【名鉄協商】地域に貢献する思いで新たなビジネスを切り開く

「レンタカー」に始まる名鉄協商の歴史 

高度経済成長期、モータリゼーションの高まりを背景に、鉄道やバス、タクシーに次ぐ交通機関として、レンタカーに大きな期待が寄せられました。

名古屋鉄道ではグループ企業と提携し、1971年に「ニッポンレンタカー中部」を設立しました。それが名鉄協商の誕生したルーツです。

ニッポンレンタカー中部では、設立当時からレンタカー業のほか、名古屋鉄道が所有する遊休地を有効活用した駐車場事業、1年以上の長期レンタカーユーザーを対象としたカーリース事業、自動販売機による商品販売など、多角的に事業を手がけていきました。そして1976年、レンタカー部門を分離したうえ、社名を「名鉄協商」に変更し、総合商社への成長を目指して第2のスタートを切りました。

その後、名鉄協商は事業を拡大し、比較的早くから環境に対する意識を持ちながら事業に取り組んできました。

各地に広がる「名鉄協商パーキング」

交通事業の中で、早くからSDGsに着手 

ニッポンレンタカー中部時代からすでに行っていた、名鉄駅前の駐車場整備は、「パーク&ライド」のニーズに応えるためのものでした。パーク&ライドとは、駅までは車、駅から目的地までは電車で向かうといった、マイカーと公共交通機関を組み合わせた移動手段のことです。

都心への車の乗り入れを抑制し、公共交通を利用する分担の割合が増えることでCO2の排出削減につながります。私たちはこのパーク&ライドに適した駐車場の開発を、2000年代以降も各地で積極的に進めてきました。

また、ゴミ問題への取り組みとして、資源を再利用するリサイクルが注目を集めてきた1990年代、当時の包材事業部が、親会社である名古屋鉄道から使用済みの切符を有効活用できないかという相談を受けたことをきっかけに誕生したのが「リキップ」という事業です。

「リキップ」では、全国各地の鉄道会社から使用済み切符を回収し、そのほかの回収古紙と混ぜ合わせ、それを原料に活用したリサイクルを製造しています。リサイクル商品には、トイレットペーパーや駅に設置するベンチなどがあり、切符を回収した駅にも納入しています。

最近ではIC化により、鉄道会社からの使用済み切符の回収量は減少していますが、この資源循環型リサイクルの仕組みは現在も稼働を続けています。

試行錯誤の末、当時からこういったリサイクル事業を形成できたことは、私たちの意識転換にもつながりました。そして、その後の事業においてもSDGsに向き合っていく大きなきっかけとなったのは確かなことです。

「リキップ」から生まれた駅のベンチ、トイレットペーパー

経営資源を大胆にミックスして生まれた新規事業

私たちの代表的なSDGsへの取り組みの1つに、「カーシェアリング事業」があります。

カーシェアリングとは文字通り、1台の車を複数の人でシェアする車の乗り方です。車を事前に予約した人が解錠して乗車し、予約した時間内に同じ場所に返却します。車を複数の人で共有することは、経済的なメリットがあるだけでなく、CO2の排出削減にもつながり、環境にもやさしい移動手段といえます。

名鉄協商では、事業の大きな柱であるカーリース事業と駐車場事業の経営資源を融合させて、2009年に「カーシェア カテリコ」を開始しました。

車両の調達や管理にはカーリースのノウハウを、貸出場所として車両を配置するスペースには、各地で展開する「名鉄協商パーキング」を活用しています。

事業の開始当初、マイカー社会で知られる愛知県では、カーシェアリングが果たして定着するのか?といった根本的な疑問も決してゼロではありませんでした。また、カーリース事業と競合しないか?コインパーキングの車室に車両を配置すると駐車場ニーズに対応できなくなるがどうすればいいか?など、事業間の課題もありました。

しかし、その頃からシェアリングエコノミーという新しい考え方が世の中に広がりはじめたことを追い風に、サービスの認知拡大と利用促進に地道な取り組みを続けました。

その結果、現在では、愛知や岐阜をはじめ、関東や北陸のエリアでもサービスを展開し、3万人を超える方々に利用されるようになっています。

この事業が、「環境に対する負荷を下げる」という目的を第一に始めたわけではないものでした。あくまで本来の目的は、地域の方々にとって便利なサービスを生み出し、地域の価値を向上させることにありました。

しかし、時代とともにサービスがじわじわと世の中に認知される中で、最近では、少しでも環境によい手段を選びたいという地域の方々の気運の高まりも実感じています。

ちなみに、この「カテリコ」は、「CAR」「IT」「ECO」を組み合わせてできた名前で、「クルマをITでもっと便利にエコに。」の意味が込められています。

そして、最近では自動車だけでなく、電動アシスト付き自動車を貸し出す「シェアサイクル カリテコバイク」のサービスも始め、好評を集めています。  交通サービスは地域のみなさんの生活に欠かせない「足」です。交通を中心とした生活の利便性がさらに高まることで、地域の価値も上がり、都心集中の経済モデルの改善策にもつながってくるはずです。

カリテコは名古屋を中心とした東海エリアのほか、関東、北陸でも利用されている

安心で豊かな地域づくりに活かす「食」への取り組み

誰もが安心して住み続けられる地域づくりに欠かせない要素として、福祉・介護があります。名鉄協商では、介護施設に向けた食材供給サービス「おたっしゃごせん」の事業や、介護用品や福祉車両のリースも取り扱い、施設運営のサポートに努めています。

また、地域防災と非常時における企業のBCP(事業継続計画)支援を視野に、法人向けに防災用品の販売を行うなか、新たに始めたのが「食の防サイクル」という活動です。

これは、当社が企業に納品したアルファ米や缶詰などの非常食を、その賞味期限前に回収し、フードバンクなどへの寄付につなげるものです。回収した後は、新たな非常食を納品し、賞味期限の中でにストックが途切れないようにしていきます。

この活動によって、大量のフードロスを防ぎながら、地域に貢献しています。

そして、これまでとはまったく違う切り口で立ち上げた事業の1つが、食品の輸出支援事業です。2019年に開始したこの事業では、東海エリアの隠れた名品を探し出し、中小の生産者の方々に向けて輸出機会を創出しています。

地域の食の魅力が海外に広がることで、地域が活性化する。そのための支援が事業の目的です。海外バイヤーとの接点となるプラットフォームの提供から、貿易に必要な事務作業の代行まで、幅広い支援を行っています。

ほかにもベーカリー事業を立ち上げ、2021年にフランス発の有名ベーカリー「ゴントランシェリエ」を東京青山にオープンしました。食器類は脱プラスチックの徹底を目指し、売れ残ったパンを廃棄せずバイオマス発電に再利用するなど、エコな活動にも取り組んでいます。

「ゴントラン シェリエ 東京青山店」では、オリジナル配合の小麦粉やノルマンディー産のバターを使用した、こだわりのパンが味わえる

新しいアイディアを生み出すのは自由な社風

名鉄協商では、常に新たな商材やサービスを模索していますが、これまで次々と新事業を生み出してきた背景には、「自由な社風」があります。

「やらないよりは、やってみる」というチャレンジ意欲を大切にしてきた企業文化により、若い社員でも意見を出しやすいのが特徴です。こういった文化が新たなチャレンジを生み、地域の方々に価値をもたらしていく。そんな循環をこれからも大切にしていきたいです。

そして、会社が成長するには社員の活力が必要で、その活力は、心身の健康の上に成り立つものという観点から、従業員の健康維持増進とワークライフバランスに積極的に取り組んでいます。野球やサッカーをはじめとする部活動も活発で、子どもたちのサッカーを応援する地域イベントへの参加、乳がん検診の受診向上を目指すピンクリボン活動にも協力しています。

私たち名鉄協商は企業メッセージに「かなえたいを、協(かな)える。」を掲げ、さまざまな活動を通して、これからも地域に貢献する企業であり続けていきます。

名鉄協商はこんな会社!

SDGsに取り組む3名の社員にお話をうかがいました

広報室 真脇さん

地域の暮らしや街をつくる仕事

私たちの事業ルーツは人々が行き交う「駅」にあります。駅を含めた地域の価値を高めることは、その地域の方々の暮らしを作ること、ひいては街を作ることにつながっています。それが、私たちの仕事です。

自動車に関わる企業は環境に対する責務がある

環境に対する意識は今後ますます強くなっていきます。自動車に関わる企業はこの状況に無関心でいることはできません。EVをはじめとする新たなモビリティの普及に伴い変化が予想される社会に向けて、求められる責務を果たしていきます。

パーキング事業本部 竹島さん

シェアリング事業部 城さん

モビリティの多様化にむけて

デジタルの進化に伴い、カーシェアリングの形や使い方もますます多様化してくると思います。環境に配慮しながらさらに便利なサービスを提供できるよう新たなアイディアを生み出していきたいです。

名鉄協商株式会社
取材日:2021年10月26日
代表取締役:小林昌弘 
設立:1971年
事業内容:パーキング事業、モビリティ事業、商品販売/各種サービス(建設事業、食品事業、ホテル事業、ファイナンス事業、海外事業、ベーカリー事業など)、不動産事業、IT開発

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