- 設立 1971年4月
- 事業内容 情報処理サービス、システム開発サービス、システム機器販売
- 資本金 3,203,992千円
- 従業員 連結 1,675名 単独 945名
- 本社住所 神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目3番1号三菱重工横浜ビル23階
- 電話番号 045-682-0800
- URL https://www.inet.co.jp/
横浜みなとみらいを本拠に、独立系IT企業としてシステム開発、データセンター・クラウドサービス、BPOという3本柱で事業展開を行っている株式会社アイネット。常に新しいことへの挑戦を続け、お客様のニーズに応えてきた。東証一部上場企業として、自社の発展だけでなく、行政との連携や地域貢献にも力をいれてきた同社。成長の軌跡について、広報関連部門の伊藤美樹雄さんと髙宮靖さんに話を聞いた。
ガソリンスタンド向けの勘定システムから宇宙関連まで。
幅広いソリューションをワンストップで提供する
当社は外資系石油元売会社の営業マンとして8年間勤めた創業者が、サラリーマン時代の経験やノウハウを活かして、ガソリンスタンドの事務効率化のために勘定系システムを開発するところからスタートした会社です。創業当初は自社のコンピューターもなく、大手企業からマシンを借りて社員5名からのスタートだったと聞いています。
新しいビジネスモデルを生み出す
ちょうど日本では1964年の東京オリンピック直後から本格的なモータリゼーションが到来し、設立した1971年以降、時流に乗ることができました。
1973年には立石電機(現・オムロン)との業務提携でSS端末機の開発に着手し、その後東京支店や静岡出張所を相次いで開設しました。1977年にはモービル石油の全国指定計算センターとなり、念願の自社マシンを購入できるまでに成長しました。
その後、昭和シェル石油、キグナス石油、ゼネラル石油の指定計算センターとなるなど経営基盤を構築していくなかで、目の前のお客様のご要望に応えたい思いで、普及が進みはじめたクレジットカードの決済サービスにも業務を拡張。メーリングサービスの事業開始など、新しい事業にも積極的に取り組みを進めてきました。
また、単なる組織拡大ではなく、お客様のニーズに応えられる地盤拡張のために、積極的なM&Aも行ってきました。1998年に自社データセンターを稼働させたのも、当社が開発したシステムをデータセンターでお預かりし、そこにあるデータを使った事後処理を行うというワンストップのサービスをお客様にご提供するためです。
変化の早いIT業界ですから、常に最先端技術への取り組みにも力を注ぐと同時に、時代の先を見据えた改革やサービスにも積極的に参入しています。リーマンショックの翌年には他社に先駆けてクラウドデータセンターを稼働させ、いち早くプラットフォーマーになることができました。また、システム開発分野では小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトへの関与において担当大臣から感謝状を授与されています。
2016年から参入をはじめたドローンIoTプラットフォーム事業は、「情報技術で新しい仕組みや価値を創造し、豊かで幸せな社会の実現に貢献する」という当社の企業理念をよく表していると思います。ドローンの実証実験のために千葉県の君津市に開設した敷地面積14万平方メートルにもおよぶドローン飛行場は、国内最大級の設備として大きな注目を集めています。
充実した人材教育
10年前から新人研修期間を2ヵ月から6ヵ月間に延長しました。文系・理系や希望職種に関わらず、新人全員が幅広い知識を学ぶカリキュラムとなっています。前半2ヵ月は社会人としてのビジネスマナーや基礎的なITスキルを学び、後半4ヵ月で全ての部署を体験するOJT研修を行った後、それぞれの適性を見て配属先を決定します。
ほかにも、自衛隊での宿泊研修、社員との絆を深めるバーベキュー研修、マナー研修、営業研修など、さまざまなカリキュラムがあります。これらの研修は、個人の能力開発はもちろん、新人同士の一体感を向上させることにもつながっています。半年間の研修期間は長いと思うかもしれませんが、配属先のミスマッチ防止にも寄与していて、研修を6ヵ月間にしてから若手社員の離職率が減り、定着率が向上したという効果を生み出しています。
働き方改革にも早くから取り組んでいます。オンとオフを大事にできるよう、残業が長時間に至った社員には、必要に応じて産業医が面談を行うなど、職場環境や健康状態の向上に努めています。
誰もが長く働ける環境
近年は横浜市や神奈川県といった行政との取り組みも行っています。当社は社内でも早い段階から「女性委員会」を立ち上げて、女性が長く働ける環境整備にも努めてきました。おかげさまで現在、産休育休後の復職率は100%を達成しています。
こうした取り組みなどから、2015年には女性の活躍を応援する「かながわ女性の活躍応援団」の団員に任命され、女性活用の場を広げるお手伝いをしています。当社で働くワーキングマザーの発案から生まれた保育園検索サイト「働くママ応援し隊」は、横浜市と共同で開発を行ったシステムで、現在は横浜市全域の1500以上の保育園データを掲載して、働く母親や彼女たちを支える企業から支持されています。
2018年10月には「ダイバーシティ推進室」を設置しました。現在は、誰もが働きやすい会社作りにも力を入れています。地域貢献の一貫で設立した障がい者の雇用のための子会社も創立10年を迎え、当社の成長の一端を支えています。
アイネットは来年は創業50周年を迎えます。さらなる飛躍はもちろん、これまで成長を支えてくださったお客様や地域へのご恩返しにも今後ますます力をいれていきたいと考えています。
活躍する若手社員 座談会
充実した教育や研修制度のあるアイネットは、社員一人ひとりが上をめざすことで、人間力の高い企業をめざしている。2019年4月に入社した48名のうち4名のメンバーに集まっていただき、IT業界を選んだ理由やアイネットの魅力、研修についての本音を聞いた。
──入社の決め手を教えてください。IT業界のなかで、なぜアイネットを選んだのですか。
神本 私は大学院で物理学を専攻して宇宙の研究をしていたので、そのスキルが生かせるIT業界を希望していました。ガソリンスタンドの勘定系システムから宇宙関連のシステムまで、幅広い業務を行っている当社に魅力と将来性を感じ、入社を志望しました。
鎌田 私は、産休・育休からの復帰率の高さと離職率の低さから、「この会社なら女性が長く安心して働ける」と魅力を感じました。私は外国語学部出身でITの知識はありませんでしたが、アイネットは未経験でもしっかりした研修があるので、その点も魅力に感じました。
髙橋 地元が川崎なので、神奈川県で働きたいという思いはありました。経済学部ですが、同じ大学の先輩が当社に勤務していて、会社説明会で触れた先輩社員のみなさまの人柄や社風に惹かれて、この会社で働きたいと思うようになりました。
川崎 就職活動をはじめるまでIT業界には興味がなかったのですが、当社の説明会に参加して、「研修が6ヵ月間あり、技術研修でプログラミングも学べるので文系でもSEになれる」といわれ、自分にもできるのではないかと思いチャレンジしてみようと思ったのがきっかけです。
──今6ヵ月の研修の約半分が終了した段階ですが、研修はいかがですか。
神本 みんなの前で自分の意見を述べる「3分間スピーチ」という研修では、最初はみんな緊張して話せなかったのが、今は話し方よりも話す内容やどう構築していくかという部分まで考えられるようになりました。たった3ヵ月ですが、成長を感じています。
髙橋 同期と3日間寝起きを共にする「自衛隊研修」では、同期同士の絆が深まりました。その後、先輩社員を招いて新人が企画・運営を行う「バーベキュー研修」は、イベント担当を努めさせていただき、皆さんに喜んでいただける時間が提供できたのではないかと思っています。
──入社前に希望していた職種へのこわだりは。
川崎 私は営業を志望して入社したのですが、研修を通じてSEの面白さに気がつき、今はSEを志望しています。OJTで目にした上司や先輩方の働く姿が魅力的で、自分自身の提案をとりあげてもらえる社内の風通しのよさや人間関係のよさなど、入社してどんどんこの会社のことが好きになっています。
鎌田 私はSE志望で入社したのですが、研修で開発と両方の現場を体験できたことで、どこに配属されてもいいなと思えるようになりました。配属された場所で100%の力が発揮できるようにがんばりたいと思います。
──この会社の一番の魅力は何だと思いますか。
髙橋 人のあたたかみです。同期もそうですが、就活中から人事の方に親身になって相談に乗っていただいたことは、今でも感謝しています。現在はOJTで各部署を回っていますが、そこでも先輩や上司から形だけではない、心のこもった研修を受けさせてもらい、本当にこの会社を選んでよかったと思っています。
川崎 多くの研修を通して同期の仲間ができたことや、優しく頼りがいのある先輩方との出会いです。私は大学まで仙台にいて、就職のために関東に来ました。土地勘もなく友達もいない環境のなか、まったく未経験のIT業界で働くことは正直不安もありましたが、今はむしろ「県外からでも大丈夫だからどんどんおいで」と教えてあげたいです。
──どんな人がアイネットに向いていると思いますか。
鎌田 IT業界と聞くと、理系や経験者、パソコンに向かっているイメージが強くあると思いますが、実際は人とコミュニケーションをとることが多いので、人と話すのが好きな方やコミュニケーション能力の高い方は向いていると思います。
神本 アイネットに限りませんが、向上心を持っている人がいいと思います。プログラミング経験は技術研修で学べますが、基礎で満足しないでその上をめざすためにも、入社前から少しでも勉強しておくといいと思います。
髙橋 ITパスポートという資格を取得したり、自分にできることから少しずつ進めていけば入社後もスムーズにいくと思います。同期を見ると、明るくてコミュニケーション能力の高い方が多いので、好奇心の強い方など何かに興味の持てる人はきっと向いていると思います。ぜひ一緒に働きましょう。