学生に選んでもらえる企業になるための方法

学生に知っている会社を尋ねると、たいていはテレビCMを流しているような大企業ばかりを挙げます。そんな就活生に対して、多くの企業はテレビCMを流しているような会社と同じ土俵に立って、採用活動を行和なければなりません。その際に重要なのが「採用ブランディングで」です。「え?新卒採用なのに、ブランディング?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。この記事では今後、採用ブランディングが重要になる理由を書籍『はじめての新卒採用ブランディング 地域ビルダー・工務店のための採用マニュアル』よりご紹介します。

目次
・採用ブランディングとは
・採用ブランディングがなぜ必要なのか?

採用ブランディングとは


ブランディングには、企業ブランディングと採用ブランディングがあります。
採用ブランディングという言葉は近年注目されている言葉ですが、まだまだ認知度は低く、多くの企業は「採用ブランディング」を意識して採用活動を行っていません。

ブランディングとは、自社のブランドに対して、就活生(お客様)の共感と信頼を構築することです。企業ブランディングであれば、家を建てたいと考えているお客様がインターネットで検索したとき、例えば「上質な」「感動的な」等、自社がお客様げ伝えたい世界観を具現化することです。

ホームページを見て候補の1つに選んでもらえるような魅力を提示し、他社と差別化が図れていること。そして、住宅の写真のクオリティはもちろん、ホームページ全体の色合いやフォント、使われている言葉など細部に至るまで「上質」や「感動」というキーワードを連想でいるよう統一されていることが、ブランディングの第一歩と言えます。

「採用ブランディング」の考え方としては就活生をお客様に見立てることです。学生にとって自社がどんな魅力を持った会社なのか、競合他社と何が違うのか。そんな問いかけに対する明確な答えを持っておく必要があります。様々な採用チャンネルを通して広く知ってもらうことも大切ですが、自社が採用したいと思う就活生にピンポイントで刺さるような仕掛けづくりが採用ブランディングの肝と言えます。採用ブランディングとは自社の持つさまざまな強みや魅力の中から、ペルソナに設定した人材が興味を持ちそうな「らしさ」をピックアップして強く打ち出していくのです。

採用ブランディングがなぜ必要なのか?


企業の求人ニーズが増える一方で、人口減少により売り手市場といわれる現在、企業はどこもいい人材の確保に躍起になっています。インターンシップをはじめ、学生の就活時期は一段と早まり、いい人材と判断したらすぐに内々定を出す企業も多くあります。また、今後は経団連のルールが廃止される関係でさらにいい人材確保は難しくなっていくでしょう。

また、就活生がエントリーする数もかつては数十社ありましたが、近年は10社程度まで絞っているともいわれています。例えば、合同説明会には何十、何百もの企業がブースを出していますが、採用ブランディングができていない会社は、学生の目に止まることなく、素通りされてしまうのです。

就活生に自社を知って、興味を持ってもらい、就活先候補の1つに選んでもらうには「何か面白そうだな」と一目で感じてもらい、「説明会聞きに行ってみたいな」と思ってもらう。そのためには採用ブランディングが必要不可欠といえるのです。

採用ブランディングがされていないために、自社が求める学生とは異なるタイプが集まり、ミスマッチが生じる場合もあります。希望する学生には素通りされてしまい、「良い人が集まらなかった」という結果になってしまうのです。

採用コンセプトが明確ではなく、ブランディングができていないと、興味本位の学生だけが集まり、ほしい人材とは違うということになりかねません。

少人数で対応せざるを得ない中小企業にとっては、実は集まりすぎるのも問題なのです。選考フェーズで個人面談を予定していたのに対応しきれず、グループ面接にしてしまうことで良い人材の見極めがきちんとできないということも起こりえます

つまり採用ブランディングは惹きつけであるとともに、自社がほしい人材を自然と選別するための手段とも言えます。採用活動を始めるに当たり、必ず行うべきなのが採用ブランディングなのです。

最後に

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください

はじめての新卒採用ブランディング 地域ビルダー・工務店のための採用マニュアル 
田中 崇史 (著), 徳田 恵子 (著) ( 2020/4/17 /クロスメディア・パブリッシング)