『都築電気』「つなぐ」社員と会社の未来。健康経営で明るい社風を築く。

都築電気はお客様の経営課題を情報通信技術で解決する企業です。DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応をはじめ、企業が社会の変化に対応し、ビジネスを推進するのに欠かせないICTサービスを多様なお客様に提供しています。今回は、健康経営を通じて従業員の働き方と健康増進への意識を大幅に改善していった道のりについて、副社長の吉井さんと奥野さんにお話を伺いました。

代表取締役副社長
健康経営委員会 副委員長
吉井 一典

コーポレート企画統括部
広報室
健康経営委員会 事務局
奥野 洋子


ICT企業としてお客様を「つないで」きた90年

吉井さん:当社は港区新橋に本社を置き、お客様の企業価値向上をICTでサポートする企業として発展してきました。1932年に創業した当社は、2022年で90周年を迎えます。近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)に代表されるデジタル革新の波を新たな成長のチャンスとして捉え、AIやIoTなどのサービスを通してお客様のビジネスを支援し、共に歩む「イノベーション・サービス・プロバイダー」を目指しています。

当社は昔から運動会や社員旅行を頻繁に開催するなど、社員間はもちろん、経営と社員との距離が近い企業でした。社員第一の姿勢がいきわたっており、会社を成長させるためには人への投資が欠かせないと、採用にも力を入れてきました。

2016年には経営理念の改革に着手し、現在掲げるビジョン・ミッション・バリューを若手社員中心に策定しました。さらに「健康経営」を取り入れることで、社内環境を大きく改善。現在、従業員数はグループ全体で2,400名にも上り、ホワイト500に4年連続で認定されています。

*ホワイト500:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」にて「優良な健康経営を実践している」と認定された大企業のうち上位500法人のことを指します。

健康経営は本社と支店の二人三脚

吉井さん:経営理念の変革に際し最も重要視したのは、やはり人です。「社員にとって良いことかどうか」を大切にして、「社員自らがやりたいこと、挑戦したいことを会社はサポートし、投資を惜しまない」との方針を掲げました。

しかし、言葉だけでは社風は変わりません。何とかこれを浸透させる手はないかと模索していたところ「健康経営」という言葉に行き着きました。「健康経営は、人を一番重要な資源として考えた将来に向けた投資である」という点も、人を大事にする当社に通じるものがあると感じました。

さっそく健康経営を浸透させようと、2016年の社員総会で「健康経営の実践スタート」を宣言しました。多様な働き方の一環としてテレワーク制度を導入し、テレワーク勤務規程とテレワークセキュリティ規程を制定しました。ルールを作るだけではなく、社員の皆さんにしっかりと利用してもらえる状態を目指して、健康経営推進ワーキンググループを発足して普及に向けたワイガヤ(話し合い)の場を設ける等、地道な活動を展開しました。

転機となったのは、2017年4月、現社長が就任するタイミングでした。就任あいさつでは、健康経営について「働き方と健康増進施策の両輪で推進する」ことを宣言しました。また、経済産業省から講師を招き、社員総会(全社イベント)にて講演を開催しました。健康経営やホワイト500に関する講演により、社員みんなで健康状態や労働環境への意識を高めていきました。

熱が入ったこのタイミングを逃してはいけないと「健康経営の実践」を中期経営計画の三本柱の一つに据え、トップダウンで強力に推進する方針を打ち立てました。健康経営統括室を設立し、社長自らが室長に就任。月に1本以上の施策を展開するようにもなりました。そして、せっかくなら社外評価をいただけるような活動を展開しよう、ということで「ホワイト500」認定を意識した動きを開始しました。

『健康経営統括室発足時の社長含めたメンバー 手に持っているのは、健康の秘訣』

奥野さん:活動する中で大切にしたのは、「現場のリアル」に寄り添うことです。執務環境、地域資源、課題や背景は事業所ごとに異なります。全国の各支店メンバーとワークショップを通じて、各地の事情・課題を見える化し、それらを解決するための施策とともに各事業所独自の「健康経営宣言」を作りました。

目標としては、健康診断の受診率100%達成と、総実労働時間5%削減を掲げました。目標の達成と課題解決に向け、全社的取組みと支店オリジナルな取り組みの両輪で進めました。支店によってはランチタイムに会議室に集まってラジオ体操をしたり、東京パラリンピック種目でもあるボッチャ大会に参加したりと、個性豊かな取り組みが展開されました。若手からベテランまで多くの社員の意見を反映させながら、地域資源と課題解決を見事にマッチさせた施策が次々と生まれました。

データに基づく効果的な健康投資”TSUZUKIスマートライフチャレンジ”イベントを利用し社内のコミュニケーションを図る

奥野さん:地域ごとの特色を生かした施策とともに、全社施策も充実させました。労働生産性低下につながる健康課題を特定し、対策を講じた事例をご紹介します。

当社では毎年、健康経営推進調査というアンケートを実施しています。回答率96%超のアンケートを分析した結果、当社の二大健康リスクは、「睡眠不足リスク」と「多量飲酒リスク」であることが分かりました。睡眠不足に陥っている人、及び、高頻度・多量に飲酒している人(リスク者)は、そうでない人(非リスク者)と比較して、労働生産性が低下していました。

そこで、TSUZUKIスマートライフチャレンジ(略称SLC)と称し、当社独自の生活習慣改善の取り組みを開始しました。SLCとは、将来の血糖・血圧要治療者の発生予防、および、労働生産性の低下予防に向けた対策です。従業員の健康課題を踏まえて、研修設計のプロや保健師などの専門職と連携して企画設計しています。

SLCの一環として、睡眠不足リスクと多量飲酒リスク該当者の減少に向け、Eラーニング教材を作成し、役員・従業員のうち90%以上の受講率を目標にして展開した結果、それぞれ95%以上の受講を達成しました。ほかにも、健康目標設定カードの配布や、ご家族と共に読んでいただくダイレクトメッセージを自宅へ送付する等、様々な取組みを企画・実行しました。

3年に渡る持続的な取り組みとともに、コロナ禍の影響により新しい生活様式が浸透したことも相まって、睡眠・飲酒習慣のどちらにも改善が見られています。一方、運動不足や身体活動量の低下など、新しい健康課題も顕在化しています。感染症対策や密を避けながらの取り組みは制約が多く、実現が難しい部分もありますが、新しい課題解決に向けて日々活動を推進しています。

吉井さん:このように、健康状態、生活習慣をはじめ、労働生産性やワークエンゲージメントなど、従業員の「健康と働き方の状態」を客観的に示す各種指標をしっかりとモニタリングすることを通じ、数字に裏付けされた効果の高い施策を展開しています。 その結果、健康経営を本格的に展開した2017年以来、「ホワイト500」認定を継続的受けることができています。また、入社を希望する方々から健康経営の取り組み、働き方に対する考え方に共感いただける機会も増えました。大変嬉しく思っています。

奥野さん:当社で女性総合職の採用を始めたのは12年ほど前で、採用面や働く環境整備において至らないところがあるのは確かです。しかし、若手からベテラン層まで足並みを揃え、より良いはたらく環境・文化を作っていこうという土壌はできているので、心配はしていません。

「健康」という視点は、世代や性別を超えて全員が当事者意識を持てるものなのでしょう。健康経営によって、会社全体が一つのキーワードを胸に行動できることは、強みだと思います。

今後も、外部環境の変化を踏まえつつ、その時々の社員とご家族の「心身ともに健康」に向けた取組みを続けていきます。

『都築電気が迎えた推進活動3つの転機』

健康経営を事業戦略に活かす

奥野さん:当社の健康経営は、単なる職場環境の整備や健康の保持・増進に留まらないと考えています。健康経営を実践する中で培った考え方や課題解決策は、本業であるICT領域に関係が深いケースが少なくないためです。

例えば、モバイルPCなどを活用し、いつでもどこでも働くことができる勤務形態であるテレワークについて。会社が支給するPCが重くて大きく、持ち運びにくいと「会社から自宅にPCを持ち帰ること」そのものがハードルになって、テレワークが活用しにくくなってしまいます。

そこで当社では、テレワークの普及推進にあたり、全社員に薄く軽いPCが行き渡るよう2,000台以上を配布しました。また2020年からのコロナ禍においては、簡単に健康管理できるツールとして、専門家監修のストレッチ動画と視聴履歴を記録できる「スマートライフチャレンジ・システム」をリリースしました。

他にもスクワットの回数を競う「スクワットチャレンジ(スクチャレ)」や、栄養状態をチェックできる「色々食べポチェック」など、在宅でも楽しく健康で働き続けていただけるよう、オンラインでできる心身のセルフケア環境を整備しました。

『スマートライフチャレンジ・システム』

奥野さん:家にこもりっぱなしで在宅勤務を続けると、どうしても運動不足になったり、コミュニケーションが不足して気が滅入ったりする可能性が高まります。そこで、「昨日は目標の歩数を歩きましたか?」や「何回笑いましたか?」などの簡単なセルフチェックを毎日できるシステムを構築し、良い生活習慣を意識して活動できるよう従業員に働きかけました。中でもスクチャレは大変好評で、なんと1位の方は既に6万回もスクワットされています。

こちらのシステム群(ウェルネスチェックサービス)は、健康経営委員会と当社DX推進部門とが連携して開発しており、事業と健康経営が融合した事例だと考えています。

当社ではコロナウイルス感染症が蔓延を始めた当初より、「従業員と家族、地域社会の人々の命を守る」ため、出社率を抑え原則在宅勤務を推奨しています。

制約ある環境下において、勤務形態や勤務場所が多様化しても、求められる仕事の質・量に違いはありません。一方、身体や心の状態が健やかでなければ、創意工夫や自己実現にチャレンジし続けることは難しいのではないでしょうか。

健康経営の役割は、挑戦を支える土台である「健康づくり」を支えることにあります。そのためには、運動、食事、肩こりや腰痛予防など、個人が意識する・しないに関わらず、健康や働き方にとって良い行動を選択し、習慣として継続できる状態をつくること、つまり、当社に勤務するだけで「無理・無駄のない持続可能な行動変容」が実現できる状況を作ることが重要です。

中期経営計画Innovation2023では、「お客様のDX対応や競争力強化を実現するイノベーション・サービス・プロバイダーを目指す」と定めています。はじめは小さな一歩だとしても、社員自らがDXを着想・体感し、更なる挑戦に繋げて貰えればと思います。

理念と経営ですべてつないでいく

吉井さん:当社は、時代の変化に応じてブラッシュアップを重ねながらも、創業より変わらない価値観を備えています。それは、現在の経営理念の中にもある「つなぐ」という言葉です。健康経営を推進する上でも、最も大切な価値観は「つながり」だと考えています。

また大胆な革新的施策を進める一方で、伝統や積み重ねてきたものを丁寧に未来につなげることも、忘れてはいけないと思います。この想いは、副社長である私や他の経営陣だけでなく、若い世代にまで受け継がれています。実は当社のサステナビリティやSDGsを担当するにあたり、奥野さんが「創業者のお墓参りに行きたい」と言ってくれました。理由は、これまで脈々とつながってきた会社の歴史の原点を知りたいとのことでした。

奥野さん:WHO憲章では、「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と定義されています。

社会的な健康には、一人ひとりがコミュニティの一員であり、それぞれが所属する環境に貢献しているという実感が必要です。

社会的健康の維持・向上には、コミュニケーションが特に重要です。コロナ禍において、社内コミュニケーションの希薄化に悩みを持つ従業員も少なくありません。制約ある状況下こそ、会社から「積極的な対話の場づくり」を提案する取り組みをはじめています。

取組みの一例が『経営層と話してみよう座談会』です。これは健康経営委員会の委員長である江森社長のアイデアです。まずは経営層から率先して「なんでも話し合える機会や時間」をつくっていけないだろうか、コミュニケーションに投資するチームを増やせないだろうか、という想いから、オンラインだからこそ実現できる「座談会」を公募しました。募集してくる従業員がいるか、スタート前は心配していましたが、結果的に1か月間で52人もの応募がありました。参加者は、対話を通じ、変化の糸口やヒントをそれぞれ見つける良い機会になったようです。

『経営層と話そうオンライン座談会の様子』

奥野さん:また、2021年度は本社オフィスを全面リニューアルし、ディーセント・ワークを推進しています。ディーセント・ワークとは、働きがいある人間らしい仕事を指します。テレワークとオフィスワークの両方を自律性に使い分け、生産性の高い働き方を実現するには、会社の投資だけでなく、個々人が「選択する意思」を持つことも重要です。

吉井さん:どんな世の中に変化しようと、「つなぐ」という価値観は変わることはありません。新しい価値の創造に向け、日々挑戦する従業員を支えられるよう、地道にコミュニケーションをとり、全員が健康で生き生き働ける環境づくりを心掛けていきたいと思います。

会社名:都築電気株式会社
事業内容:ネットワークシステムおよび情報システムの設計、開発、施工、保守/デバイス、情報機器の販売ならびに受託設計開発
本社所在地:東京都港区新橋6-19-15 東京都美術倶楽部ビル
従業員:1,360名(2021 年 10月) 

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