【南総通運株式会社】最新技術の導入にも積極的な物流業界のフロントランナー

  • 設立   昭和17年11月
  • 事業内容 物流(運送・倉庫)、流通加工、建設、不動産、警備、タクシー事業ほか
  • 資本金  5億3850万円
  • 従業員  540名(平成30年3月末現在)
  • 本社住所 千葉県東金市東金582番地
  • 本店   千葉県長生郡長生村金田2695
  • 電話番号 0475-54-3581
  • URL   https://www.nanso.co.jp/

創業75年の歴史ある運送会社。首都圏に近い地理的優位と先進的な物流システムの導入で、運送会社として県内トップシェアの実績を誇る。事業の多角化にも積極的で日本一売れているあの緑茶飲料をボトル詰めしているのも、あの高級輸入車を保管して全国のディーラーに届けているのも、南総通運の仕事。モノを運ぶだけにとどまらないロジスティック企業のこれまでとこれからを、代表取締役の今井利彦社長に聞いた。

これからのロジスティクスはモノを運ぶだけにとどまらない

当社の創業は昭和17年、地域の運送業者11社が統合して誕生しました。
創業した当時の輸送網の柱は鉄道でした。この地域で採れた農作物を集荷して東金駅まで運び、貨物列車に積み込んで首都圏へ送り出すのが主たる事業であったそうです。今も、JR東金駅に隣接する本社敷地には引込線(貨物専用線路)跡地がありますが、これはその当時の名残です。

圏央道完全開通・成田空港拡張は大きな追い風

昭和初期の東金町が描かれた鳥瞰図。

現在、輸送網は完全にトラックが主力になっています。鉄道貨物輸送のシェアは5%程度しかありません。そして、貨物の最大の消費地は言うまでもなく首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城)です。
そのような観点から見てみますと、当社の事業拠点は絶好のロケーションにあります。
千葉県北部~西部には工業団地が点在し、大企業の生産拠点が集まっています。国内最大の航空貨物拠点の成田空港があり、取扱貨物量国内2位の千葉港と同11位の木更津港があります。
主要道路は京葉道路が東京に直結し、東北自動車道で埼玉、東関東自動車道で茨城とつながっています。平成25年には圏央道の東金JCT〜木更津東ICが開通しましたが、これによって東京アクアラインを経由して神奈川県までダイレクトに届けられるようになりました。
さらに6年後(2024年)には、圏央道の未完成部分(大栄JCT〜松尾横芝IC)が完成し、首都圏をぐるりと包囲する大動脈が完成。2028年に成田空港のB滑走路が3500メートルに延伸され、もう一つ新たなC滑走路が作られることに決まりました。これによって発着枠は現在の30万回→46万回に増え、航空貨物も拡大します。
先に完成する圏央道は成田空港のすぐ近くを通っていますので、相乗効果によるインパクトは非常に大きいものがあります。千葉を拠点とするロジスティクス企業として、このビジネスチャンスは確実にモノにしていきたいと思っています。

輸送を中心に広がるさまざまな事業

今井利彦代表取締役社長

運送会社はモノを運ぶだけと思われがちですが、実はそうではありません。取引企業のニーズを取り込んで、さまざまな事業を展開してきました。
例えば、昔は完成した製品をその都度集荷に行って運んでいたのですが、需要の発生したところに迅速に届けるには、こちらで製品を預かってすぐに出荷できる体制を整えておく方が効率的です。そこで各地に巨大な「倉庫」を作り、在庫管理を請け負いました。
現在は東金エリアに5拠点、茂原、佐倉、千葉のエリアにそれぞれ1拠点、さらに茨城県稲敷市と埼玉県児玉町にもあって、全56棟4万930坪(東京ドーム3個分)の倉庫群が首都圏をぐるりと取り囲んでいます。さらに倉庫を建てるノウハウをもって「南総建設」という関連会社を立ち上げ、自社関連ビルや倉庫はもちろん、大規模ビルから個人住宅まで建設しています。
倉庫事業は当初こそ完成在庫を預かるだけだったのですが、やがて「最終工程も担ってほしい」という声が聞かれるようになりました。検品・整備やラベル貼り、注文に応じて商品を組み合わせ箱詰めするピッキング作業などです。そのために「3PL(Third-Party Logistics)事業」を立ち上げ、一部は「南総総業」というグループ会社として独立しました。
その一例として佐倉配送センターでは、千葉県内のコンビニエンスストア約550店舗への配送業務を行っていますが、これに加えて商品の仕分け・ピッキング作業を含めた総合的な物流ソリューションを展開しています。また、皆さんがいつも飲んでいる一番人気のペットボトル入り緑茶も、南総総業のラインから出荷されたものです(千葉県全域・茨城県北部・東京都東部の流通分)。
最終工程を担うという仕事としては、輸入車の整備事業があります。例えば、ある人気ドイツメーカーの自動車・バイクはすべて千葉港から陸揚げされています。当社はそれを成東にある敷地で一手に預かり、点検・整備した上で、全国のディーラーに陸送しています。グーグルマップの航空写真で東金・成東周辺を見ると、約4500台の自動車が整然と並んでいる当社のモータープールがご覧いただけるはずです。
他にも、損害保険代理店業務やタクシー事業(南総タクシー)、貸切バスの運行や、東金・茂原地域に密着したゴミ収集・運搬事業、家電リサイクル法に基づく廃家電製品の収集・運搬事業、施設の安全を守る警備事業など、「モノを運ぶ仕事」を中心に広がるさまざまな事業を展開しています。

物流で社会生活を豊かにする

管理部総務人事課長の田中英之さん

「モノを運ぶ」ということ〝だけ〟を考えれば、日本に数多ある運送会社にはそれほど実力差はありません。使用しているトラックの基本性能は各社横一線ですし、一般道で時速60キロメートル/高速道で時速80キロメートルの法定速度は同じです。
では、南総通運の強みはどこにあるかといえば、先に述べたさまざまな周辺事業を活用した総合力です。最新鋭の倉庫で在庫を管理し、需要が発生したところに迅速に届けられる、最終工程まで担うことで取引企業の効率化に貢献できる体制です。
どれだけITが進化しても、最終的にはモノが動き、届かなければ、社会生活は成り立ちません。そして、社会生活が豊かで便利になるほど、モノはダイナミックに動きます。
一方で、これからはいかに環境に負荷をかけず、効率的に生産、管理し、運ぶかということが重要になってきます。今年からトラックの隊列走行の実証実験が始まりましたし、将来は無人運転が導入されるでしょう。今も熟練のベテランの宅配ドライバーは瞬時に、たくさんの配達先を最も効率的な一筆書きで回るルートを設定できるのですが、数年を待たずそういったことはAI(人工知能)が担うにことなるでしょう。
倉庫のIT化も進み、すべての商品やケースにICチップが埋め込まれ、ゲートを通るといつ何が入庫し、どこに保管されているかが瞬時に記録されるようになりつつあります。縦横無尽に走るフォークリフトは電動式で、IoTとビッグデータで、最も効率的な可動と充電のサイクルで動きます。照明はすべてLEDに装換して事務所並みの明るさを確保しました。私たちは新技術を積極的に取り入れ、ロジスティクスの最先端を走る、リーディング・カンパニーでありたいと思っています。

一番大切なのは「人」である

このように輸送や倉庫のニーズはますます高まり、関連する技術も進化しているのですが、そこに絶対に欠かせないのが人材です。
当社は取引企業の経営効率化に貢献するさまざまな事業を担っていますが、いずれも先方から「こんなことに困っている」と相談されたり「こんな仕事をしてくれないか」と要求されたものではありません。取引企業の物流を担い、商品の出入りをつぶさに見ている中で「こうしたらもっと改善されるのではないか?」という気づきを得て、対応してきた結果です。
ただ商品を運んだり保管したりするだけでは、こうしたことはできません。ビジネスに関心をもち、取引企業に寄り添った仕事をし、自分たちに何ができるかを常に考える社員たちがいたからこそ、ここまで発展できたのです。私たちは、そうした仕事ができる「自立型」の人材を求め、〝育てたい〟と思っています。
物流を効率化することで、新しい商品やサービスがさまざまな人に行き渡り、世の中はどんどん便利で快適になっていきます。それを実現できるのが、ロジスティクスの最前線にいる私たちの仕事なのです。

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