【江崎グリコ株式会社】「おいしさと健康」で豊かな食文化といきいきとした生活づくりに貢献する

  • 江崎グリコ株式会社
  • 設立 1929年(昭和4年)2月(創業:1922年(大正11年)2月11日)
  • 事業内容 菓子、冷菓、食品、牛乳・乳製品の製造および販売
  • 資本金 77億73百万円
  • 売上高 連結/288,187百万円、単体/205,383百万円(2019年12月末現在)
  • 社員 連結/5,364人、単体/1,525人(2019年12月末現在)
  • 本社住所 〒555-8502 大阪府大阪市西淀川区歌島4丁目6番5号
  • 電話番号 (06)6477-8352
  • URL www.glico.com/jp/

取材日:2020年6月9日
平山晃守
経営企画本部 経営企画部
健康経営推進グループ

「栄養菓子」という新ジャンルの食品を誕生させ、世の中に豊かで健康な食生活を広めてきた江崎グリコ株式会社。スピード感のある「健康経営」を進めている同社に、これまでの取り組みの経緯と健康経営への思いについて、話を聞いた。

「おいしさと健康」の実現を目指す

江崎グリコは国民の健康増進に寄与したいという創業者の強い信念から生まれた会社です。「おいしさと健康」を企業理念に掲げ、世の中の人々の心と体の健康に貢献できるよう、事業を展開してきました。

当社の代表商品でもある「グリコ」は、グリコーゲンに由来しています。創業者の江崎利一は、チフスにかかり衰弱した長男が、グリコーゲンが豊富に含まれるカキのエキスを摂取して健康になったことに感銘を受け、「広く一般にもこのグリコーゲンを活用してもらいたい」と、グリコーゲンを用いたキャラメルづくりを始めました。試行錯誤の上、1921(大正10)年に誕生した「栄養菓子」が「グリコ」の始まりです。

現在、Glicoグループは、菓子、冷菓、乳製品や加工食品といった領域まで事業を拡大しています。近年は、乳幼児の健やかな成長を支援する飲料・食品、お客様の暮らしに合わせて健康をサポートする商品の拡充、健康機能を持つ食品素材の研究・開発にも力を入れています。

バイオテクノロジーやIoT、AIなど最先端技術の発展、サプライチェーンの進化などにより、日本国内はもちろん、世界中に当社の「おいしさと健康」は広がりました。しかし一方で、「健康」に寄与する自社社員の健康意識がそれほど高くないという課題もありました。

そこで2018年7月に、社員の健康維持・増進を重要な経営課題と位置づけ、社員の主体的な健康づくりを積極的に支援する「健康経営宣言」を制定しました。

知識習得・自己理解・実践・習慣化健康づくりのPDCAを回す

健康経営宣言に先立ち、2018年2月に「健康経営推進グループ」が設立されました。健康経営推進グループが最初に着手したのは、運動・栄養・休息に着目した社員の主体的な健康づくりです。健康に関する「知識習得」機会を増やすことで、本人の「自己理解」を高める。そして、それを「実践」する場を設け、「習慣化」につなげていく。そのため、手軽に活用できるヘルスケアアプリで、自分の歩数や食事内容、睡眠(時間と質)を記録。日々PDCAを回せる仕組みを導入しました。

当社オフィスには、さまざまなところにツールとしての「お菓子」が置いてあります。また、業界上「食」へのこだわりが強い社員も多い傾向にあり、健康経営に取り組む以前は、生活習慣病の発症リスクが非常に高い「メタボリックシンドローム」に該当する社員も目立ちました。

お菓子は、コミュニケーションの促進や脳のリラックスに効果的ですが、食べすぎると、高血糖や高血圧などの原因にもなりかねません。日本人の死因TOP3は、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患ですが、これらのいずれもが、生活習慣と関連があるといわれていますので、生活習慣病の予防は、非常に重要です。

医療費の5倍とされる定性的なプレゼンティーイズムの改善も大きな課題でした。そこで、サーベイを実施して可視化することで、組織の健康状態を把握。問題点がすばやく抽出できるようになり、改善に向けた施策が的確に検討できるようになりました。

また、健康サーベイにはストレスチェックテストが包含されており、高ストレス者へのケアを早く行うために年2回実施しています。また、健康サーベイのPDCAをより効果的にするために毎月数分で回答できるコンディション調査も実施しています。

社員への健康意識を高めるために、各分野で活躍する専門家を講師に招き、健康セミナーも開催しました。これまでに、ロカボ、睡眠の改善、禁煙、乳がん、子宮がん、口腔ケアなど、さまざまなテーマのセミナーを行っています。
さらに、社員の家族にも活用してもらえるよう、健康情報をまとめた冊子を作成。全社員に配布しました。

イベント形式の健康施策なども行っています。「正しい歩き方&ウォーキンググランプリ」は、歩行習慣による健康全般への意識醸成のほか、職場のコミュニケーション活性化にもつながりました。

推進リーダーの活躍で広がる健康経営

グリコ パワープロダクション×ZERO GYM
『寝る前の黄金の30分』メソッド

こうした活動の告知や健康意識の啓発は、部署ごとに定めた「推進リーダー」によって社員一人ひとりに浸透させています。推進リーダーは挙手制ですが、立ち上げからすぐに120名以上もの社員が手を挙げ、社員の健康推進に寄与しています。

推進リーダーの中にたまたまインストラクターの資格を持った人がいたことで広まったヨガ教室は、体を動かすだけでなくメンタル面の改善にも効果があると好評を博しています。新型コロナの影響で、オンラインで実験的に開催したところ、「普段は参加できないけど、オンラインなら参加できる」「これからも続けてほしい」とたくさんの反響がありました。今後はオンラインでの定期開催も検討していく予定です。

今後は、セルフマネジメントに重点を置いたマインドフルネス研修や、疲労回復専用ジムZERO GYMとコラボした良質な睡眠をつくる「寝る前の黄金の30分」メソッドなど、外部の専門家や専門機関とのコラボレーションの強化も、もっと増やしていく予定です。

推進リーダーは原則1年間ですが、2年継続で担当している人がほとんどです。社員への健康啓発を担う重要な役割なので、「日本健康マスター検定」の資格取得をお願いしていますが、会社が要望している「ベーシック」のほか、上級の「エキスパート」にチャレンジする人も多く、さらにその上の「普及認定講師」の資格を自費で取得した人もいます。来年以降は、まだリーダーを経験したことのない人に担当してもらうことで、体系的な健康知識やノウハウを有する社員を増やし、さらに社会の健康課題解決に貢献できる組織へと成長していきたいと考えています。

ワークもライフも充足させてより「健康」に

育児に1か月専念!「Co育てMonth」

Glicoグループでは「ワークライフミックス」として、社員が公私ともに充実した生活を送り、心身ともに健康な状態となることを目指しています。そのため、健康経営だけではなく、働き方改革やダイバーシティ&インクルージョンの促進等と有機的に取組みを連携して推進するよう心掛けています。具体的には、テレワーク制度やフレックスタイム制度、業務効率化による残業時間の削減や年次有給休暇の取得促進にも全社をあげて取り組んでいます。

心身ともに充実した健康のエキスパートたる社員を増やすことが、自社だけでなく、ステークホルダーの健康課題解決に役立ち、ひいては社会の健康に貢献できる企業への成長につながるものと考えています。

2019年3月には、それまでの妊娠・育児有給休暇を再構築し、新たに「Co(こ)育て休暇」を導入しました。本人または配偶者が妊娠・子育て中という従来の対象者に加え、不妊治療や妊活、また孫の育児等に対象を広げ、各内容に応じて有給休暇を付与する制度です。これにより、社員一人ひとりのライフステージに対する幅広い育児支援を実現しました。2019年4月から男性の育児休職取得を必須化し、さらに2020年には生後6ヶ月までのお子さんを持つ社員に対して、育児休職とは別に1ヶ月の育児休暇を与える「Co育てMonth」を導入しました。導入から半年経過時点で、対象の男性社員全員が取得済み、あるいは取得申請済みで、取得者からは「育児の大変さを経験し、人生観が変わるくらいの衝撃だった」「育児をやって当たり前の環境になって、『手伝う 』という意識から自分が主体的に行うという意識へ変化した」など、家族のコミュニケーションや健康、子育てに対する理解を深め、見つめ直すよいきっかけとなっています。

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