【国際自動車】輸送の安全確保のため、社員の健康は必須

2020年に創業100年を迎えた国際自動車株式会社。業界に先駆けてドライバー職に大学新卒の採用を開始。業界で唯一、健康経営優良法人に4年連続で選出されるなど、「人財」を重視した取り組みで注目されています。

国際自動車の健康経営チームメンバー

代表取締役社長 西川洋志さん

お客様と1対1で向き合うことが多いドライバーは、精神的にも肉体的にも大変な仕事です。そこで私たちは、社員の健康管理体制の構築を最重要課題と位置づけました。安全でホスピタリティの高いサービスを提供し続けられるよう、あらゆる角度から社員の心と体の健康をサポートしています。

事業支援部 人事労務課 安原隆行さん

お客様に安全と快適さを提供し続けるために、ドライバーの健康管理は欠かせません。2015年から社長を中心として健康管理体制強化の取り組みを進めてきた結果、一人ひとりの健康意識が高まりました。メンタルケアへの取り組みを強化したことは、離職率の低下にもつながっていると感じています。

国際自動車はこんな会社!

国際自動車は、業界に先駆け、2010年から大卒のドライバー採用を行っています。そのため、業界平均より社員の平均年齢が低く、若手ドライバーも多く活躍しています。輸送時の安全確保には、何よりもまず、ドライバーの健康管理が重要。そこで、同社では早くからドライバーが健康で長く働ける職場環境を整えてきました。いち早くITも導入し、お客様の利便性向上を実現しています。同社が開発したアプリ「フルクル」は、事前の登録や迎車料金が不要で、スマホを振るだけで周辺500mにいる空車の同社タクシーに乗車の意思を伝えることができる世界初の画期的なサービスです。同社の知名度・ブランドイメージ向上にも大きく寄与しています。

大学新卒採用で本格化した健康経営

国際自動車株式会社は、2020年に創業100周年を迎えた、歴史と伝統のある会社です。タクシー・ハイヤー・バスをはじめ、自動車保険、自動車整備、自動車運行管理サービス、駐車場事業に至るまで、自動車運行に関わるあらゆるサービスを提供しています。

お客様のさまざまなニーズにお応えすべく、業界に先駆けて常に新たなサービス提供や取り組みに挑戦してきました。

同社は、2010年に本格的に大学新卒採用を始めました。ハイヤータクシー業界では、それまで定期的に新卒のドライバーを採用する企業はまったくなかったといいます。しかし、ドライバーの高齢化が進み、このままでは持続可能な経営が難しくなると判断した役員数名が、大学新卒者の採用を決断。関東圏の大学を訪問し、同社の理念や取り組みについて熱心に説明することで、大卒者の入社率を高めてきました。

西川社長は、健康経営は同社の存続に必要不可欠だと語ります。

「ドライバー一人ひとりがお客様に直接サービスを提供する当社では、社員は最も大切な“財産”です。その社員に長く働いてもらうには、社員の日頃の健康管理が欠かせません。お客様へ最高のサービスを提供し続けるためにも、社員とその家族の健康を守る健康経営への取り組みは、絶対に必要でした」

人材ではなく“人財”と称し、「社員第一主義」を掲げるのも、社員とその家族がイキイキと健康に幸せに過ごすことを何より重視しているからです。

もともと同社には、社員がお互いを思いやる社風がありました。

「新卒採用を始めた当初、親子ほど年齢の違う社員同士がうまくやっていけるのだろうかという不安もありました。しかし実際採用してみると、年配のベテランドライバーが、新卒の新人社員にホイールの洗い方を教えたり、悩みごとや困っていることの相談に乗ったりするなど、非常によいコミュニケーションがとれていました」(西川社長)

しかし、大学新卒者の採用が100人単位で増えてくると、現場任せでは間に合わなくなってきました。そこで、西川社長のリードにより、2015年に健康保持増進計画「km健康づくりマスタープラン」を策定。疾病などによる長期欠勤者の低減と、メンタル面も含めた健康に起因する事故をゼロにすることを目標に、それまでの受け身の「健康管理」から、自主的に健康への意識を高める「健康経営」へと進化・発展させていきました。

実務経験のない大学新卒者のメンタルサポートに力を入れているのも同社の特徴です。

西川社長とともに健康経営体制を構築した事業支援部人事労務課マネジャーの安原隆行さんは、「特に社員同士のつながりとメンタルケアに力を入れた」と話します。

「業務中はそれぞれ1人で仕事をするドライバーにとって、同期とのつながりを感じる機会が多くあることは、安心感や連帯感を得られます。そこで、球技などのスポーツイベントや宿泊研修などを行って社員同士の横の連携を深め、メンタル面での不安解消に努めてきました」(安原さん)。

また、会社を通さずに悩みが相談できる社外カウンセリング制度を導入したところ、新卒者よりもベテラン社員の方が自分や家族の健康について相談するケースが多かったといいます。「個人情報なので、具体的にどのような相談があったかは分からないのですが、確実に社員全体のメンタルケアに役立っていると感じています。今後もさらに社員が利用しやすい制度を確立していきたいと思います」(安原さん)。

ドライバーは会社を出ると1人ですべてをこなさなければならず、実務経験がない新卒ともなるとプレッシャーは大きい。そのため同社では特にメンタルケアに重点を置いている。

社員一人ひとりの健康意識を向上させる取り組み

国際自動車の健康経営は、社員一人ひとりに健康への自覚を持ってもらうことを目指し、健康保険組合が中心となって行っていた従来の取り組みをすべて見直すところからスタートしたといいます。

「まずは、社員の健康意識を高めるところから始めました。『安全衛生サポーター制度』は、社員自身による健康啓蒙活動のひとつです。若手社員を中心に任命し、社員の健康意識や知識向上、定期健康診断で再検査対象者への再受診フォローや、新入社員の相談相手など、社内の安全管理および衛生管理業務サポートをお願いしています。この制度ができたことで、社員の再検査対象者の受診率が向上しました。メンバーによるオリジナル体操なども考案され、少しずつですが、健康意識向上につながってきているとみています」(安原さん)。

産業医や看護師が常駐していた診療所を廃止したことも大きな特色です。以前は診療所があり、体調不良やトラブルのある人が訪れるという体制でしたが、自発的に診療所を訪れる健康意識の高い人はそれほど多くありませんでした。そこで、西川社長は思い切って診療所を撤廃。産業医や看護師らに定期的に事業所を巡回してもらい、専門家の目で気になる社員への声かけをしてもらうようにしたそうです。これにより、社員も気軽に自分や家族の健康について相談できる体制を整えたといいます。

こうした取り組みが認められ、同社は2018年から毎年、健康経営優良法人に認定されています。4年連続で認定されたのは、ハイヤータクシー業界では同社だけということもあり、近年は、国土交通省から健康経営の取り組みについての講演を依頼されるなど、社外からの注目も高まっています。

また、狭い車内で業務を行うという特性上、感染症や消臭対策にも力を入れています。

10年前から行っているインフルエンザの予防接種は、本人だけでなく家族も1人1000円の自己負担で実施しているとのことでした。

同社では女性ドライバーが増えてきたことで、独自の画期的な取り組みも始まりました。

「女性ドライバーの場合、特に気になるのがトイレ問題です。そこで、若手社員を中心に都内のトイレマップを作成し、新入社員に配布するようにしました」(西川社長)。

また、2人1組で1台の車を使うため、シートベルトやハンドルのニオイが気になるという現場の声にこたえ、独自の除菌・消臭剤「km Haccpper(ハセッパー水)」を製造。

社員の健康とお客様へのサービス向上になっただけでなく、新型コロナウイルス感染症対策としてもひと役買っています。

社員の健康向上で「お客様第一」を実現する

社員の健康意識を高め、実際の数値でも結果を出している同社の健康経営ですが、まだ課題はあるといいます。

「ひとつは、喫煙率の高さです。現在、すべてのタクシーは禁煙になっていますが、重い責任と緊張をほぐすために、休憩中の喫煙グセが抜けないドライバーが多いのは課題だと思っています」(西川社長)。

2019年に禁煙宣言を出した同社は、2025年までに喫煙率を現在の約40%から20%に低減させることを目指し、禁煙者に報酬を上乗せするインセンティブ制度を設けました。「喫煙は本人の健康に悪いだけでなく、管理が厳しい病院などへは喫煙車両の出入りができなくなるなど、業務上にも悪影響を与えます。ルールブックの作成や、オンライン型禁煙支援制度を活用して、喫煙率の低下に努めていきたいと思っています」(安原さん)。

また、妊娠中の女性社員の働きやすさ向上に向け、「プレママサポートプログラム」を実施しています。妊娠後、同職場、同条件での労働が困難であると本人が判断した場合に、一時的に適した内勤に配属される制度です。2019年5月の開始以降、このプログラムを利用する女性ドライバーが増えているそうです。

「今後は、産休、育休取得後に職場復帰する女性社員の健康管理促進も、さらに広げていく予定です」(安原さん)

社員を大事にしながら、時代と共にチャレンジを続けてきた国際自動車。社員が健康に働き続けることで、同社が掲げる「お客様第一」が実現できると考えています。 同社が見据えているのは、次の100年です。「原点に立ち返ることで、大きなイノベーションを起こしたい」と西川社長が語るように、さらなる取り組み強化で今後もハイヤー・タクシー・バス業界の健康経営に飛躍的な効果をもたらすことが期待されています。

「コロナ禍で、対面で行われるイベントや研修の機会がなくなり、社員同士のコミュニケーションが減ってしまったことも課題のひとつ。これから徐々に取り戻していきたい」と語る二人。
設立:1920年
事業内容:タクシー事業、ハイヤー事業、貸切バス事業、
路線バス事業、シャトルバス事業、保険事業、駐車場事業、
整備事業、自動車管理請負事業、自動車用品製造販売事業
グループ営業車両数:4790台(タクシー:4305台(業務提携会社を含む)、ハイヤー:440台、バス:45台)※2021年3月31日現在
社員数:6639名(2021年3月現在)※グループ総計

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