【富士薬品】「とどけ、元気。つづけ、元気。」のスローガンのもと、従業員もお客様も健康に

複合型医薬品企業として、たくさんの人の元気を支える富士薬品。従業員の健康維持・増進にも配慮しており、多岐にわたる施策を打ち出しています。今回は、同社で健康経営を担う人事部ダイバーシティ推進課の坪田舞さん、鎌田梨菜さんにお話を伺いました。

「健康に関わる会社だからこそ、従業員の健康には気をつかっています」

1930年、富山県で創業した富士薬品。現在は、配置薬販売、ドラッグストア・調剤薬局、医療用医薬品販売、医薬品研究開発、医薬品製造の5つの事業を柱に、複合型医薬品企業として社会に貢献しています。

「当社の特徴は、医薬品の製造からお客様のもとへお届けするまでを一気通貫で行っているところです」

そう語るのは、人事部ダイバーシティ推進課の坪田舞さん。2030年に迎える創業100周年を前に「とどけ、元気。つづけ、元気。」というスローガンが策定され、あらゆる人の暮らしに寄り添うべく努力を続けています。このスローガンは健康経営にも大きく関わってきます。

「お客様に元気を届けるというミッションは、富士薬品で働く人たちこそ心身ともに元気でないと実現できません。スローガンを体現するためにも健康経営を推進し、従業員をサポートしていきたいと考えています」(坪田さん)

健康経営への取り組みを、社内にも社外にも積極的に発信

「ダイバーシティ推進課の使命として健康経営の大切さを伝えたい」

富士薬品では、健康経営の具体的な取り組みを広く周知すべく、社内外問わずさまざまな発信を行っています。

社外への発信としては、自社ホームページに「健康経営宣言」を掲載するほか、2021年8月からはソーシャルメディア「note」の活用もスタート。取材を受ける機会もあり、これまでにテレビ埼玉などのニュース番組で健康経営にまつわる取り組みが紹介されました。また、2020年、2021年と2年連続で「埼玉県健康経営実践事業所」に認定されており、県内のハローワークなどには各社の取り組みをまとめた事例集が設置されています。一方、社内での周知は、おもに「健康経営推進プロジェクト」が担っています。

「健康経営推進プロジェクトは職種の垣根を超えたチームで、事業部を横断する現場視点のコラボレーション施策を打ち出し、社内における健康経営の周知・浸透を実践しています。その理由は、健康経営について『人事が何かやっているね』というレベルではなく、自分たちが参加している実感を持っていただきたいからです」(坪田さん)

コラボレーションの例としては、医療品事業本部と連携して行う尿酸値改善キャンペーンや、マーケティング統括部・配置事業本部と協力して実施するプライベートブランド商品の効能とリンクさせた健康テーマの研修といったものがあります。

このほか、月1回発行の社内報でも健康経営関連の情報を掲載。直近の集計によると、社内における健康経営の認知度は85%を記録しており、多くの従業員が健康経営に興味を持つようになりました。

「最近では、営業部のメンバーから『取引先から健康経営関連の話をされたが、どういうふうに返したらいいか』と相談されるケースがあります。健康経営の認知度向上によって、従業員も自信をもってお取引先とお話ができるので良い循環だと感じます」(坪田さん)

健康経営のトップランナーとして、従業員のみならず地域の健康へも貢献

富士薬品の健康経営への取り組みは非常に積極的で、外部にも広く知られるようになりました。しかし、ご本人たちは現状に満足せず、さらなる前進を目指しています。

「少しずつ結果が出ているのはありがたいことですが、トップランナーとしての認知はまだ不足しているように感じています。社内外に向けた発信をさらに強化していきたいと思っていますが、割ける人員はさほど多くないため、外部の方のお力を借りてアピールするという手法も採用しています」(坪田さん)

その一環であるのが、本社所在地である埼玉県との連携です。埼玉県は、地域の方々に歩数計を有料で貸し出し、協賛店などに設置されているタブレット端末にかざすことで歩数を集計・記録する「埼玉県コバトン健康マイレージ」サービスを提供しています。富士薬品が展開する「ドラッグセイムス」にもタブレットを設置しており、利用者の健康維持のサポートに一役買っています。

「現在はアプリ版もリリースされていますが、高齢者の方々を中心に『歩数計の方が使い勝手が良い』という声も根強くあり、今後もタブレットの設置は継続していく予定です」(坪田さん)

自治体と連携し、地域の方々のニーズを満たす形で健康経営を推進する――。この取り組みは、富士薬品ならではといえるでしょう。

ドラッグセイムスに設定されたタブレット。歩数計をかざすとデータが送信できる

2021年は「健康経営優良法人」を取得。富士薬品の健康経営への取り組み

イベントを利用し社内のコミュニケーションを図る

社員のコミュニケーション促進と健康増進を目的とするイベントとしては、「コバトンマイレージウォーキングイベント」があります。このイベントは、先述した「埼玉県コバトン健康マイレージ」のアプリ版を利用して歩数を競うというもの。

第一弾は2021年9月1日から30日までの期間に開催され、全社員数の約10%にあたる540名が参加しました。健康課題意識を共有する富士薬品ユニオンも共同しての企画開催となり、広報面でも協力を得て参加数を確保。働き方によって就業時間中の歩数に大きな差があるため、不公平感が出ないようにグループを分けてランクをつけるルールを設けたのもポイントです。

「期間中は毎日社内イントラの掲示板にみなさんの歩数をアップしたのですが、少し遅くなると『昨日の歩数の発表はまだ?』という声が多く届くほど反響がありました。当社は勤務地が日本全国津々浦々ですが、離れていても同じ会社のイベントで一体となって盛り上がることができました」

そう語るのは、坪田さんと同じ人事部ダイバーシティ推進課に所属する鎌田梨菜さん。坪田さんも大きく頷き、「登録名をニックネームにしたことで、『あなたのニックネームは何?今何位?』と声をかける形で参加者同士のコミュニケーションも深まったようです」と、話してくれました。

埼玉県コバトン健康マイレージのアプリトップ画面。離れた職場にいる従業員たちの交流のきっかけとなっている

もう一つ注目したいのが、産業医および保健師の先生が監修する配信型の健康セミナーです。例えば、女性の健康に関するテーマのセミナーでは、管理職向け、女性向け、一般従業員向けという3つのコンテンツを配信。健康面におけるジェンダー差(ジェンダーギャップ)への理解を深める内容となっています。

「管理職向けであれば女性ホルモンの周期や働き方について解説し、女性向けのものはPMSなどを含めたセルフケアに関する情報を取り入れています。すべてのコンテンツに共通するのは、女性がより働きやすい仕組みづくりをするためのカリキュラムとなっていることです」(坪田さん)

オンラインでの健康セミナー受講の様子。2021年から始まったセミナーは、今後も続けていく予定

最近では、女性活躍推進の取り組みが高く評価され、「えるぼし」の三ツ星を獲得。女性への理解を深める取り組みの一環としては、男性の育休取得にも注力しており、2021年度はすでに26名の男性が取得しました。健康経営の推進は、福利厚生の充実にもつながるようです。

喫煙対策は一日一日積み重ねながら結果を見ていく

喫煙対策も大きな課題です。2019年に集計したデータによると、富士薬品の喫煙率は34.5%。「ホワイト500」を取得している企業の平均を約10%上回っていました。そこで2021年より対策に本腰を入れることとなります。

「5月の世界禁煙デーには、社内でも禁煙を打ち出しましたが、一日だけでは行動変容につながりにくいと感じました。そこで9月から、毎月22日を禁煙デーとして定めました。社内のマネジメント層もしっかり落とし込み実行していこうという気持ちが強いので、今後の喫煙率の変化に期待が持てると思います」(坪田さん)

産業医・保健師と協力し、従業員のメンタルケアに注力

従業員の健康を維持していくためには、産業医および保健師の協力が欠かせません。富士薬品の抱える全社的な健康課題を共有し、専門的な知見に基づくアドバイスを受けています。具体的な施策の1つとして、月2回のペースで東京本部に招き、おもに休職・復職者を対象に、オンラインを含めた面談を行っています。

「ボリュームとして大きくお任せしているのは、メンタルのケアです。休職・復職者をはじめ、長時間労働が発生した場合や、予防が必要と判断された方への面談をしてもらっています」(坪田さん)

「とくに復職者の場合は、すぐにフルタイムで働くことは難しく、再び休職されるケースもあります。その対策として、当社は軽減勤務方式を最大6ヵ月採用しており、産業医の先生のサポートを受けつつ、徐々に元の仕事に戻れるような仕組みを整えています」(鎌田さん)

このほかにも、健康診断の結果を受けた二次検診対象者の決定、従業員のストレスチェックや意識調査にも、産業医と保健師の協力が必須となっています。

全従業員に「自分事」として取り組んでもらいたい

富士薬品は、事業が多角化している企業ゆえ職種も多く働き方が多様化しており、従業員一人ひとりにマッチする健康施策を実行するのが容易ではありません。そんな中で、創意工夫に富んだ施策で現状を打破してきましたが、今後はどのようなビジョンを見据えているのでしょうか。

「一番大切なのは、富士薬品で働くみなさんに健康経営に取り組んでいる実感を持っていただくことです。その結果として『ホワイト500』のような社会的評価をいただければ、これほどうれしいことはありません。あとは、私たちもまだまだ勉強不足なので、いろいろな形で人を巻き込み、協力してくれる方を増やしていきたいです。ITのさらなる活用も必要ですね」(坪田さん)

「とどけ、元気。つづけ、元気。」というスローガンを意識しつつ、目標達成に向かって邁進する富士薬品。健康経営に取り組むトップランナーとして、さらなる期待が寄せられます。

株式会社富士薬品
 創業:1930年2月
事業内容:医薬品等の配置薬販売事業、薬局販売等、製造
グループ売上高:3899億9963万円(2021 年 3 月期) 
従業員:5006名(2021 年 3 月末現在) 
本社:埼玉県さいたま市大宮区桜木町4丁目383番地
東京本部:東京都千代田区神田錦町2丁目2番地1KANDASQUARE9F
電話番号:048-644-3240
URL:http://www.fujiyakuhin.co.jp

関連記事

  1. 【株式会社楽】横浜市港南区でデイサービス・訪問介護・ 訪問入浴「ホット介護サービス」運営

  2. 【ENEOS株式会社】「安全・環境・健康」を大切にしたい価値観に掲げ、健康経営を推進

  3. 【株式会社富士住建】埼玉県を中心に首都圏に数多くの注文住宅を提供する住宅のプロフェッショナル集団

  4. 【株式会社エムティーアイ】エムティーアイが進めるIC×健康経営の最前線

  5. 【株式会社カインズ】日常生活の豊かさを提案する製造小売業のチェーンストア

  6. 【株式会社タウ】国内外で損害車の仕入・物流・販売ネットワークを構築し、業界トップシェア