就活で面接するたびに否定されたり、「お祈りメール」が来るたびに否定された気分になることはないでしょうか?
今回「 メンタルの強化書」をもとに就活生に向けてメンタルを強くするための考え方をお伝えいたします。
目次
・搾取する側の考え方
・心が折れないための強さとは?
・メンタルを強くするために必要な2つの要素
搾取する側の考え方
10年くらいになりますが、「勝ち組」「負け組」という言葉が巷で盛んに使われだしました。社会は経済的に恵まれる「勝ち組」と、貧困にあえぐ「負け組」の2つに分けました。勝ち組に入るためには何をするべきか、負け組にならないために何をするべきか…最近あまり聞かれなくなったのは、すでに勝ち組と負け組が決まり、固定化したからかもしれません。「勝ち組」が生まれるためには、社会の逸脱者としての「負け組」が必要です。社会が二極化する中で、属性排除やラベリングが行われ、逸脱者をどんどん作り上げていく構造を知っておくことが大切になってきます。
このような状況の中で成功し、勝ち残っていくのは特殊な能力があるか、あるいは親の遺産を引き継いで、最初からスタートラインが異なっているか、さもなければよほど図太く、図々しい人間であるかのいずれかです。繊細でやさしい人は勝ち組にはなれません。
マルクスは資本主義社会において、生産手段を所有する資本家と労働力を商品として資本家に売るしかない労働者の2つに別れると指摘しました。労働者はいくら働いてもお金持ちになることはできません。それは資本家が労働者を商品と同じように扱い、できるだけ安い賃金で働かせようとするからです。この構図をマルクスが資本家による「搾取」と呼びました。なぜならそれは資本家が労働者を労働力という「商品」として購入する「代金」にすぎず、利益の配分ではないからです。
資本主義の構造を理解すれば、お金落ちになるには搾取する側、つまり資本家にならなければいけないということが理解できるかと思います。ですから人間を人間として扱うのでなく、労働力商品として扱える人間が資本家になれる人間です。成功してお金持ちになるためには、他者を商品として扱える人でなければなりません。そういう人は人を労働力商品として扱い、平気で搾取できる人間=図太くて図々しい人間なのではないでしょうか?図々しい人ほどのし上がる。まっとうに人を人として扱い向き合える人、奥ゆかしい人ではとても勝ち組にはなれないということです。
図々しいを「下品」と言い換えることもできます。成功するには「「下品力」が必要となってきます。その意味でいうならば、メンタルの一番の強化法は「下品になること」です。しかし、下品な人間になることが良いことなのでしょうか?
夏目漱石は『吾輩は猫である』で「義理を欠く」「情を欠く」「恥を欠く」人間のことを「三かく人間」であると表現しています。この「三かく」人間は、すなわち「下品」であることと同じです。「三かく人間」は縛るものや良心の呵責がないのですから、その意味では自由です。こういう人間は平気で他人を裏切り、蹴落とします。もちろん心の病になることもありません。
就活生が身につけるべき心が折れないための強さとは?
下品に落ちることなく、強く生きるにはどうしたらいいのでしょうか?本書での強さは心が折れないという意味での強さです。
今の時代心が折れそうになる状況がたくさんあります。そんな中でも心折れることなく、たくましく生き抜く強さ、しぶとさがこの本で言うところの「強さ」であると考えます。
通常強くなるためには硬さが必要であると考えますが、硬いものは一定以上の力がかかれば折れてしまいます。この時に重要なのが、柔らかくしなる強さです。柳のようにしなやかな枝であれば、どんなに強風がふいても折れることはありません。柔らかさこそが、折れないという意味では本当の強さなのです。
どんな環境でも、どんな力が働いても、柔らかく曲がり、しなやかにまた戻る。そんな心こそ目指すべき強さなのです。
就活生のメンタルを強くするために必要な2つの要素
「私とは私を取り巻く環境である」という言葉があるように、私は心を持っている自分自身と、自分を取り巻いている環境の2つの総体であり、相互に作用しあっています。
つまり、メンタルを強くしたいと思ったら、1つとして自分自身の内面をしなやかに柔らかくして、自分自身の内面を強くしていく必要があります。もう一つは自分を取り巻く環境をできる限りストレスの少ない快適な環境に変えていくことが大切です。
もし今、心が折れそうになったら、その原因が自分自身の内面的な問題なのか、それとも環境の影響によるものか、あるいはその両方であるかなど、それらを見極めて対処する必要があります。
しなやかで折れない「強い心」を作るためには、自分自身の考え方や心の構え方を変えると同時に、折れにくい環境を整えるように心がけることが肝要です。
最後に
「就活うつにならないメンタルの作り方」をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください