【江崎グリコ】創業から受け継がれてきた、事業を通じた「社会への貢献」

食品によって人々の健康に貢献する

江崎グリコの歴史は、100年以上前の1919年にまでさかのぼります。創業者の江崎利一は牡蠣の煮汁に含まれるグリコーゲンに出会い、創意工夫を重ね、現在も販売されている赤い箱の栄養菓子「グリコ」を創製、1922年に発売しました。

グリコが誕生した背景には、人々の栄養状態が不十分だった時代、栄養価の高いグリコーゲンを活用して広く国民の健康に寄与したい、という創業者の強い願いがありました。創業の精神として「食品による国民の体位向上」の実現を通じて、社会に貢献するという思いを商品に込めたのです。

時代の変化に合わせて、現在は「おいしさと健康」を企業理念として掲げています。創業時から受け継いできた「事業を通じて社会に貢献する」という信念は、私たち社員に浸透しています。

社会を取り巻く環境は大きく変化しています。「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」というパリ協定が採択・発効され、SDGsでは持続可能な開発目標として誰一人取り残さない社会の実現を目指しているように、さまざまな課題に国際社会全体で取り組まなければなりません。

発売当初の「グリコ」(1922年)

これからも創業時からの使命を果たし続けていくために、社会の変化に柔軟に対応する必要があります。Glicoが創業の精神を受け継ぎながら、いかに持続的に社会に貢献していくかを考えて取り組んだのが、Glicoグループの重要課題を洗い出すマテリアリティの作成でした。ステークホルダーの要請や期待も踏まえ、社内で議論を重ね、外部有識者の意見も取り入れて2020年に策定しました。

4つの分野で取り組む「環境ビジョン」

食品企業にとって、地球環境の変化は、原材料の調達をはじめとして事業にさまざまな影響をおよぼします。私たちは「資源循環と廃棄物削減」「気候変動の緩和と適応」「水資源の管理」をマテリアリティの最重要領域と位置づけています。また「安心・安全な商品、サービスの提供」や「人々の健康への貢献」にも複合的な影響が大きいと考え、2021年3月に「Glicoグループ環境ビジョン2050」を策定しました。

2050年をゴールとした中長期のビジョンでは、4つの分野を設定しています。具体的には「気候変動への対応・温室効果ガスの削減」「持続可能な水資源の活用」「持続可能な容器・包装資源の活用」「食品廃棄物の削減」です。

「温室効果ガスの削減」では省エネ対策を徹底しています。主力工場の1つ、グリコマニュファクチャリングジャパン㈱の神戸工場(神戸市)では、コージェネレーションシステムの導入、コンプレッサーなどの生産設備の高効率化により、CO2の削減を進めています。また社員一人ひとりがエネルギーの無駄づかいをしないよう「省エネパトロール」を年3回実施しています。

再生可能エネルギーの導入も進めています。神戸工場に併設する、社員や地域の方々も利用する事業内保育園「こどもぴあ保育園 神戸」に太陽光発電設備を設置しました。今後も国内外の拠点への設置を検討していきます。「持続可能な水資源の活用」では、一部の工場で排水を冷凍設備の冷却時に再利用し、水の使用量を削減しています。また、工場での空調機器に水による冷却を必要としない「高効率空冷式冷凍機」を採用しています。

「食品廃棄物の削減」は、食品事業を中核とする当社にとって切り離せないテーマです。特に工場では、製造の過程で廃棄物が出てしまうため、廃棄物をそもそも発生させないことを日々考えています。これまでに現場で働く社員によるさまざまな提案がロスの改善につながり、2020年には当社全体での年間発生量を2015年比で約6割まで削減できました。

もちろん、やむなく廃棄物が発生してしまうときもあります。一部の商品では少しの割れや欠けがあっても、味や品質は変わらないものは数量限定で販売しています。2021年10月には、「ジャイアントカプリコ<いちご>ふぞろい品」を発売しました。

店頭に並ぶ「ジャイアントカプリコ<いちご>ふぞろい品

廃棄されるビスコを豚の飼料として再利用

廃棄物への取り組みはほかにもあります。食品廃棄の発生を未然に防ぐため、製造過程の途中で欠けたり割れたりした商品を再利用し、資源として循環する「食品リサイクル・ループ」を構築しています。

例えば神戸工場では、商品にできなかった「ビスコ」を飼料会社で豚の餌の原料にして、成長した豚を使ったメニューを食堂で社員に提供します。生産工程で出るチョコの塊やカカオの皮なども、肥料会社を通じて肥料にして、保育園の家庭菜園の栽培に使い、園児の給食に出すという循環の仕組みを構築しました。園児の「自然を大切にする気持ち」「持続可能な社会づくりの意識」を育むことに力を入れ、2020年度(第14回)キッズデザイン大賞を受賞しました。

食品メーカーの社員としてだけでなく、1人の生活者として環境への取り組みはとても身近で関わりが深いものです。Glicoグループには会員制コミュニティサイト「with Glico」には、社員が決められたテーマを語りつなぐ「社員駅伝」というコンテンツがあり、日常の業務を通じて環境への取り組みを伝えています。会員のみなさまへの情報発信と共に、社員同士が環境への意識を高めるいい機会となっています。このほか、「CSRレポート」の発行など、さまざまなステークホルダーに向けて情報を発信しています。

食品リサイクル・ループの仕組み

人材の多様性で新しい時代を牽引する

環境対策に限らず、積極的に取り組んでいるのが「人材の多様性」です。
今後さらなるグローバル化が進むなか、年齢、性別、人種、宗教、障がいの有無等に関わらず、誰もが働きやすい職場づくりに取り組んでいます。それぞれが持つ能力や個性を最大限に活かすダイバーシティ&インクルージョンは、これからの時代に欠かせません。

Glicoグループにおいて、最大の経営資源は人です。意欲に溢れる人財の育成と共に、個人の主体性・創造性を引き出す企業風土や制度の充実に努めています。「障がい者雇用」では、障がいのある社員が生産工程の一部を担えるよう、江崎グリコの本社敷地内にスマイルファクトリーという新しい職場を作りました。

また、一定の条件のもと再就職を可能にするカムバック制度を設け、結婚、出産や育児といったライフベントで退職した社員が復帰できる仕組みも整備しています。

企業価値向上のためにも、女性活躍推進は重要な課題です。女性従業員のキャリア開発研修、上司を対象としたダイバーシティマネジメント研修など、さまざまな施策を行っています。その結果、女性役員・女性管理職数は増加しています。

栄養菓子「グリコ」を発売した当初から、子どものココロとカラダの健やかな成長に寄与するため、子育て支援に力を入れています。子育ての環境は時代と共に変わりますが、子どものココロとカラダの健やかな成長のためには、いつの時代も育児を家族で一緒にする「育児の協同(Coparentingコペアレンティング)」が重要です。Glicoグループでは、社内外における子育て支援の取り組み「Co育てPROJECT」を2019年から始めています。

「Co育て」とは、「妊娠期から和気あいあいと(Communicationコミュニケーション)」「上手に協力しながら(Cooperationコオペレーション)」「いっしょに子どもを育てる(Coparenting)」の3つの「Co」を取った造語で、Glico グループが提唱する子育てのスタイルです。生まれる前から、​みんなで一緒に子育てに関わり、家族の幸福と子どもの健やかな成長を応援します。

「Co育てPROJECT」の取り組みの1つに、社内制度「Co育てMonth」があります。これはGlicoが独自に育児の有給休暇を1ヶ月付与するものです。この制度は社員一人ひとりが自らライフデザインをし、その実現のために生産性の高い働き方へと変革し、多様な人財が活躍できる組織風土を作りたいという狙いのもと、2020年に導入しました。

男性の育児を後押しする有給休暇制度「Co育てMonth」

制度導入以前は、男性社員の育児休暇取得率は4%でしたが、現在では育児休暇取得率が100%になりました。男性が育児休暇を取得することで、職場でも働き方や業務を見直す契機につながっています。こうした結果が評価され、「イクメン企業アワード2020」において理解促進賞を受賞しています。

2022年は創業100周年という節目の年に当たります。創業から受け継いできた「事業を通じて社会に貢献する」という志は変わりません。ココロもカラダも健康な社員が多様な個性を引き出し合い、「おいしさと健康」の実現に向けてイノベーティブなアイデアやチャレンジを生み出し、社会課題の解決に貢献します。

江崎グリコはこんな会社!

SDGsに取り組み4人の担当者に、お話をうかがいました

コーポレートコミュニケーション部
CSR推進グループ長
楠本さん

事業を通じて社会に貢献でき、自分の創意工夫を活かせる会社です。伝統的な企業文化を保ちながら、チャレンジ精神を持って新しい価値を生み出せる人たちとの仕事にやりがいを強く感じます。

神戸工場
ファクトリーイノベーション推進課
枝廣さん

グリコは日々変革をしている企業なので、日々新しいことに挑戦でき、飽きることがありません。また、Co育てMonthを筆頭とした諸制度によって、男女問わず子育て環境が整った企業だと思います。

グループ労務部
齋藤さん

社員一人ひとりの個性を活かす会社です。「ワーク」と「ライフ」を分けず、ライフにはワークも含まれているという考えから、柔軟な働き方を実現できる制度がたくさん導入されています。

コーポレートコミュニケーション部
Co育てPROJECTリーダー
宮崎さん

子どものココロとカラダの健やかな成長を支援し続けている企業であり、それを使命として従事している社員も多いと思います。ワーキングマザーも多く在籍し、子育てしながら働きやすい会社だと思います。

江崎グリコ株式会社
取材日:2021年10月5日
代表取締役社長:江崎勝久
会社創立:1922年2月11日
事業内容:菓子、冷菓、食品、牛乳・乳製品、食品原料の製造及び販売

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