【株式会社チヨダ】お客様との関係性から生まれる地域密着でのSDGs貢献

全国約1000店舗すべてが、画一的ではない。お客様とのふれあいの中から求められる靴を作り、地域密着のサービスを提供する。SDGsはもとより社会貢献にも積極的な企業だが、近頃CSR部署を廃止してしまったという。その理由は―!?

大型チェーンでも地域密着、一人一人のお客様に寄り添う

私たちは北海道から沖縄まで、全国で約1000店舗を展開する靴専門店です。子供靴から紳士靴・婦人靴やスニーカーまで、フルラインナップで揃えている「東京靴流通センター」や「SHOE・PLAZA」をはじめ、ターゲットを絞った「CHIYODAHAKI‐GOGOCHI(チヨダはきごこち)」「SPC」「クローバーリーフ」などのショップを展開しています。

また、取扱商品としては有名ブランドの靴だけでなく、プライベートブランド(以下PBとする)として高機能なビジネス靴「ハイドロテック」、健康志向の「バイオフィッター」、働く女性のためのパンプス「fuwakaru」などを揃えています。

チェーン店の場合、どの店舗でも同じ商品やサービスを提供する画一的なイメージがあるかもしれませんが、私たちは地域に根差した品揃えを心がけています。どんな商品を仕入れ、どう陳列し、どのようにお勧めするかは店舗や売場担当者の意見も多く採用されます。

日々売場でお客様と接していると、靴に関するさまざまな要望がうかがえます。「学校の上履きはソールまで白でないといけない」「雨の日にも履ける蒸れないビジネスシューズはないか」「サイズがぴったり合う靴はどれも幅がきつい」「デザインと履き心地を両立したパンプスが欲しい」等々。このような店舗で聞かれる生の声は、仕入れだけでなく、PB商品の開発にも生かされています。

最近では、ハイキングのためにバイオフィッターのスニーカーが、「とても歩きやすかった」と山歩きの写真をお客様に見せていただきました。ある大学で「就活に役立ったアイテム」を募ったところ、fuwakaruのパンプスを推してくれた学生さんがいると連絡をいただいたりもしました。こうした一人ひとりのお客様とのふれあいが、私たちの強みであり、喜びでもあるのです。

東日本大震災の経験で学んだ、社会貢献のあるべき姿

当社は以前から企業価値向上を目的として、環境に配慮した取り組みを行ってきました。寄付などの取り組みは、業績好調な年には前向きにできるものの、厳しい年には「利益を削ってまでやるものか」という声も出ていました。

そうした中、東日本大震災がありました。当社は被災地にも多数の店舗があり、社員やスタッフ、そしてお客様を抱えていたため、人ごとではありません。周辺地域の店舗から靴を集め、避難された被災者の方々に履きものを差し上げ、復興に向けてボランティアに参加される方々には長靴を提供しました。

ここに至って当社は〝企業の社会貢献とは業績に関わらず、恒常的にやるべきもの〞だと気づいたのです。

2015年に「持続可能な開発目標」が国連で採択されて以降は、会社の社会貢献をSDGsに沿った形で考えるようになりました。2017年にはCSR室を新設し災害支援を続けながら、文化事業として「全国高等学校ダンス部選手権」に協賛したり、特定非営利活動法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(i)の活動支援を通じてインドの子ども達に寄付を行いました。

それぞれの活動は店頭での販売企画と連動し、「お買い上げの一部が寄付されます」というように、お客様と一緒に社会貢献ができるような形になっています。


i「誰一人取り残されない世界」を子どもたちとつくるために活動する国際団体

チヨダでは「靴の下取りキャンペーン」により、累計で1817万足もの靴を回収している

サステナブルな取り組みを、私たちの足元から

弊社は地球環境の問題に特に力を入れ、さまざまな取り組みを行っています。例えば「靴の下取り企画」では、家庭で不要になった靴をお持ちいただくと、割引券をお渡ししています。

スタート当初は新しい靴を買っていただく販促キャンペーンでしたが、回収した靴の処理方法を検討する中でサーマルリサイクル(熱エネルギーに転換して電力を作る)ができることに気づき、現在は関東地区から実施しています。

PB商品では、回収ペットボトルを使用したサンダルやスニーカーを作ったり、植物由来のタンニンを使用したエコレザーや再生ゴム100%のソールを使用したスニーカーなどの商品開発を進めています。

これらの取り組みはSDGsが掲げる課題の「つくる責任つかう責任」に関連します。今後はこの方向性をさらに進めて、お客様に「環境に配慮した商品だから」という理由で靴を選んでいただけることを目指しています。

店舗では2020年から、お買物袋の有料化に踏み切りました。当初は環境に配慮した紙袋に切り替えましたが、雪国を中心に濡れても破けない袋の需要が根強く、現在はバイオマス25%配合のポリエチレン袋も用意しました。

有料化に際しては、お客様がお困りになるのではとの懸念もあり、1年近く社内で議論が続きました。その過程の中でマイバッグの普及が進んだこともあり、買い物袋だけで年間272トンのプラスチック削減につながっています。

お客様のご理解とご協力によって、SDGsの「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」の課題に対する取り組みが進みました。こうした中で、当社はCSR室を廃止して、代わりに「サステナブル推進委員会」を立ち上げました。

この委員会は本社の各部署から1名ずつ選出されたメンバーによって構成されています。これには特定の部署が主導するのではなく、全社・全部署の取り組みとして事業活動に沿った形で行っていきたいという狙いがあります。

SDGsが目指す「持続可能な開発目標」のゴールは2030年――チヨダは地域密着の理念の下、全国の店舗やそこで働くスタッフ全員が当事者意識を持ち、環境に配慮した取り組みを発信していきます。


現場で活躍する社員入社5年で感じたチヨダの魅力

SNS戦略グループ 飯島 彩(2015年4月入社)

学生時代はお客様と接する楽しさを求めてアパレル・小売業に絞って就職活動をしました。多くの企業を検討しましたが、幅広い経験を積みながら産休・育休を経て職場復帰した女性社員のお話を聞いたこと、福利厚生が充実していること、休日がしっかり取れることからチヨダに入社を決めました。

最初は「シュープラザ吉祥寺本店」に配属され、裏方の仕事も覚えながら、徐々に婦人靴や子供靴の担当を任せてもらえるようになりました。お客様の声を元に販売予測を立て、季節・天候・売れ行きに応じて商品の仕入れや補充をして、陳列を考えるのはとてもやりがいがありました。

入社4年目には全国販促室に異動。若年層にアプローチするためにSNS戦略グループが発足され、現在ユーチューバーとのタイアップを企画するなど日々奮闘しています。

また「全国高等学校ダンス部選手権」の支援では、チヨダ賞受賞の学校に生徒の皆さんがデザインしたオリジナルの靴をプレゼントしています。学生たちにとってもチヨダは地元の馴染みの靴屋さんという認識が多く、うれしく感じます。

入社して5年半で強く感じることは、チヨダで働く人たちの人間的な魅力です。北海道から沖縄まで各地に店舗があり、さまざまな人がいます。お店の人間関係、エリアのコミュニティ、他部署や他地域の方ともフランクに話ができます。

働く環境は〝人〞でつくられるものだと思うので、魅力的な人達が集まるチヨダで、これからも色々な経験をしていきたいです。

株式会社チヨダ
取材日:2021年1月26日
創業:1936年5月
事業内容:紳士靴、婦人靴、子供靴、スニーカー等の販売
資本金:68億9321万円
売上高:連結/1135億3095万円(2020年2月期)
従業員:連結/1774名(2020年2月現在)
本社住所:〒167-8505東京都杉並区荻窪4丁目30番16号
電話番号:03-5335-4131
URL:https://www.chiyodagrp.co.jp/

関連記事

  1. 【株式会社ゼロエミッション】「捨てない」という選択で持続可能な社会を実現する

  2. 【グリコピアCHIBA】特別企画・アイス工場見学記

  3. 【江崎グリコ株式会社】「おいしさと健康」で豊かな食文化といきいきとした生活づくりに貢献する

  4. 【株式会社TBSホールディングス】テレビの力でSDGsを広く世の中に伝える

  5. 【株式会社ハピネット】エンタテインメント事業を通じて、夢のある明日づくりに貢献する

  6. 【TOTOバスクリエイト】世界の「TOTOの浴室はすべて千葉で開発・設計されている