです。
身の回りにある照明機器・照明器具、自動車の照明にはLEDが使用され始めています。LEDは「熱」の発生が少ない光源であることから、LED光源が発する光の配光(光の方向をコントロールすること)には、樹脂のレンズやカバーが使用されていました。近年ではLEDも高輝度製品が開発されており、LEDチップから出力の高い光を発する製品や、光の強度を補うためにLEDを多搭載する機器も登場してきており、熱を発しにくいLEDでも光源部分が高温になりつつあります。さらに、未来の光源として、色再現性と長期信頼性の高いレーザーを活用した照明機器等を様々なメーカーが開発しており、レーザーから出た光を配光制御するための、耐光性の高いレンズやカバーが必要とされています。樹脂材料では対応できない品質が求められており、ガラスは次世代の光源には欠かせない材料になっています。
これはガラスの素材としての優位を示す一例ですが、精密機器に使われる部品となると別の困難が生じます。ガラスは樹脂に比べてはるかに「成型」が難しいのです。ガラスは溶解した状態で成形しますが、冷まして固まる時に収縮します。どれくらい収縮するかはその日の温度や湿度によって変わってきます。素材としての圧縮応力は鋼よりも硬いものの、傷や急激な温度変化があると割れたり変形したりしてしまいます。この難しい素材に精通し、緻密に設計し、完成させる。それが「特殊ガラスの岡本」と言われる我々の仕事です。

「特殊ガラスのスペシャリスト」でなければできない仕事

当社が完成させた部品は、納入先(お客様)で組み上げられて製品になります。
昨今はどの業界も新製品に関する機密管理が厳重なため、何の製品になるか知らされず、設計図だけ渡され「この通りに作って欲しい」と依頼されることもあります。もちろん当社はその通りのものを納品するのですが、ガラスの特性を知り尽くした上での設計でないと、思うような光にはなりません。そのため、最近は計画の初期段階からプロジェクトに関わる案件が増えています。やはり〝餅は餅屋〟です。
実験室レベルでは良い結果が得られても、試作~量産へと製造規模をスケールアップさせていくと、うまくいかずに結果を再現できなくなることが多々あります。さらに開発だけでなく、生産性の向上、納期の短縮、品質の安定、コストダウンなど、商品化に向けた課題にも取り組んでいかなければなりません。そこが「ものづくり」の難しさであり、楽しさでもあります。
設計と現場が一体となって試行錯誤し、要求される厳しい基準をクリアして、さらにそれ以上の性能を持つ製品を作り上げる。お客様が「満足」を超えて「感動」するレベルまで高めるのが、当社のクオリティです。
それを実現できる環境が当社にはあります。例えば、設計と製造の現場が同じ敷地内にあって、密に行き来できるのは、当社の強みです。設計したものが試作に回り、大窯から取り出され、形になるまでを目の当たりにできます。でき上がったものと制作現場の助言を受けて、すぐに改良に取り掛かる―このスピード感とダイナミズムは、他社の技術者が一様に羨むところだと思います。

立ち止まった時は衰退の始まり

かつて音楽はレコードやカセットテープに記録されていましたが、CDやMDに置き換わり、今やフラッシュメモリやクラウド上に保存されるのが当たり前になっています。この変遷はわずか30年ほどの間に起きたことであり、工業製品のライフサイクルの短さを改めて思い起こさせてくれます。
当社は現在、プロジェクター用反射鏡、フライアイレンズ、デンタルミラーの3製品で世界シェアNo・1になっていますが、昔からこれらを作ってきたわけではありません。常に時代の最先端にいるプレイヤーとして模索を続けてきたからこそ〝出会えた〟製品分野です。
当然ながら、これに胡座をかいて開発の手を緩めれば、たちまち時代の流れに取り残されてしまうでしょう。立ち止まった時は衰退の始まりです。私たちは貪欲に新境地を開拓していく気概を忘れません。市場には常にアンテナを張ってニーズを探り、業界の動向やテクノロジーの最新情報を取り込む体制を整えています。他社・他機関・顧客との共同開発も行いますし、産学連携で大学や公的研究機関と新技術の開発を進めたりもしています。フリーフォール型深海探査機の江戸っ子1号プロジェクトは、産学官金連携で製品開発した一例です。
当社の拠点がある柏市は、つくばエクスプレスで主要企業の本社が集まる都心と、国立研究開発法人・産業技術総合研究所をはじめとした研究機関が集まるつくばに直結しています。また、東葛テクノプラザや東京大学柏キャンパス・東大柏ベンチャープラザにも隣接しており、産学官連携にはまたとないロケーションにあります。
ガラス部品は主要産業たる自動車、エネルギー、半導体、医療分野に欠かせないもので、第4次産業革命を主導するとされるIoT、AI、ロボット、ビッグデータ等では中核を担います。当社はこれら他産業とも連携しながら、また他の高機能素材とのコンポジット化・ハイブリッド化等をも模索しつつ、多種多様なセンサー/光学分野に次なる成長の源泉を求めていきます。

チャレンジングな企業風土

当社は事業規模や、従業員数では国内上場ガラスメーカーの中では中堅企業になります。ですから全員が第一線で活躍するものづくり集団であり、若手だからといって遠慮しなければならないことはありません。
新入社員であれば入社後半年の教育・現場研修のあと、すぐに現場に配属されます。開発部門であればお客様と一緒に製品開発に携わります。生産部門であれば生産性を0・1%でも改善する課題に取り組みます。挑戦しないよりは失敗をして経験させ、社員の糧としていくのが当社の企業風土です。
早くから第一線の現場で仕事をするので、仕事人としても成長できます。そのため抜擢人事もよくあり、30代で部長に昇格した例もあります。エンジニアに強いこだわりをもつ者、若くしてマネジメントの才を発揮する者、適材適所それぞれに活躍できるステージがあります。

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