【株式会社エムティーアイ】エムティーアイが進めるIC×健康経営の最前線

  • 株式会社エムティーアイ
  • 設立 1996年8月
  • 事業内容 コンテンツ配信事業
  • 資本金 5,135百万円
  • 従業員数 1,164名(連結・2020年6月30日現在)
  • 住所 〒163-1435 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー35F
  • TEL 03-5333-6789
  • URL https://www.mti.co.jp/

取材日:2020年6月15日
株式会社エムティーアイ
ヘルスケア事業本部
CARADAヘルスケア統括部
法人事業部 事業部長
杉本元
コーポレート・サポート本部
経営企画統括部
人事部
鷲頭有沙
執行役員
ヘルスケア事業本部
副本部長 
秋田正倫

累計ダウンロード数1500万(2020月3月時点)を誇る『ルナルナ』を筆頭に多くのヘルスケアサービスを育んでいる株式会社エムティーアイ。ヘルスケアコンテンツ事業は、個人の健康増進や企業の健康経営にどのように有効なのだろうか。同社の取り組みとともにお話を聞いた。

『ルナルナ』をきっかけに、健康事業の第一歩を

当社は1996年の創業以来、毎日の暮らしを豊かにする一般消費者向けの携帯電話コンテンツサービスの提供を行ってきました。創業当初は、天気予報や道路交通情報サイト、着メロサイトなどのサービスを提供していましたが、現在は女性の健康情報サービス『ルナルナ』や、企業の健康経営をサポートするサービス『企業向けCARADAパック』など、人々の健康をより便利にサポートするヘルスケアサービスも多数提供しています。

『ルナルナ』は、当社が健康コンテンツをはじめたきっかけのサービスであり、20年前、まだ生理に関する体調不良などの悩みがオープンに語られづらかった頃にスタートしました。

携帯コンテンツのサービスは、個別の課題を解決するのに適しており、当初は「生理日」を管理するサービスの需要に懐疑的だった声もあった中、多くの女性ユーザーからの支持を集め、今では「生理日予測といえば『ルナルナ』」という認知を獲得するまでになりました。

同サービスでは、数百万人のビッグデータから、個人の月経周期にあわせたより高精度な排卵日予測の独自アルゴリズム(特許取得済み、学術誌にも掲載)を開発しており、それにより妊娠率が向上することなどを明らかにしています。
このようにデータに基づいてサービスの開発・改良に取り組むことで、女性の幸せの実現のお役に立てていると実感しています。最近の調査では、年間で約28万人※もの妊娠報告がサービス内で確認されていることが分かり、当社のサービスが少子化対策にも貢献できていると感じています。
※2019年1月1日から12月31日までに、「ルナルナ」各サービス内で「妊娠中ステージ」に切り替わり、一定期間以上の継続が認められた回数

また、近年は『ルナルナ』に記録したデータを医師の診療時に活用できる『ルナルナ メディコ』も開始しました。医療機関と連携して、エンドユーザーのデータを患者の同意のもと医師が閲覧できるようにすることで、より正確で適切な診断が行えるようサポートしています。現在は全国で800軒以上の産婦人科にて導入されており、今後も〝女性の健康サービス”のパイオニアとして、生理だけではなくさまざまな事業を通じて女性のカラダとココロに寄り添い、すべての女性の幸せの実現に貢献していきたいと思っています。

長年蓄積したモバイルコンテンツ企画・開発の知見を、ヘルスケアビジネスへ活用

『ルナルナ』のサービスを開始した2000年当時、携帯コンテンツではヘルスケア事業の成功事例がありませんでしたが、「スマートフォン」の登場によって、身近なデータを管理しながら新しい価値を見出していくことが可能になりました。「健康」コンテンツには即効性はありませんが、誰にとっても大事なものです。我々がフィーチャーフォン時代から20年近く培ってきた携帯コンテンツのノウハウが、今後はヘルスケアの領域でも生かせるはずだという思いのもと、「長期的な戦略になるかもしれないが、会社全体として取り組んでいこう」とメイン事業に掲げることになりました。近年は、ICTの力によって人々の暮らしをより便利で豊かにするヘルスケアサービスや仕組みにも取り組んでおり、2012年からは健康全般のサービス企画・開発へ本格的に注力しています。

ところが、スマートフォンが急速に普及したことで、需要が拡大すると考えていたヘルスケアの個人向けサービスは意外と伸びませんでした。国民皆保険制度のある日本では、健康は「失って初めて分かる」ものであり、予防にお金をかける習慣が根付いていません。そのため、個人の健康を支える企業や団体と連携して地道に健康を届ける努力をすることで、生活者の健康意識を変えていこうと、法人向けサービスを開始しました。

ちょうど従業員に対する健康対策という課題意識が高まったタイミングでもあったことから、従業員の健康診断の結果をデータ化し、健康管理をアプリやウェブサイトで行えるようにするサービスは大変喜ばれました。

私たちは、「世の中を、一歩先へ。」をビジョンに掲げ、特にヘルスケア事業を一歩先に進めるためには「医療機関との連携」を重要なテーマとして捉えています。この先、長期的にヘルスケア事業を継続していくためにも、病院向け、薬局向けのサービスも提供しながら、企業の健康経営支援に留まらず、健診機関、健康保険組合、薬局、病院、そして自治体までをつなぐプラットフォームを目指し、そのなかで個人の健康も含めて高めていくサービスを提供したいと考えています。

「本当の健康経営」とは?エムティーアイが掲げるこれからの健康経営像

我々は、「本当の健康経営」についての理解はまだまだ世の中に浸透していないと考えています。

健康経営は〝経営〟の一環のため費用対効果を問われる時もありますが、そのような考え方が既に誤っていると捉えています。健康経営は〝投資対効果〟をみるべきであり、自社でやるからこそ効果が出るものです。「他社での成功事例があれば実施する」という感覚には賛同しかねます。まずはそこに投資することを決めることが、健康経営のスタートラインであるべきです。

また、健康経営の必要性が増している背景には「働き方の変化」があります。ビジネスが世界規模になり、すべてのプロジェクトに「高度化」「高速化」が求められるなか、企業は「分業化」し「専門性を高める」必要があります。その結果、仕事に対する「達成感の欠如」が表れ、多くの企業において「3年後に今の会社にいると思いますか?」という問いに対して20代の半分はNOと答える時代になっているとも感じています。そのため、企業は採用活動に必死になり一人の採用に数百万円をかけることもあるようですが、健康経営によってずっと安心して働き続けたくなる会社作りに同じ金額を投資した方が有意義ではないでしょうか。企業側は、まずこの問題に気付くべきだと思います。

健康経営を経営戦略の一環として機能させるためには、健康経営に対してどの程度投資すべきか、またその投資対効果を評価するための指標が必要です。その指標の一つとして、従業員が何らかの理由で心身共に不調を抱え、出勤していてもパフォーマンスが低下してしまっている「プレゼンティーズム」があげられ、当社では、プレゼンティーズムを「パフォーマンス」と呼び、重点的に分析を行っています。

企業の健康経営をサポートするトータルパッケージ『企業向けCARADAパック』の「パフォーマンス分析レポート」では、従業員に「健康調査アンケート」を行い、どのような生活習慣や不定愁訴がパフォーマンスの低下を招きやすいのかを明らかにしています。それにより、企業や職種ごとのパフォーマンスの低下につながる課題を見つけ、それに対する適切な提案を行うことで、従業員のパフォーマンス向上を見込める施策の実行や効果検証ができるようになります。

「健康経営といっても、何から手をつければ良いかわからない」「セミナーやイベントを行ったが、効果がわからない」というお悩みをお持ちの企業は、まずは〝投資対効果〟の考え方を持ち、従業員のパフォーマンスを分析した上で働く環境を整えることが健康経営の第一歩といえます。

最近では新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点で多くの企業で実施されているテレワーク下における健康経営サポートも開始しました。従業員が体温・体調・メンタルを簡単に会社へ報告でき、管理者は変化があった従業員を素早くフォローできる仕組み用意するなど、企業が遠隔で従業員のカラダとココロのケアを実施できるような仕組みを提供しています。従業員を気遣う企業からの問い合わせが多く、実際に導入した企業からは「通常勤務以上に仕事の生産性があがった」と喜ばれています。

今年から、次世代の通信インフラとして社会に大きな技術革新をもたらすといわれる「第5世代移動通信システム」、いわゆる5Gが始まり、クラウドとAIの時代が来ます。大切な従業員とオンラインで仕事する時代に、テクノロジーの活用なしに企業の健康経営は解決できないと考えているため、テクノロジーを活用して、ウェルビーイングな組織や社会の構築を目指す必要があると思います。

自社の従業員の健康意識も向上させる

エム健

また、ヘルスケアサービスの提供を通じてより多くの人が健康で豊かな生活を実現できるようサポートする企業として、当社は、従業員が主体的に「健康」について考え、健康を増進することがより良いサービスを生み出すことにつながるという考えのもと、一人ひとりが心身ともに健康で働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

こうした取り組みが評価され、2020年3月には、「健康経営優良法人2020」の大規模法人部門に認定された1481法人のなかから、特に優良な健康経営を実践している上位500法人として「ホワイト500」に認定されました。2018年、2019年に続き3年連続の「ホワイト500」認定となります。

健康経営の取り組み推進については社内で様々な施策を行っており、楽しみながら気軽に健康的な活動を行えるよう、自社の健康管理サポートアプリ『CARADA』を使ったウォーキングレースや、当社独自の健康増進Webサイト『エム健(健康活動記録ポータルサイト)』の開発・導入、運動系のクラブ活動支援など、工夫を凝らしています。

『エム健』では、従業員が主体的に健康活動を行うことを目指し、健康につながる日々の活動を記録すると、活動量に応じたポイントが加算され、ギフト券などと交換できる仕組みにしています。健康セミナーの実施だけでは、ヘルスリテラシーは向上してもなかなか健康活動にはつながりくいのですが、『エム健』で健康活動に対してインセンティブを与えることで、自主的に健康増進に取り組む社員が増えました。現在は600名以上の従業員が参加し、楽しみながら健康増進に取り組んでいます。

健康経営は「楽しい」だけでは成果にならず、その先には従業員の「生産性の向上」が求められます。昨年実施した全社員向けの健康意識調査では、生理痛などの月経前後に起こる不調に悩まされている女性社員が約8割もいることが明らかになりました。さらに、生理痛などの不調は急な欠勤や日々の生産性に大きく影響があると分かったことから、2020年2月には、生理痛やPMSなどの症状に悩む女性社員を対象に、新たな福利厚生制度「オンライン診療を活用した婦人科受診と低用量ピル服薬の支援プログラム」を導入し、課題解決に取り組みました。
この制度は、診療から低用量ピルの処方までを『ルナルナ』と産婦人科向けオンライン診療システム『ルナルナ オンライン診療』にて行い、診療や低用量ピルの服薬に必要な費用を会社が負担するものです。オンライン診療を活用することで、通院にかかる移動や待ち時間を削減し、仕事を休まずに受診することができます。本制度を導入することで、生理痛やPMSなどの症状に対して気軽に婦人科に相談できる環境づくりと通院にかかる負担の軽減を図るとともに、女性特有の症状による健康課題を改善し、女性社員がいきいきと働くことができる職場を目指しています。

また、全社員向けに産婦人科医による「女性のカラダの知識講座」を実施し、男性社員も含め社内全体で生理痛やPMSなどの症状に対する理解と意識を向上させることで、男女ともにより働きやすい職場の環境づくりも推進しています。

従業員がいきいきと働き続けられる職場を目指す

さらに、安定して長く働ける環境をつくるためには健康面だけでなく、制度面でのフォローも重要だと考え、個々のライフステージに合わせた仕事と家庭の両立を支援する人事制度も整えてきました。

介護や育児中の社員が時短勤務のなかでフレックス制度が利用できる「短時間勤務フレックス」は、最長で子どもが中学校を卒業するまで利用が可能です。また、月10 日まで利用できる「在宅勤務制度」は、介護および子どもが小学校を卒業するまでの子育てサポートでしたが、コロナ禍で感染拡大防止の目的のもと、一時的に全従業員を対象としています。会社として多様な人材を活用していくためにも、今後は、テレワークを新たな働き方として取り入れ、従業員一人ひとりに合わせた働き方の選択ができるよう検討を進めていく予定です。

また、不妊治療をおこなう社員の負担を少しでも減らし、働き続けてほしいという思いで導入した、不妊治療中の社員の通院をサポートする月2日まで男女とも取得が可能な「ファミリーサポート休暇」や、不妊治療を目的とした休職が最大2年間可能な「不妊治療休職」(入社してから1年以上の社員が対象)は、女性の健康と妊活をサポートする『ルナルナ』を運営している当社ならではの制度です。
このような健康経営の取り組みにより、健康意識とともに自身の仕事のパフォーマンスも向上したと感じる社員が増えています。ヘルスケア事業に注力している当社では、従業員一人ひとりが自ら高い健康意識を持ち、心身ともに健やかにいきいきと活躍できる環境で働くことが、お客様により喜んでいただけるサービスの発展につながるものと考えています。

今後は、コロナ渦で急速に変化した働き方への健康課題の対応を大きな課題として捉えています。通勤がなくなったことによる身体活動量の低下や、自宅環境、家庭環境による不定愁訴の増加、ストレスなどは課題ですし、テレビ会議の多い業務内で、視覚的や文脈的に取得できる健康情報が極端に減っているというコミュニケーションの課題もあります。

生産性高く健康的に働くためには、従業員自身が自発的に運動やストレッチを実施し、ストレスを溜めないようにするなど、より一層セルフマネジメントが必要になり、また、管理職は、バーチャル環境における部下の健康状態の把握等が求められます。

当社でもオンラインのメンタルセミナーや、保健師によるオンラインでの体調確認面談などを実施しています。まだ見えない課題もあり、課題の特定とそれに対する対応に取り組んでいる最中ですが、今後は健康という範囲にとどまらず、健康管理と一緒に、自身のライフスタイル、キャリアを一緒に考えられる人を増やしていきたいです。

健康的に生き生きと働くために、自分はどのようなライフスタイルを送るべきか、より生産性を高めキャリアを積んでいくために自分がコントロールすべきことは何かを、考え行動していく従業員が増えるよう、健康経営に継続して取り組んでいきます。

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