【ENEOS株式会社】「安全・環境・健康」を大切にしたい価値観に掲げ、健康経営を推進

  • ENEOS株式会社 
  • 設立 明治21年(1888)年5月10日
  • 事業内容 石油製品(ガソリン・灯油・潤滑油等)の精製および販売
  • ガス・石炭の輸入および販売
  • 石油化学製品等の製造および販売
  • 電気・水素の供給
  • 資本金 300億円
  • 売上高 8兆8,902億円(2020年3月期)
  • 社員 単体:9,206人(2020年4月1日現在)
  • 本社住所 〒100-8162 東京都千代田区大手町一丁目1番2号
  • 電話番号 0120-56-8704(お客様センター)
  • URL https://www.eneos.co.jp/

取材日:2020年5月28日
土持かおり
人事部 健康推進グループマネージャー
吉田昌弘
人事部 人材開発グループマネージャー
大島卓也
人事部 勤労グループ
髙綱裕紀子
人事部 勤労グループ

社会を根底から支え、人々の生活をより豊かにすることを使命に掲げている、ENEOS 株式会社。「アジアを代表するエネルギー・素材企業」への飛躍に向け、社員の心と身体の健康推進に積極的に取り組む同社に、お話しをお聞きした。

ENEOSグループ行動基準の一つに「健康増進」を掲げる

ENEOSグループは、持ち株会社のENEOSホールディングスのもと、主要な事業会社として、エネルギー事業のENEOS㈱、石油・天然ガス開発事業のJX石油開発㈱、金属事業のJX金属㈱を有し、グループをあげて「アジアを代表するエネルギー・素材企業」への飛躍を目指しております。

エネルギー事業を担うENEOS㈱は、現在も国内の燃料油販売シェアの約半分を占め、基礎化学品のパラキシレンとプロピレンに関してはアジア1位の外販量を誇ります。一方、国内燃料油需要の減退という大きな事業環境の変化へ対応するべく、次世代事業の育成にも力を入れています。具体的には、電気・ガス販売や、再生可能エネルギーをはじめとする電源開発、全国に約13,000か所あるガソリンスタンドのネットワークを活かした新たなエネルギー供給や地域サービスの提供などの展開です。

ENEOSグループではその理念に、「地球の力を、社会の力に、そして人々の暮らしの力に。エネルギー・資源・素材における創造と革新を通じて、社会の発展と活力ある未来づくりに貢献します。」と掲げており、大切にしたい5つの価値観として、「安全・環境・健康」をはじめ「高い倫理観」「お客様本位」「挑戦」「向上心」と定めています。つまり、ENEOSグループでは、持続的な成長のために、「健康」は非常に重要な事項であると位置づけているのです。

さらに、社員の行動・判断のよりどころとする行動基準では、健康に関し「個人の健康」と「労働衛生」という二つの視点から、①働く人の健康は企業の継続および発展の基盤であるとの認識のもと、心身の健康を維持・増進するための取組みを積極的に支援し、健康確保のための努力を尽くすこと、②労働衛生の継続的な発展のために、外部と協力して情報収集・発信を行うとともに、事業活動に伴う健康障害リスクを特定し、評価を行い、そのリスクを抑制する対策を推進することを掲げています。また、人事基本方針にも「高いモチベーションを持って、いきいきと働くことができる環境を整え、従業員が高い生産性を発揮できるようにする」ことを掲げています。

「いきいき人事施策」で従業員の健康を改善

健康に関することがすぐ分かると好評の「健康の教科書」

ENEOS株式会社では、こうしたグループの方針に沿って、すべての従業員が健康でいきいきと働けるよう、「柔軟な働き方」「ダイバーシティ」そして「企業風土」の3つの観点から「いきいき人事施策」を展開してきました。多様な人材や働き方に対応するため、旧来型人事施策からの転換による変革を推進しています。

「柔軟な働き方」では、育児や介護、病気療養と仕事の両立支援の強化や、必ず勤務しなければならない時間帯(コアタイム)を撤廃したフレックス制度、テレワーク制度の導入、仕事と家庭を両立する部下をサポートする上司「イクボス」の育成などにより、従業員のより自由な働き方を後押ししています。

特に病気療養と仕事の両立に関して、日本人の2人に1人が罹患するとも言われている「がん」リスクへの対応は主要健康課題のひとつです。現在100%受診率を維持している定期健康診断に続き、定期検診として人間ドック制度の受診機会を提供するなど、力を入れています。また、がん検診の受診機会の提供のほか、検診費用の全額補助や、検診受診時の就労免除なども行っています。女性特有の子宮頸がん・乳がんについても同様に、全女性を対象に、検診費用の全額補助や検診受診時の就労免除を実施しています。

さらに従業員のヘルスリテラシーを向上させるため、年に2回は社内向けに健康セミナーを開催するなど、継続的な情報発信も行っています。ほかにも、イントラネット上に「健康の教科書」を開設して、健康について知りたいことがいつでも見られるようなコンテンツをラインナップしています。

「ダイバーシティ」では、女性やLGBTの方がいきいきと活躍できる環境整備に注力しています。キャリアや考え方に合った働き方ができるよう、女性の健康に特化した社内セミナーなどを開催したり、管理職社員向けに「アンコンシャスバイアス」に関するe‐ラーニングを展開しています。こうしたセミナーやオンライン研修を受けた社員からは、「なぜダイバーシティ推進が必要なのかは理解したので、より具体的なダイバーシティマネジメントについて知りたい」という要望が多くなってきました。

「企業風土」では、「古くからの男性的な働き方を是とする企業風土」からの変革を実現することで、誰もがいきいきと働き続けられる職場づくりを目指しています。ジーンズやTシャツ等のカジュアルな服装も含めた、自由な服装での勤務の推奨や、職制と部門に限らない自由な対話の場の設置など、あらゆる場面で様々な制度や施策を展開しています。

メンタルヘルスケア対策の拡充で気づきを促す

目に見えない「心の健康」も、重要課題のひとつです。
メンタルヘルス不調の原因ともなる長時間労働の削減に対しては、働き方改革と並行し取り組みを進めています。産業医の数を増員し、長時間労働者への健康チェックの強化を図るとともに、自立的かつ柔軟な働き方を推進することで、長時間労働を減らし、労働生産性・付加価値向上を目指しています。

また、メンタルヘルス不調にならないためにまず重要なのが、従業員一人ひとりが自分自身のストレスに気づくことです。定期的な「ストレスチェック」を行い、ストレスの高い従業員に対しては、産業医の面接指導に加え、社外カウンセラーによるカウンセリングも受けられる体制を整えています。また、外部の専門家も交え、集団・組織分析結果に基づく「職場改善ワークショップ」を行い、高ストレス職場の早期発見と対策に役立てています。高ストレス職場の従業員へは、面談や聞き取りを徹底させ、職場におけるストレス要因の確認と改善目標を決め、サポートしています。

データ活用で、ピンポイントな健康対策を実現

従業員の健康増進施策のPDCAサイクルを強化するため、従業員の健康情報を見える化(電子化)した「健康支援システム」は、2019年から本格的に稼働しています。今後は、これらのデータを活用し、健康課題の抽出とその対応策の立案、効果測定に活用するとともに、個人の健康増進をサポートしていく予定です。
具体的には、任意を含めた健診受診率の維持・向上のための受診実績管理や、産業医による個別判定と就業判定の実施とその通知、2次検査(再検査・精密検査など)や産業医等との面談が必要な従業員のフォロー、一般健診問診のウェブ実施などを充足させていく計画です。

健康情報の見える化と、グループ全体での「健康項目」データ一元化は、各所の総務・人事担当者の省力化にもつながっています。ペーパーレス化により、地球の「健康」維持にも貢献できたことは、持続可能な社会の実現に大きく寄与しています。

また、健康項目の一元化をしたことで、産業医も同じ目線で判断やアドバイスができるようになりました。より充実した判定とデータの蓄積につながっていると感じています。

今後は、こうしたデータを活用して、従業員のヘルスリテラシーのさらなる向上にもつなげていきたいと考えています。たとえば、肥満率と喫煙との因果関係などを抽出することで、ターゲットにピンポイントな健康施策を行うこともできるようになるのではないかと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大により、弊社では従業員のテレワーク化は急速に進みました。一方で、従業員の健康管理やメンタルケアのリモート対応には限界や課題があることも明らかになりました。こうした課題を解決し、さらに働きやすい職場をつくっていくことも、今後の重要なテーマです。

働き方改革、人材育成と併せて、健康経営に積極的に取り組み、従業員がより一層いきいきと働く企業を目指していきます。

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