新卒で年収1000万円という求人が出て、話題を呼びました。
就職活動において、給料を軸に会社選びをしている学生もいるとは思いますが、給料がいいことに越したことはありませんが、多くの研究者や著者が幸せはお金では変えないとしています。今回は「日本一社員が成長できる=幸せな会社」から著者の芦田氏の考えをお届けします。
人生の価値や幸福について考えた時、お金をたくさん持っている人のほうが幸せで、価値が高い人生を送っているかといえば、必ずしもそうでないと著者の芦田氏は語っています。そのような考えに至った経緯には芦田氏の幼少期が関わっていました。
芦田氏のお父様は神奈川で300人ほどの従業員が働く会社の社長でしたが、芦田氏が小学2年生の頃に倒産し、邸宅住まいから小さなアパート住まいになりました。その後両親は別々に暮らすようになり、母子家庭で育ちました。高校生になった芦田氏は大学に進学するため様々なアルバイトを経験します。365日昼夜問わずアルバイトをして、その合間に勉強するような日々。
そんな話をすると、たいていの人は芦田氏に「苦労したんですね」「大変でしたね」という声をかけるといます。しかし芦田氏はそんなに大変だったとは思っていません。芦田氏は自身の経験について、この経験があったからこそ、人からサポートされたり、与えられたりするのが当たり前ではなく、自分で稼ぐことでお金を工面していく方法を身に着けたと語っています。その後、芦田氏は、税理士の仕事につくわけですが、数億円の資産を持つクライアントに会う中で、お金は幸福を計るモノサシではないと気づいたのです。
行動経済学者でノーベル学賞を受賞したダニエル・カーネマンの「収入と幸福度の関係についての研究」でお金は 幸福を計るモノサシではないことが証明されています。2004年にアメリカで行った調査で、世帯主の年収が5万ドル以上9万ドル未満(1ドル120円換算で600万円以上1080万円未満)までは、所得が増えるほど幸福度も上がっていきました。しかし、年収5万ドル以上9万ドル未満の人たちと、年収9万ドル以上を稼ぎだす人たちの間では、幸福度に彰かな差が見られなくなりました。
このような研究結果からカーネマンは「高い収入で満足は得ることができるが、幸せは変えない」としています。
芦田氏も多くの富裕層の方を見てきたことと、さらに幼少期の経験から、他人との比較からは自らの幸福度が得られないことを学んでいます。他人と比較するのではなく、自分なりの人生の価値や楽しみに気づくことこそが、幸福な人生を送るための第一歩としています。
最後に
芦田氏の経験をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください