【ヴィスト株式会社】「働く希望」に溢れた社会を目指して、 働くことに障害を感じる人の就労・自立を総合サポート

  • 設立 2012(平成24)年7月
  • 事業内容 就労移行支援事業・就労定着支援事業、就労継続支援A型・B型事業、放課後等デイサービス・児童発達支援事業
  • 資本金 500万円
  • 従業員 91人 (パート社員含む)  ※2020(令和2)年5月1日時点
  • 本社住所 石川県金沢市広岡1丁目2番14号 コーワビル5階
  • 電話番号 076-254-6264
  • URL https://visst.co.jp

あらゆる人が生き生きと働く姿を、鳥のはばたく羽のロゴマークに託した会社がある。石川と富山で、福祉事業サービスを展開するヴィスト株式会社だ。同社は県内で初めてIPSモデル(精神疾患のある人のリカバリーを就労で支援する取り組み)を導入した就労移行支援事業・就労定着支援事業を柱に、就労継続支援A型・B型事業、放課後等デイサービス・児童発達支援事業を手がけている。子どもから大人まで、利用者の特性や性格にもとづき、個々のペースでの支援を行う同社の事業にかける想いについて、代表取締役の奥山 純一氏に話を聞いた。

働きづらさに苦しむ人たちを支えたい 

代表取締役 奥山純一氏

両親共に教員の家庭で育った私は、成長するにつれて自分も教育者への道を歩みたいと思うようになりました。けれども高校1年生のときに母が難病に倒れ、気持ちが揺らぎます。闘病生活を送るうちに心の病を併発し、以前のようには生活できなくなった母への、周囲の扱いに違和感を覚えたからです。
大学では教育学を専攻しましたが、教育実習で「教科の知識よりも、人が生きるとは何かを伝えたい」自分の気持ちに気づき、教職へは進みませんでした。一人ひとりが自分を見つめ、生きる根本について考える場をつくりたかったのです。そのためにもまずは人間を知ろうと思い立ち、人材紹介会社なら出会いも多く、個人の人生の岐路に立ち会えると閃き、大学卒業後に外資系人材紹介会社へ就職しました。
勤務地の金沢では、5年間、企業への派遣・研修業務などを行いました。その際に障害者雇用についての相談を持ちかけられた経験が、現職につながっています。人事担当者の方の話から浮かび上がった、障がいを持ち働きづらさを抱える人たちの孤立する姿に、病気で社会とのつながりを断たれた母の姿を重ね、就労支援の分野で起業しました。

働きづらさを解消すれば、障害はなくなる

2012年の創業当時、石川県と富山県の障害者雇用率は全国でも下位でした。だからといって、企業が採用を控えていたわけではありません。「障害者雇用枠への求人の出し方を知らない」「何から始めれば良いかわからない」。企業側に採用意欲はあっても、情報不足から最初の一歩を踏み出せない状況でした。
障害には、見える障害と見えない障害が存在します。外国人労働者を雇用する場合であれば、言葉や文化・風習の違いは明らかで、出身国に応じた対処法を考えられますよね。一方で精神疾患や発達障害のある人の場合には、何がハンディであるのか、外側からはわかりづらい。そこで私たちが企業と利用者の間に入り、コミュニケーションの橋渡しをします。
大人数での作業ができない、人との会話が苦手など本人の苦手な事柄を説明したうえで、業務量や勤務時間の調整や、特性上難しい業務については配慮をしてもらえるように働きかけるのです。企業への発信と開拓を続けるうちに、障がいのある人への理解が深まり、採用につながる事例も年々増えています。
厚生労働省の2015年統計データによると、1年間に就労移行支援事業所から一般就労する障害者の全国平均は「1事業所あたり約3・7人」とあります。ヴィストキャリア金沢駅前では2019年度に、26人の利用者さんが一般企業へ就職されました。ヴィストキャリア全体では開所以来、就職者は160人以上に上ります。働く環境が整えば、障害は問題にはならない。私たちはこう信じています。

苦難のなかで気づいた、大切にしたいこと

ヴィストは「働く希望」を提供する会社です。今でこそ自信を持って言えますが、ここに至るまでには危機もありました。創業2年目の2014年には社員が12人から6人に減り、会社の軸が揺らいだのです。自分なりに理念経営を実行していたつもりが、理念の根底に流れるストーリーを、スタッフに伝えられていませんでした。けれどもそれ以前に、私が自分自身と向き合えていなかった。自分を大きく見せたいあまりに、困っていても人には頼れない。そんな私が何を考え、どんな人物であるのかを、スタッフが理解できるはずもありません。
自分の周りから人が離れた初めの頃は、失ったものに目を向けていました。でもしばらくすると、今あるものへ目が行くようになったんです。残ったスタッフに「強がっちゃってごめんね、残ってくれてありがとう」と謝って、皆でもう一度会社の経営理念をつくりました。
理念を新しくすると同時に、以前は資格ありき、スキル優先だった採用方法も見直して、人物重視へ改めました。面接では、ヴィストの理念に共感できる方であるかを、必ず確認するようにしています。これからもチャレンジを楽しみ、気づきを得られる仲間と共に、「働く希望」を増やしていきたいですね。苦しい最中で生まれた経営理念は、当社の宝物です。

人と自分の働く可能性を拡げていく

当社の理念は、「あらゆる人に働く希望を、心豊かなStoryを」です。働きたいのに思うように働けない、と諦める人がいない状態をつくりたい。人は働くことで段々と心が豊かになり、人生も豊かになっていく。そうなると信じて、理念を掲げています。
”あらゆる人“には、利用者さんだけでなく、私たちも含まれています。働くことは人生の大半を占めるからこそ、まずは自分たちが、働いて心豊かな状態でいることを大切にしています。仕事をする中で働きづらさを感じたなら、必要とあらば自らが率先して変革していく行動もそれに該当します。
理念を実現するうえで、大切にしている8つのフィロソフィーがあります。
「1・限りある人生に限りない成長を」「2・原動力は愛だ」「3・本当の自分を生きる」「4・困難な時にも、今できることを探す」「5・チャレンジ=新たな発想+巻き込み力」「6・自由と責任」「7・エンパワメントチーム」「8・働く希望をつくることが私たちの使命」です。
これら8つの精神で、当社の社風は形づくられていきます。
社風は糠(ぬか)床のように、熟成されるものではないでしょうか。会社に流れる空気といえる社風は、糠床をかき混ぜるように手を加えつづけた結果、生まれるものだと私は思います。気を抜いて手入れを怠ると腐るところも、糠床と同じですね。社風は自分の在り方が直結し、スタッフ皆とつながり発せられる普段の言動によりつくられるもの。だからこそ、ヴィストでは想いや考えの共有を大事にしています。

誰もが働くことを諦めない社会をつくる

事業部やエリアをまたいだスタッフ交流イベント

必要なところに、必要とされるサービスを届ける。私たちはその想いで、障がいのある人への就労支援に加えて、発達に特性を持つお子さんの親御さんからのご要望に応える形で放課後等デイサービスを始め、事業を拡大してきました。ヴィストの今後については、無理して事業を大きくするつもりはありませんが、会社として生成発展させていこうと決めています。今いるスタッフが、ちょうどいいチャレンジのできる場をつくっていきたいです。
現時点では、偏見という見えない障害に阻まれている方々の、働く可能性が広がる事業をやりたいですね。社会の仕組みや取り巻く環境が働く障害となるなら、その環境を変えれば働きづらさは解消します。働くうえで障害を感じる人は、障害者手帳を持っている人だけに限りません。たとえば少年院に入所していた受刑者、LGBT、シングルペアレント、シニア層の人たちにも、働きづらさがあると思うんです。そういった多様化していくニーズに応えられるようなサポートを提供していきたいです。

社員インタビュー ヴィストカレッジ金沢駅前(放課後等デイサービス)児童指導員 山口 園子さん
「自分にはこういうこともできるんだ!」可能性を見つけられる職場

児童へ楽しく学習指導する山口さん

母が福祉関係の仕事についており、中学時代から福祉に興味がありました。介護方面へ進むつもりでしたが、会社見学時に「スタッフの強みを生かし、皆で実験するような働き方をしている」と聞いて、自分も力になれるかもしれないと思い入社しました。現在入社2年目で小1から高3までの児童の指導と広報、2つの仕事を担当しています。
児童相手の仕事は初めてでしたが、少しずつ自分自身の成長を感じられます。人の名前と顔を覚えるのが苦手な特性を持つ利用者さんに、「山口さん〇〇はどうしたらいいですか」と声をかけられると私のことを覚えてくれたんだなと実感し嬉しいです。広報では、業者さんの通る場所に掲示物を貼ることを提案したら、検討を重ねたのちに採用されるなど、新人の意見でも、新しい見方と捉えてもらえるので思ったことを伝えやすく、やりがいを感じますね。スタッフ自身の「これをやりたい」も実現できる会社です。

社員インタビュー ヴィストカレッジ金沢駅前(放課後等デイサービス)児童発達支援管理 責任者 小川 麻実さん
スタッフの働き方もオーダーメイドで叶えてくれる

自動発達支援管理 責任者 小川さん

小学校で13年間教員を務め、その後、中途採用で児童指導員の仕事につきました。利用者さん一人ひとりの必要に応じた計画書を作成し、プログラムを実施しています。暗黙のルールを言語化してお伝えしたり、金銭管理を教えたりと支援の内容は様々です。利用者さんの将来の就労につなげるために、児童期には何をすればよいのかを皆で話し合い、個別ワーク・集団ワークを企画しています。
当所の就業時間は午前11時から午後7時半ですが、私には小さい子どもがいるため、午前9時半から午後6時半に勤務時間を調整してもらいました。それぞれに合った働き方を会社が提案してくれるのが、ありがたいですね。
2020年4月に児童発達支援管理責任者となり、現在は若い方の教育係として人材育成の仕事に取り組んでいます。皆と一緒に勉強する傍ら、各自のモチベーションを上げるにはどうしたらいいのか、新たな課題と向き合う毎日です。

社員インタビュー ヴィストキャリア金沢駅前(就労移行支援)センター長 柴田 翔平さん
何が正解なのか未だにわからない仕事を、試行錯誤で楽しむ

金沢駅前 センター長 柴田さん

私は前職で証券会社の営業をしており、異業種からの転職で入社5年目を迎えます。現在は管理職として、皆と協力し合いながら利用者さんの転職支援をしています。50種類以上あるプログラムから個人に合わせて、ビジネスマナーを教える、ストレス対処法を授ける、面接に付き添うなど、様々な支援を行っています。
特性や性格、年齢の異なる利用者さんと向き合う、支援の仕事に正解はないですね。困ったときには1人で抱え込まずに、スタッフと話し合い、チーム支援で乗り越えています。日々葛藤の連続ですが、障がいのある方々が社会で活躍するお手伝いをしている実感を持てるのが、すごく嬉しいです。
当社では、チャレンジする気持ちのある方を求めています。各自の持つ強みを生かす働き方をしているので、知識や経験は後からで大丈夫。「誰かのためになる仕事がしたい」と願う方に、この仕事をおすすめします。

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